〜暮らしの落書き帳〜

冬の電気代はいくら上がる?|一人暮らし・二人暮らしの平均と今からできる対策(2026年冬)

冬の夕方、暖色の明かりがともる窓辺のリビング 生活トラブル

冬になると電気代が上がるのは分かっていても、「平均でいくらになるのか」「去年より高くなるのか」までは分かりにくいものです。この記事では、総務省統計局の家計調査から、一人暮らし・二人暮らしの冬の電気代の平均を確認し、夏や春との差を数字で並べます。そのうえで、2026年の冬に限って起きる2つの変化――国の電気・ガス料金支援が9月使用分で終わること、11月1日から託送料金が上がること――が家計にどう効くのかを整理し、今のうちにできる対策をまとめます。

結論:冬は夏より月2,000〜3,000円高い。今年はさらに「値引きが外れる」

  • 一人暮らし(単身世帯)の電気代は、2026年1〜3月期が月8,640円。4〜6月期の6,465円より月2,175円高い(約1.34倍)
  • 二人暮らし(2人世帯)は、2026年1〜3月の平均が月13,710円。2025年7〜9月の11,403円より月2,308円高い(約1.20倍)
  • 月単位で見ると差はもっと大きい。二人以上の世帯の平均は、最も高い2026年2月が15,633円、最も安い2026年7月が9,591円で1.63倍の開きがある
  • 2026年の冬は、昨冬にあった国の値引き(1・2月使用分で4.5円/kWh)がない。月260kWhなら約1,170円分が戻ってくる計算になる
  • さらに11月1日から託送料金が9エリアで上がる。低圧の平均単価の差は東京の+1.07円/kWhから沖縄の+1.99円/kWhまで

つまり「同じ使い方をしていても、今年の冬の請求書は昨冬より上がりやすい」状況です。できることは、契約アンペアと料金プランの見直し、暖房器具の使い分け、電力会社の切り替えの3つです。

一人暮らしの冬の電気代|単身世帯の平均は月8,640円

家計調査では、単身世帯の家計収支は四半期ごとに公表されます(二人以上の世帯は毎月)。そのため一人暮らしの電気代は「1〜3月期」「4〜6月期」といった3か月単位の平均で見ることになります。

期間単身世帯うち勤労者世帯うち無職世帯
2024年1〜3月期7,150円5,898円8,425円
2025年1〜3月期9,295円7,579円11,003円
2025年7〜9月期6,822円5,504円7,870円
2025年10〜12月期6,704円5,799円7,443円
2026年1〜3月期8,640円7,458円9,916円
2026年4〜6月期6,465円5,361円7,454円
総務省統計局「家計調査(家計収支編・単身世帯)第1表 1世帯当たり1か月間の収入と支出」各期より

直近の冬にあたる2026年1〜3月期は月8,640円でした。同じ年の4〜6月期(6,465円)と比べると月2,175円、率にして約1.34倍です。1年前の2025年1〜3月期(9,295円)より655円下がっていますが、これは後述する国の値引きや燃料価格の動きも混ざった結果で、使用量だけの数字ではありません。

日中に家にいるかどうかで2,458円違う

同じ一人暮らしでも、内訳を見ると差がはっきり出ます。2026年1〜3月期の電気代は、勤労者世帯(働いている人の世帯)が7,458円、無職世帯が9,916円で、2,458円の開きがあります。日中に在宅している時間が長いほど暖房を使う時間も長くなるため、冬はこの差が大きくなります。

在宅勤務が増えた人や、この冬から家にいる時間が延びる人は、平均値よりも無職世帯側の金額に近いと考えておくと見込み違いが起きにくくなります。

なお2026年1〜3月期の単身世帯の集計世帯数は643世帯で、二人以上の世帯(2026年2月で7,257世帯)より少なく、期ごとの上下には振れ幅があります。1つの期だけで判断せず、複数期を並べて傾向を見るのが安全です。

二人暮らし以上の冬の電気代|世帯人員別の平均

二人以上の世帯は毎月公表されるので、山と谷がはっきり見えます。直近12か月の動きは次のとおりです。

2025年8月から2026年7月までの月別電気代の折れ線グラフ。二人以上の世帯の平均は2026年2月の15,633円が最も高く、2026年7月の9,591円が最も低い。2人世帯は2026年2月が14,380円、2026年7月が8,737円。
電気代は1月から3月にかけて高くなり、6〜7月に最も安くなる(総務省統計局「家計調査」より作成)

世帯人員別に、冬(2026年1〜3月)と夏(2025年7〜9月)、春(2026年4〜6月)の平均を並べると次のようになります。

世帯人員冬
2026年1〜3月
夏
2025年7〜9月
春
2026年4〜6月
冬-夏
二人以上の世帯(平均)15,000円12,442円11,266円+2,558円
2人13,710円11,403円10,354円+2,308円
3人15,779円12,884円11,817円+2,895円
4人16,121円13,531円12,246円+2,590円
総務省統計局「家計調査(家計収支編・二人以上の世帯)第3-1表 世帯人員別1世帯当たり1か月間の収入と支出」各月より作成

