〜暮らしの落書き帳〜

固定費の見直しガイド|ネット・電気・ガス・保険・スマホを効果の大きい順に

机の上に広げた料金の明細と電卓。固定費の見直しを表したイメージ写真 生活トラブル

節約というと、まず食費や日用品を削る話になりがちです。ただ、食費は毎日の判断が必要で、気を抜くと元に戻ります。それに対して固定費は、手続きを1回終えれば、あとは何もしなくても翌月から毎月効き続けます。

このページは、Daily Picksで個別に書いてきた固定費の記事をまとめた入口です。どの費目から手をつけると効きやすいか、それぞれ何を確認すればいいか、そして詳しい手順はどの記事を読めばいいかを、1か所に並べました。金額の目安は、総務省統計局の家計調査など、公的な調査の数字を使っています。

固定費は「効果の大きい順」に手をつける

見直す順番は、次の5段階で考えると迷いません。

  1. 通信(光回線・スマホ)
  2. 電気・ガス
  3. 保険
  4. サブスク
  5. 税(ふるさと納税・確定申告)

この順番になる理由は3つあります。1回の手続きで効く期間が長いこと、金額が大きいこと、そして家族の同意や健康状態の確認が要らず自分ひとりで始められることです。保険は3つめで一段ハードルが上がるため、通信と電気・ガスより後に置いています。

費目ごとに毎月いくら動いているか

まず、自分の家計でどこに大きなお金が乗っているかを把握します。下の表は「見直せばこれだけ下がる」という額ではなく、その費目で毎月動いているお金の大きさです。下がり幅は契約内容によって変わるので、規模感をつかむための目安として見てください。

順番費目1か月の平均1年分に直すと1回の手続きで効く期間
1通信11,303円約13.5万円解約するまでずっと
2光熱・水道24,547円約29.4万円解約するまでずっと
3生命保険(世帯の年間払込保険料)約2.9万円35.3万円見直すまでずっと
4教養娯楽サービス19,929円約23.9万円解約した月から
5ふるさと納税—自己負担2,000円その年かぎり

通信・教養娯楽サービスは2026年7月分、光熱・水道は2025年平均で、いずれも総務省統計局「家計調査」の二人以上の世帯(平均2.87人)の数字です。生命保険は生命保険文化センターの調査によるもので、家計調査とは別の調査です。

注意点が2つあります。「教養娯楽サービス」には旅行費や習い事なども含まれるため、この全額がサブスクではありません。また光熱・水道は季節で大きく動きます。2025年平均では月24,547円ですが、真夏の2026年7月分は18,436円で、内訳は電気代9,591円・ガス代3,746円・上下水道料4,758円でした。冬はここから暖房の分だけ上がります。

自分がどれを見直せるか|9項目のチェックリスト

当てはまるものが多い費目から手をつけてください。当てはまらない項目は、すでに見直し済みか、見直す余地が小さいところです。

  • 光回線を、引っ越しや乗り換えをせずに3年以上そのまま使っている
  • スマホの料金プランを、この2年間で一度も変えていない
  • スマホの毎月のデータ使用量を、直近3か月ぶん確認したことがない
  • 電気の契約アンペア数を知らない(検針票や明細に書かれています)
  • 電力会社・ガス会社を、自由化以降に一度も変えていない
  • プロパンガス(LPガス)を使っていて、1立方メートルあたりの単価を知らない
  • 生命保険・医療保険に3本以上入っていて、それぞれの保障内容を説明できない
  • 自動車保険を、同じ会社で3年以上そのまま更新している
  • 使っていないサブスクがあるかどうか、すぐに答えられない

以下、この順番どおりに、費目ごとの確認点と手順を見ていきます。

固定費を見直す順番と費目ごとの1か月あたりの平均額を示した棒グラフ。1位が通信11,303円、2位が光熱・水道24,547円、3位が生命保険の月あたり約2.9万円、4位が教養娯楽サービス19,929円、5位が税で自己負担2,000円
出典:総務省統計局「家計調査」2025年平均および2026年7月分、生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」(2024年度)をもとに作成

