「【同期完了】ローカルデータおよび閲覧履歴のクラウド保存について」という件名のメールが届いて、不安になっていませんか。「保存したパスワードや閲覧履歴が、リンクを知っている全員に公開されている」と書かれていると、あわてて本文のリンクを押したくなります。
このメールは、同期の通知を装った不審なメール(フィッシングの疑い)として報告されています。この記事では、メールの特徴と、リンクを開いてしまったときにやることを順番にまとめます。
(確認日:2026年10月29日。メールの内容は、不審メールの報告サイト「詐欺ナビ」の2026年10月9日の記事によります。当サイトではメールの実物は受け取っていません)
先に結論
- 本文のリンクは押さない・返信しない。メールが届いただけで、情報が流出したと決まったわけではありません。
- 同期や共有の設定が気になるときは、メールのリンクではなく、ふだん使っているアプリや公式サイトを自分で開いて確かめます。
- リンクを開いてパスワードを入れてしまったときは、すぐに公式の画面からパスワードを変え、同じパスワードを使っているほかのサービスも変えます。
- ファイルを開いた・実行したときは、その端末をネットから切り、会社の端末なら情報システムの担当者に連絡します。
どんなメールか
報告されている内容は、おおむね次のとおりです。
| 件名 | 【同期完了】ローカルデータおよび閲覧履歴のクラウド保存について |
| 名乗り | 「あなたのアカウントでローカル同期機能が動いた」という自動通知。どのサービスの同期なのかは書かれていない |
| 脅し文句 | 保存済みパスワード・閲覧履歴・ローカルの文書を含むバックアップファイル(Local_User_Backup.zip、1.2GB)ができ、「リンクを知っている全員に公開中」 |
| 期限 | 24時間以内に公開停止の手続きをしないと、データが共有ストレージに残る |
| 誘導先 | 本文のリンク(「公開停止」「バックアップの即時削除」)。URLの一部に web.core.windows.net が見える |
本物の通知ではないと考えられる理由
- サービスの名前がない。Microsoft・Google・Apple などの本物の通知は、どのサービスのどのアカウントの話かを書きます。「ローカル同期機能」とだけ書くのは不自然です。
- パスワードを「全員に公開」するバックアップは作られない。ブラウザやクラウドの同期は、自分のアカウントの中にデータを置くしくみです。パスワードをまとめたファイルを、だれでも見られる状態で作る機能はふつうありません。
- 24時間の期限で急がせる。考える時間を与えずにリンクを押させるのは、フィッシングでよく使われる手口です。
- 「windows.net」が入っていても公式とは限らない。web.core.windows.net は、だれでも借りられるクラウドの置き場所に使われる名前です。この文字があっても、Microsoft からの通知である証明にはなりません。
リンクを押していないとき
- リンクは押さず、返信もしません。
- メールアプリの「迷惑メール」「フィッシングを報告」で報告してから削除します。
- どうしても気になるときは、ふだん使っているブラウザやクラウドのアプリを自分で開き、同期・共有の設定やログイン履歴を見ます(メールのリンクからは開きません)。
リンクを開いてしまったとき
開いただけ(何も入力していない)
そのページを閉じます。開いた先でファイルのダウンロードや「許可」を求められても、押さずに閉じてください。
パスワードを入れてしまった
- 入れたのがどのサービスのパスワードかを思い出します(Microsoft アカウント・Google アカウント・会社のメールなど)。
- そのサービスの公式サイトやアプリを自分で開いて、すぐにパスワードを変えます。
- 同じパスワードを使い回しているサービスがあれば、そちらも変えます。
- 2段階認証(多要素認証)を設定し、ログイン履歴に見覚えのないものがないか確かめます。
見覚えのないログインや、パスワードが変えられて入れないときの手順は、アカウントを乗っ取られたかもと思ったらにまとめています。
ファイルを開いた・実行した
その端末をWi-Fiや有線LANから切り、別の安全な端末から大事なアカウントのパスワードを変えます。会社や学校の端末なら、自分で何とかしようとせず、すぐに情報システムの担当者に連絡してください。
報告できるところ
フィッシングと思われるメールは、フィッシング対策協議会のサイト(https://www.antiphishing.jp/)の「消費者の皆さまへ」→「フィッシングかな?」から報告できます。携帯電話会社のメールに届いた場合は、各社の迷惑メールの報告窓口も使えます。
「同期」と「バックアップ」は別のもの
このメールは「同期したデータがバックアップとして公開された」と言いますが、ふつうの同期は、同じアカウントの端末どうしで同じ内容をそろえるしくみです。同期とバックアップの違いは、クラウド同期とバックアップの違いで説明しています。
出典
- 詐欺ナビ「【注意】『同期完了』ローカルデータ・閲覧履歴のクラウド保存を装う不審メール|24時間以内の公開停止へ誘導」(2026年10月9日)
- NTTドコモ「フィッシング詐欺に関する報告」(フィッシング対策協議会への報告の案内)
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