〜暮らしの落書き帳〜

離れて暮らす親の見守り方|スマホの設定・見守り家電・郵便局のサービスを費用と始める順番で整理

夕暮れの家と、見守りの通知が来たスマホ 生活トラブル

実家の親から電話がつながらないと、それだけで落ち着かなくなります。かといって、毎日電話をかけ合うのはお互いに負担ですし、カメラを置くと言えば嫌がられることもあります。

この記事では、離れて暮らす親を見守る方法を「お金をかけずにできること」「生活のようすが分かる家電」「人が訪ねてくれるサービス」の3つに分け、費用・分かること・親の負担を並べて整理します。料金や手続きは、2026年9月時点で各社・各機関の公式ページで確認したものです。

この記事の結論

  1. 最初に「何が心配なのか」を親と一緒に決める。安否、急な体調不良、熱中症、詐欺電話では、合う手段がまったく違う
  2. 無料でできるのは、スマホの位置情報の共有、固定電話の国際電話の利用休止(無料)、留守番電話の設定。まずここから
  3. 毎日のようすを知りたいなら、見守り家電(電気ポットやコンセントに挿すセンサー)。カメラより親の抵抗が小さい
  4. 人の目が必要なら、郵便局のみまもり訪問サービス(月額2,500円)や警備会社の駆けつけ。困ったときの相談先は地域包括支援センター

1.まず「何が心配か」を決める

「見守り」とひとことで言っても、知りたいことは人によって違います。毎朝ちゃんと起きているかを知りたいのか、倒れたときにすぐ誰かが駆けつけてほしいのか、詐欺の電話が心配なのか。心配ごとが決まらないまま機器を選ぶと、月額料金だけかかって、肝心のときに役に立たないということになりがちです。

下の早見表は、よくある心配ごとと、それに合う手段の組み合わせです。親が元気で自分でスマホを使えるなら左の列から、体力や判断力が心配になってきたら右の列へ、と考えると選びやすくなります。

心配ごと別の見守り手段の早見表。安否・体調不良・熱中症・詐欺電話・外出先で迷う・物忘れごとに、まずできること、毎日のようすを知る方法、人の手を借りる方法を並べた表
心配ごと別の見守り手段の早見表

親に黙って始めない

見守りは、親の同意がないとうまく続きません。位置情報の共有も見守り家電も、親が「監視されている」と感じると、電源を抜かれたり共有を切られたりします。「電話がつながらないと心配だから、元気かどうかだけ分かるようにしたい」と目的を伝え、何が家族に通知されるのかを具体的に見せてから始めるのが近道です。

2.お金をかけずにできる3つの設定

親がスマホを持っている、または固定電話がある場合、次の3つは費用がかからず、帰省したときに30分ほどで済みます。

スマホの位置情報を家族と共有する

iPhoneなら「探す」アプリで位置情報を共有できます。Appleの案内では、「探す」を開いて「自分」タブで「自分の位置情報を共有」をオンにし、「人を探す」タブの追加ボタンから家族を選び、共有期間(1時間・明け方まで・無期限)を選ぶ手順です。ファミリー共有に入っていれば、家族はすでに一覧に出ています。共有されると、家族は「探す」やマップで相手の現在地を確認できます。

Androidの場合は、Googleアカウントの位置情報の共有を使います。Googleマップなどから相手を選んでリアルタイムの位置を共有でき、名前・プロフィール写真・現在地・電池残量が相手に表示されます。

電池残量も見ておく

位置情報は、スマホの電源が切れると更新されません。高齢の親のスマホは充電を忘れて電池切れになっていることも多いので、「位置が昨日から動かない」ときは、まず電池切れを疑うと慌てずに済みます。

固定電話の「国際電話」を止める(無料)

最近の特殊詐欺では、「+1」「+44」のように「+」から始まる国際電話番号からかかってくる例が増えていて、各地の警察が固定電話の国際電話の利用休止を呼びかけています。国際電話をふだん使わないなら、止めておいて困ることはほとんどありません。

申し込み先は「国際電話不取扱受付センター」です。対象は03や06などで始まる10桁の固定電話で、費用は無料。Webフォーム、電話(0120-210-364、通話料無料)、申込書の郵送の3つの方法で申し込めます。着信を止める手続きと、発信を止める手続き(KDDI・ソフトバンクの国際電話が対象)がそれぞれあるので、両方にチェックが入っているか確認してください。申込書は警察署でも配っています。

留守番電話を常にオンにしておく

警察が繰り返し伝えているのは「詐欺の電話は受けないことがいちばん」ということです。固定電話を在宅中も留守番電話に設定し、知っている人の声を聞いてから出るようにするだけで、犯人と直接話す機会を減らせます。自治体によっては、通話を自動で録音する装置を高齢者に無料で貸し出していることもあるので、親の住む市区町村の防犯のページも見ておきましょう。