1|通信(光回線・スマホ)|1回の手続きで、いちばん長く効く

二人以上の世帯の「通信」は月11,303円(2026年7月分)、1年で約13.5万円です。光回線とスマホの両方を含みます。ここを最初に置くのは、金額が大きいからというより、一度契約を変えれば、こちらが何もしなくても毎月ずっと効き続けるからです。

確認するのはこの4つ

  1. いまの月額。光回線とスマホをそれぞれ、税込の実際の請求額で確認します。キャンペーン割引の適用期間が終わっていて、気づかないうちに上がっていた、というのがいちばん多いパターンです。
  2. データ使用量。スマホは直近3か月ぶんを見ます。大容量プランなのに実際は毎月3GB以下、という状態はよくあります。
  3. 契約期間と解約金。更新月以外に解約すると費用がかかる契約かどうかを見ます。
  4. 工事費の残債。光回線は工事費を分割払いにしていると、解約時に残りを一括請求されることがあります。解約金とは別枠です。

手順

スマホと光回線は分けて考えます。スマホは、データ使用量を確認してから、同じ会社内の安いプランに変えるか、別の会社に乗り換えるかを決めます。電波の入り方は住んでいる場所で変わるので、料金だけで決めないのが安全です。

光回線は、引っ越しのタイミングが最大の見直しどきです。移転手続き・解約して新規契約・そのまま継続の3つで費用がまったく違うため、引っ越しが決まった時点で比べると有利な条件を取りやすくなります。

契約前の説明と実際の契約が違う場合の相談先は、総務省の電気通信消費者情報コーナーに案内があります。電気通信事業法には消費者保護のルールがあり、契約書面の交付や説明義務が事業者側に課されています。

詳しい手順はこちら

2|電気・ガス|使用量を減らす前に、単価と契約を見る

光熱・水道は月24,547円(2025年平均)で、1年で約29.4万円。固定費のなかでは最大の費目です。

よくある失敗は、いきなり「こまめに消す」から始めてしまうことです。電気代は「単価 × 使用量 + 基本料金」で決まるので、先に単価と基本料金を見たほうが、手間に対する効きが大きくなります。

3段階で考える

第1段階:いまの契約を確認する。 検針票かマイページで、契約アンペア数、料金プラン名、1か月の使用量(kWh)、燃料費調整額の4つを控えます。ここを知らないまま比較しても、どの選択肢が安いかは決まりません。

第2段階:同じ会社のなかで変える。 契約アンペアを下げる、時間帯別プランに変える、といった変更です。アンペアを下げれば基本料金が下がりますが、下げすぎるとブレーカーが落ちます。同時に使う家電を書き出してから決めてください。

第3段階:会社を切り替える。 資源エネルギー庁は、小売電気事業者を選ぶときに確認すべき点として、電気事業法に基づく登録事業者かどうか、供給開始日、契約期間、期間満了後の更新のしかた、毎月の料金と算定方法、工事費などの自己負担、割引の対象期間、期間内に解約する場合の制約と解約手数料、を挙げています。料金だけを見て決めないための一覧としてそのまま使えます。

切り替えても電線を引き直す必要はなく、停電しやすくなることもありません。送配電網は同じものを使うためです。賃貸住宅でも、電力会社との契約名義が自分であれば切り替えられます。マンションで管理組合などが建物全体の電気を一括購入している場合だけ、規約で制限されることがあるので先に確認してください。

電気・ガスの見直しを3段階で示した図解。STEP1はいまの契約の確認で契約アンペア数・料金プラン名・1か月の使用量・燃料費調整額、STEP2は同じ会社の中でアンペアやプランを変える、STEP3は会社の切り替えで登録事業者か・契約期間・割引の対象期間・期間内解約の制約を確認する。あわせて電気料金の目安単価31円/kWhと、賃貸・マンションでの切り替え可否を示している
出典:資源エネルギー庁「電力小売全面自由化 よくある質問」、全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問Q&A」をもとに作成

電気の「1kWhあたり」の感覚を持っておく

家電のカタログに載っている電気代は、全国家庭電気製品公正取引協議会が決めた目安単価31円/kWh(税込)で計算されています。2022年7月22日に、それまでの27円/kWhから改定されたものです。実際の単価は契約先によって違いますが、この31円を基準にすると、家電ごとの電気代をざっくり比べられます。1日あたり1kWh減らせれば、月におよそ930円という計算になります。