二人暮らしの冬の電気代は月13,710円で、夏より月2,308円、春より月3,357円高い計算です。世帯人員が増えるほど金額は上がりますが、冬と夏の差そのものは2,300〜2,900円の範囲に収まっています。人数が増えると1年を通して底上げされ、季節による上下の幅はそれほど変わらない、という見え方です。

気をつけたいのは、この表が3か月の平均だという点です。ピークの1か月で見ると、2人世帯は2026年2月が14,380円、最も安い7月が8,737円で、差は5,643円(1.65倍)まで広がります。「冬の一番高い月」を想定するなら、平均値より2割ほど多めに見ておくほうが現実的です。

「2月がピーク」は、実際には1月に使った分

グラフの山が2月・3月に来るのは、1月より2月のほうが寒いからではありません。家計調査は、その月に支払った金額を集計する調査です。統計局の説明でも、消費支出は「購入して支払った現金支出及びクレジットカード(分割払いや一括払い購入)、商品券等を用いた支出」とされています。

一方、電気料金は使った月の翌月に検針・請求されます。経済産業省の発表でも「2026年1月使用分(2月検針分)」「2026年9月使用分(10月検針分)」という書き方がされています。つまり家計調査の2月・3月の電気代には、おおむね1月・2月に使った分が入っていることになります。

この時差は、節電の効果を確認するときにも効いてきます。1月に暖房の使い方を変えても、請求書に表れるのは2月からです。

冬に増えるのは電気だけではない

冬の光熱費を電気代だけで見ると、負担を小さく見積もることになります。二人以上の世帯の平均で2026年2月と7月を並べると、次のとおりです。

費目2026年2月2026年7月差
電気代15,633円9,591円+6,042円
ガス代6,448円3,746円+2,702円
他の光熱(灯油など)2,668円340円+2,328円
上下水道料5,368円4,758円+610円
光熱・水道 合計30,118円18,435円+11,683円
総務省統計局「家計調査(家計収支編・二人以上の世帯)」2026年2月・7月より

電気代の差が6,042円なのに対し、光熱・水道の合計では11,683円の差があります。灯油を使う地域では「他の光熱」が2月に2,668円まで増え、7月の340円とは別物の水準です。冬の備えは電気・ガス・灯油をまとめて見ておくと判断を誤りません。

2026年の冬は、昨冬と条件が2つ違う

2026年の使用月ごとに、国の値引きの有無と託送料金の改定状況を並べた表。1・2月使用分は値引き4.5円/kWhあり、9月使用分の3.5円/kWhが最終月で、10月使用分から値引きなし。11月1日以降の使用分は値引きなしに加えて9エリアで託送料金が上がる。
この冬の請求書に効く2つの変化(経済産業省・資源エネルギー庁および各送配電会社の発表より作成)

1. 国の値引きが9月使用分で終わる

国の「電気・ガス料金支援」は、2026年9月使用分(10月検針分)が最後の月です。資源エネルギー庁の特設サイトによると、今回の値引きは7月使用分から9月使用分までで、電気(低圧)の単価は7月・9月使用分が3.5円/kWh、8月使用分が4.5円/kWhでした。10月に使う分からは、この値引きがなくなります。

ここで比べたいのが昨冬です。経済産業省の2025年12月16日の発表によると、2026年1月・2月使用分には4.5円/kWh、3月使用分には1.5円/kWhの値引きがありました(いずれも電気・低圧)。つまり前の表に並べた2026年1〜3月期の金額は、この値引きが効いたあとの数字です。

月260kWhの家庭なら、4.5円/kWhは1か月あたり1,170円にあたります。本記事の作成時点で、この冬に向けた新しい支援は発表されていません。今後発表される可能性はありますが、現時点では「昨冬はあった値引きが今年はない」前提で見込んでおくのが安全です。

2. 11月1日から託送料金が9エリアで上がる

電気料金には、送電線や電柱など送配電網の利用料である「託送料金」が含まれています。東京電力パワーグリッドは2026年9月11日、9月4日に経済産業大臣から承認された「託送供給等に係る収入の見通し」に基づいて託送料金単価を見直し、「託送供給等約款」の変更届出を行ったと発表しました。実施は11月1日の予定です。同じ日に届出を行った送配電会社は各地にあり、北海道から沖縄までの9エリアで改定されます。

家庭向けの低圧の平均単価(1kWhあたり、税抜)でみると、東京電力パワーグリッドは8.58円から9.65円へ+1.07円。沖縄電力が8月24日に公表した算出値は11.53円から13.52円で+1.99円と、9エリアの中で最も大きい上げ幅です。月260kWhに単純に掛けると、東京で約278円、沖縄で約517円になります。

ただしこれは請求額の予測ではありません。平均単価は基本料金にあたる部分も含めて1kWhあたりにならした数字で、実際にどの料金項目にどう反映されるかは各社の料金表で決まります。消費税もかかります。