スマホの場合は、大阪府警などが推奨している迷惑電話対策アプリを入れておく方法もあります。スマホそのものの乗っ取りや不正ログインが心配な場合は、アカウントを乗っ取られたかもと思ったらで確認の手順をまとめています。

3.毎日のようすが分かる「見守り家電」

「毎日起きて、ふつうに生活しているか」を知りたい場合は、生活の中でいつも使うものが動いたら家族に知らせてくれる機器が向いています。カメラと違って映像を撮らないので、親の抵抗が小さいのが特徴です。ここでは、公式に料金が公表されている代表的な2つを紹介します。

電気ポットで見守る(象印「みまもりほっとライン」)

象印マホービンの「みまもりほっとライン」は、通信機を内蔵した電気ポットを使うサービスです。2001年から続いていて、2023年5月にリニューアルされました。ポットの電源を入れた、お湯を注いだといった使用状況が、指定した時刻に1日最大3回、家族にメールで届きます。24時間または36時間ポットが使われなかったときに知らせる通知や、外出・帰宅を知らせる機能もあります。

料金は初期費用5,500円(税込)、月額3,300円(税込)。ポットに無線通信機が入っているので、実家にWi-Fiやインターネット回線は要りません。毎日お茶を入れる習慣がある親なら、いつもどおり使ってもらうだけで済むのが利点です。

コンセントに挿すセンサーで見守る(au「かんたん見守りプラグ」)

KDDIの「かんたん見守りプラグ」は、コンセントに挿すだけで使える見守り機器です。人の動き、温度・湿度、明るさ、電気の使用量の4つのセンサーで生活のリズムを見て、変化があるとスマホのアプリや登録したメールに知らせます。アプリは最大10人、メールは最大5アドレスまで登録できます。

au回線(LTE)で通信するので実家にWi-Fiは要らず、auのスマホを使っていなくても利用できます。ただし「au HOME」への申し込みが必要です。月額は539円で、本体代金は購入先によって異なり、キャンペーンで割り引かれていることもあるため、申し込むときに公式ページで確認してください。温湿度センサーがあるので、夏場の室温の上がりすぎに気づけるのも、エアコンをつけたがらない親には役立ちます。

見守り家電で分かるのは「いつもと違う」まで

見守り家電は、生活のリズムがいつもと違うことを知らせてくれますが、倒れているかどうかまでは分かりません。通知が来たときに「まず誰が電話するか」「電話に出なければ誰が見に行くか」を、始める前に家族で決めておきましょう。近くに頼める人がいないなら、次の「人が関わるサービス」と組み合わせます。

4.人が訪ねる・駆けつけるサービス

機械の通知だけでは不安な場合や、近くに住む家族がいない場合は、人が関わるサービスを検討します。全国どこでも使いやすいのが、日本郵便の「郵便局のみまもりサービス」です。

郵便局のみまもりサービス

  • みまもり訪問サービス(月額2,500円・税込):月1回、郵便局の社員などが約30分訪問し、生活のようすを写真付きで家族に報告します。けがで入院したときの補償(みまもり保険)が付いています
  • みまもりでんわサービス(固定電話 月額1,070円、携帯電話 月額1,280円・税込):毎日決まった時間に自動音声で体調を確かめる電話がかかり、結果が家族に届きます。出なかったときは1時間以内にかけ直し、2回続けて出なければメールで知らせます。報告先は最大4人
  • 駆けつけサービス(オプション、月額880円〜・税込):家族が頼むと、セコムまたはALSOKが親の家に駆けつけます。駆けつけ1回につき5,500円(税込、対応1時間以内)がかかります

組み合わせると、訪問+でんわで月額3,460円、でんわ+駆けつけで月額1,950円、3つすべてで月額4,340円(いずれも税込)です。申し込みは日本郵便のお客様サービス相談センター(0120-23-28-86)で受け付けています。

警備会社のホームセキュリティ

セコムやALSOKなどの警備会社には、非常ボタンを押すと警備員が駆けつける高齢者向けのプランがあります。空き巣や火災の感知と一緒に入れられるので、親がひとり暮らしで家の防犯も心配という場合に向いています。料金は住まいや機器の数で変わるため、各社の資料請求や見積もりで確認します。郵便局の駆けつけサービスは、この警備会社の仕組みを月額880円からのオプションとして使えるようにしたものなので、「倒れたときに駆けつけてくれればいい」なら、まず郵便局の組み合わせと比べてみるとよいでしょう。