暖房は、この差がいちばん大きく出るところです。同じ「暖める」でも機種によって消費電力がまったく違うため、冬の電気代はどの機種をどう使うかでかなり変わります。

プロパンガス(LPガス)は別枠で考える

プロパンガスは料金が自由に設定されていて、同じ地域でも会社によって単価が違います。しかも単価が明細に書かれていないことがあります。まず1立方メートルあたりの単価を確認するところから始めてください。地域ごとの平均価格は、石油情報センターが毎月の価格調査として公表しています。

詳しい手順はこちら

3|保険|「入り直す」前に「重なり」を消す

生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」(2024年度)によると、2人以上の世帯が1年間に払っている保険料は、個人年金保険を含めて平均35.3万円です。月に直すと約2.9万円。分布を見ると「12万円から24万円未満」が19.3%で最も多く、次いで「12万円未満」が17.8%、「24万円から36万円未満」が15.7%で、平均より少ない世帯のほうが多くなっています。個人単位では、同センターの「生活保障に関する調査」(2025年度)で年間平均17.1万円です。

保険を通信・電気より後に置いているのは、金額が小さいからではありません。いったん解約すると、健康状態によっては同じ条件で入り直せないためです。急がず、順番を守って進めます。

手順は「棚卸し → 重複を消す → 必要なら乗り換え」

まず、入っている保険をすべて書き出します。会社名、保険の種類、月払いか年払いか、保険料、保障の内容、保障が続く期間の6項目です。証券が見つからなければ、各社のマイページか契約者向けの窓口で確認できます。

次に、重なっているところを探します。医療保険を複数持っている、勤務先の団体保険と個人契約で同じ保障がある、クレジットカードの付帯保障と重複している、といったケースです。新しい保険に入り直すより、重複を1本消すほうが確実で、健康状態の審査も要りません。

乗り換えを検討するのはその後です。検討中に、いま入っている保険を先に解約しないでください。

自動車保険は毎年見直せる

生命保険と違って、自動車保険は1年ごとの契約なので、更新のたびに条件を変えられます。健康状態の審査もありません。固定費のなかでは、比較的気軽に手をつけられる部類です。

更新案内が届いたら、運転する人の範囲、年齢条件、年間走行距離、車両保険の有無と免責金額、特約の重複、等級の6か所を確認します。特に「運転者の範囲」と「年齢条件」は、家族構成が変わったのに昔のままになっていることがよくあります。

詳しい手順はこちら

4|サブスク|金額ではなく「本数」を数える

サブスクは1本あたりが数百円から千数百円と小さいため、単体では気になりません。効くのは本数です。1本500円でも8本あれば月4,000円、1年で48,000円になります。

探し方は「支払い元」からたどる

思い出そうとすると必ず漏れるので、お金の出口から逆にたどります。

  1. クレジットカードの明細を、直近12か月ぶん見ます。年払いのものは12か月見ないと見つかりません。
  2. スマホのアプリストアの定期購読一覧を開きます。iPhoneなら設定のアカウントから、Androidならアプリストアの定期購入から確認できます。
  3. キャリア決済の明細を見ます。カード明細にもストアにも出てこないものが、ここに入っていることがあります。
  4. 見つかったものを、「今月使った/使っていない」で2つに分けます。 3か月使っていないものは、いったん解約して構いません。動画や音楽は解約してもアカウントが残ることが多く、必要になったら再開できます。

無料期間のまま自動で課金に切り替わったもの、同じジャンルを2つ契約しているものは、この4手順で見つかります。

5|税(ふるさと納税・確定申告)|支出を減らすのではなく、戻す

ここまでの4つは「払う額を減らす」話でした。税は違って、払った税金の一部を戻す、あるいは納め先を変える話になります。順番を最後にしているのは、期限が年単位で、毎月の家計にすぐ効くわけではないからです。

ふるさと納税

ふるさと納税は、寄附した金額のうち2,000円を超える部分が所得税と住民税から控除されるしくみです。上限額の範囲内なら実質的な自己負担は2,000円で済みますが、上限を超えた分は控除されないため、自分の上限額の確認が先になります。控除の対象となる寄附額には、所得税からの控除で総所得金額等の40%、住民税からの控除(基本分)で30%という上限もあります。

控除を受けるには、原則として寄附をした翌年の3月15日までに確定申告が必要です。ただし確定申告が不要な給与所得者で寄附先が5団体以内なら、各自治体に申請すれば確定申告が要らない「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が使えます。この場合は所得税からの控除は行われず、その分も含めた全額が翌年度の住民税から差し引かれます。

年末が近づくほど手続きが混み合うので、上限額の確認と寄附は秋のうちに済ませておくと安全です。

確定申告

副業の所得がある人は、確定申告が必要になる場合があります。申告そのものは節約ではありませんが、経費や控除を正しく申告できるかどうかで手取りが変わるため、固定費の見直しと同じ枠で考える価値があります。

帳簿づけを会計ソフトに任せるかどうかは、まず「必要かどうか」から判断するのが順序です。取引が月に数件なら表計算でも足りますし、青色申告で65万円の控除を狙うなら電子帳簿保存やe-Taxの要件を満たす必要があります。ソフトの機能を比べるのは、そこを決めてからです。

詳しい手順はこちら

見直しで失敗しないための4つの注意

1つずつ変える。 同じ月に通信も電気も保険も変えると、どれがいくら効いたのか分からなくなります。効果が見えないと、次の見直しの判断もできません。1か月に1費目が目安です。

切り替え前に、解約側の費用を必ず確認する。 解約金、工事費の残債、日割り計算の有無、機器の返却費用など、乗り換え先の月額だけを見ていると見落とします。

「安くなる」の根拠を、契約書面で確認する。 資源エネルギー庁も指摘しているとおり、割引には対象期間があります。最初の12か月だけ安く、13か月目から上がる料金プランは珍しくありません。1年目ではなく、2年目・3年目の金額で比べてください。

保険だけは、新しい契約が成立してから解約する。 これは順番を間違えると取り返しがつきません。健康状態によっては、解約した保険に入り直せない場合があります。

よくある質問

Q. 全部やるとどれくらい下がりますか。

契約内容によって変わるため、一律の金額は出せません。ただし規模感としては、二人以上の世帯の平均で通信が月11,303円、光熱・水道が月24,547円動いています。いまの契約がどれだけ古いかによって、下がる幅は大きく変わります。まずは現在の請求額を費目ごとに書き出すところから始めてください。

Q. 賃貸でも電気やガスの会社を変えられますか。

電力会社との契約名義が自分であれば可能です。他人名義の契約になっている場合は、その名義人に確認する必要があります。マンションで建物全体が一括して電気を購入している場合は、規約で制限されることがあるため、管理組合への確認が先です。

Q. 電力会社を変えると停電しやすくなりませんか。

なりません。電気そのものの品質や信頼性は、どの会社から買っても同じです。送配電網は既存のものをそのまま使うため、新たに電線を引く必要もありません。

Q. どの費目から始めるのがいいですか。

上のチェックリストで当てはまる項目がいちばん多かった費目です。当てはまる数が同じなら、通信から始めてください。手続きが1回で済み、家族の同意も要らず、効果が毎月続くためです。

電気から見直す場合は、まず請求書で量と単価のどちらが増えたかを確かめます。順番は「電気代が上がったときの見直し手順|量か単価かを請求書で切り分ける」で説明しています。

まとめ|今月やることは3つだけ

固定費の見直しは、まとめて全部やろうとすると必ず途中で止まります。今月やることは3つで十分です。

  1. 費目ごとに、いまの請求額を書き出す。 通信、電気、ガス、水道、保険、サブスクの6つ。明細を並べるだけで、どこが大きいかは見えます。
  2. チェックリストで当てはまる数がいちばん多い費目を、1つだけ選ぶ。
  3. その費目の記事を読んで、確認項目を埋める。 切り替えの判断は、数字が揃ってからで構いません。

来月また同じ手順で、次の1費目を選びます。5か月あれば、5つの費目を一周できます。

まず1本読むなら

チェックリストで迷ったら、金額の大きい順にこの2本から始めてください。

参考情報・出典

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