5.費用と分かることの比較

ここまでの手段を、費用・分かること・親の手間で並べました。料金はいずれも税込で、2026年9月時点の公式ページの表示です。

手段費用分かること親の手間
スマホの位置情報の共有無料今いる場所・電池残量スマホを持ち歩き、充電する
国際電話の利用休止無料(詐欺電話を減らす)なし
みまもりでんわ(郵便局)月1,070円(固定)/1,280円(携帯)毎日の体調(自動音声への回答)毎日電話に出てボタンで答える
みまもりほっとライン(象印)初期5,500円+月3,300円ポットを使ったか・外出・帰宅いつもどおりポットを使う
かんたん見守りプラグ(au)月539円+本体代(au HOMEの申込が必要)人の動き・室温・明るさ・電気の使用なし(挿すだけ)
みまもり訪問(郵便局)月2,500円月1回、人が会ったようす(写真付き)月1回の訪問に応じる
駆けつけ(郵便局のオプション)月880円〜+出動1回5,500円家族の要請で警備員が行くなし

組み合わせの例を挙げると、スマホを使える元気な親なら「位置情報の共有+国際電話の休止」の無料の組み合わせで十分なことが多く、ひとり暮らしで持病があるなら「見守り家電+駆けつけ」、会話の相手も欲しいなら「みまもり訪問」を足す、という形になります。始める順番は次の図のとおりです。

見守りを始める順番の流れ図。親と話す、無料の設定、ようすが分かる機器、人が関わるサービス、相談先を控えるの5段階と費用の目安
見守りを始める順番(費用は税込・月額の目安)

6.困ったときの相談先と、決めておくこと

地域包括支援センター

親の物忘れが増えた、ひとりで暮らせるか心配になってきたというときの相談先が、市町村が設けている地域包括支援センターです。保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーがいて、高齢者の健康や介護、福祉の相談をまとめて受けています。全国に約5,500か所(支所を含めると約7,400か所)あり、親の住所で担当のセンターが決まります。自治体の見守りや配食サービスなど、その地域で使える支援も教えてもらえるので、見守りを考え始めた段階で一度電話しておくと安心です。

家族で決めておく3つのこと

  1. 通知が来たら誰が動くか:兄弟姉妹がいるなら、平日と休日で担当を分けるなど、通知を受けた人が迷わないようにする
  2. 合い鍵をどこに置くか:駆けつけても鍵がなければ中に入れません。近所の親戚に預けるのか、サービス会社に預けるのかを決める。鍵をなくしたときの対処は鍵のトラブル対処法にまとめています
  3. 近所の人の連絡先:日ごろ親と行き来のある人の電話番号を1人分でも聞いておくと、いざというときに様子を見てもらえます

あわせて、親のスマホのパスコードや、使っているサービスのIDの控えを元気なうちに共有しておくと、入院などで本人が操作できなくなったときに困りません。やり方は今のうちにやるデジタル終活で紹介しています。災害で停電したときの備えは停電に備えて家で用意しておくものも参考にしてください。

次に読むならこの1本アカウントを乗っ取られたかもと思ったら親のスマホに届いた不審なメッセージやログイン通知への対処を、確認する順番でまとめています。

よくある質問

Q.実家にWi-Fiがなくても見守り家電は使えますか?

この記事で紹介した象印の「みまもりほっとライン」とauの「かんたん見守りプラグ」は、どちらも機器に通信機能が入っているので、実家にWi-Fiやインターネット回線がなくても使えます。一方、市販の見守りカメラの多くは自宅のWi-Fiが必要です。

Q.カメラを置くのを親が嫌がります。

映像を撮らない方法を選ぶのが現実的です。電気ポットやコンセントのセンサーは「ポットを使った」「部屋で人が動いた」ことしか分からないので、カメラより受け入れてもらいやすくなります。何が家族に届くのか、実際の通知の画面を見せて説明すると納得してもらいやすいでしょう。

Q.国際電話を止めると、海外にいる家族と話せなくなりますか?

止めるのは固定電話の国際電話の発信・着信です。海外の家族とは、スマホのLINEやビデオ通話などインターネットを使う方法なら、これまでどおり話せます。固定電話で国際電話を使う予定がある場合は、止める手続きをする前に家族で相談してください。

Q.見守りサービスは、親と子のどちらの名義で申し込みますか?

サービスによって違います。郵便局のみまもりサービスは家族が申し込んで報告を受け取る形で、報告先を最大4人まで指定できます。国際電話の利用休止は電話番号の契約者の情報で申し込みます。申し込む前に、それぞれの公式ページで申込者の条件を確認してください。

Q.まず1つだけ始めるなら、どれがいいですか?

親がスマホを使えるなら、無料の位置情報の共有と国際電話の利用休止です。スマホを使わない親なら、毎日の体調を自動音声で確かめる郵便局の「みまもりでんわ」(固定電話 月額1,070円)が、費用が小さく始めやすい方法です。

参考情報・出典

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