上げ幅の地域別の一覧や、電力会社ごとの反映方針は、電気・ガス代の補助は9月使用分で終了、11月1日からは送配電網の利用料も上がるで詳しく整理しています。

上がる要素と、上下する要素を分けて見る

電気料金は複数の要素の足し算です。この冬に向けては、次のように整理しておくと混乱しません。

  • 確実に効く(上がる方向):値引きの終了、11月1日からの託送料金の改定
  • 年度内は変わらない:再生可能エネルギー発電促進賦課金。2026年度(2026年5月分〜2027年4月分)の単価は全電圧共通で4円18銭/kWh(税込)で、年度内は月ごとに動きません
  • 上がることも下がることもある:燃料費調整。2〜3か月前の燃料価格で決まるため、予測はできません

「冬の電気代がいくらになるか」を1円単位で当てることはできませんが、上がる方向に効く要素だけは金額が分かっているのがこの冬の特徴です。

今からできる対策は3つ

対策1:契約アンペアと料金プランを見直す

電気代を下げる手は、費用も工事もかからないものから試すのが結論の出やすい順番です。契約アンペアを下げれば基本料金が毎月下がり、申し込み1回で終わります(対応しているエリア・プランに限ります)。料金プランも、同じ電力会社の中で変更できる場合があり、その場合は解約条件を気にせず済みます。

手順と注意点は電気代の見直し手順|契約アンペア・料金プラン・電力会社の切り替えで下げる方法にまとめています。契約アンペアの決め方、従量電灯の3段階料金の読み方、解約金や燃料費調整の扱いまで順番に確認できます。

対策2:暖房器具を使い分ける

冬のエアコンを含む暖房の電力使用量は、家庭の電力使用量の約3割を占めます(政府広報オンライン、取材協力:資源エネルギー庁)。電気代の山をつくっているのが暖房である以上、ここを動かすのがいちばん効きます。

同じ記事では、冬の暖房時に家の中の熱の約6割が窓などの開口部から逃げるとも説明されています。厚手で丈の長いカーテンに替える、断熱シートを貼るといった対策は、器具を買い替えるより安く済みます。

器具そのものの選び方は、消費電力(kW)×時間×単価という同じ土俵で比べないと判断を誤ります。エアコン・セラミックヒーター・オイルヒーター・電気毛布を1時間あたりと1シーズンの両方で比べた結果は、暖房の電気代を4機種で比較|エアコン・セラミックヒーター・オイルヒーター・電気毛布で確認できます。「部屋全体を数時間」か「自分だけ短時間」かで、選ぶべき器具は変わります。

対策3:電力会社の切り替えは、11月の新単価が出てから比べる

電力会社の切り替えには工事も費用もかかりません。ただしこの冬に限っては、比べるタイミングに注意が必要です。11月以降はどの会社も託送料金の上昇分を反映する見込みで、東京電力エナジーパートナーはすでに反映方針を公表しています。今の時点の単価で他社と比べても、11月以降の比較にはなりません。

各社の新単価が出揃ってから、自分の使用量で試算するのが確実です。そのときに必要になるのは「直近12か月の使用量(kWh)」なので、今のうちに検針票やWeb明細から控えておくと、公表後すぐ比べられます。

プロパンガスの家庭は、ガス側の下げ方が違う

今回の電気・ガス料金支援は、プロパンガス(LPガス)が対象外でした。値引きの終了による影響は受けませんが、その分もともと支援も受けていません。プロパンガスは会社ごとの自由料金で、同じ地域でも金額が違います。料金相場の見方と会社の切り替え手順はプロパンガスが高い理由と下げる方法|料金相場と会社の切り替え手順で扱っています。

自分の家の冬の電気代を見積もる3ステップ

平均値はあくまで目安です。自分の家の見込みは、次の順で出せます。

  1. 去年の冬の使用量(kWh)と請求額を調べる。 多くの電力会社のWeb明細では、過去12か月分の使用量と請求額を確認できます。1月・2月・3月の3か月分を控えます
  2. 値引きが外れる分を足す。 昨冬の1月・2月使用分には4.5円/kWh、3月使用分には1.5円/kWhの値引きが入っていました。去年の使用量にこの単価を掛けた額が、今年は戻ってきます
  3. 託送料金の差を足す。 自分のエリアの上げ幅(東京+1.07円/kWh〜沖縄+1.99円/kWh)を使用量に掛けます。税抜の単純計算なので、あくまで目安です

この3つを足した金額が、「使い方を変えなかった場合」のおおよその下駄です。燃料費調整は上下するので、この計算には含めないでください。

よくある質問

電気代は冬と夏、どちらが高いですか?

冬です。二人以上の世帯の平均で、2026年は2月の15,633円が最も高く、8月は12,593円(2025年)でした。一人暮らしでも、2026年1〜3月期の8,640円に対し、2025年7〜9月期は6,822円です。外気温と室温の差は冬のほうが大きくなります。

一人暮らしで冬に月1万円は高すぎますか?

単身世帯の平均は2026年1〜3月期で8,640円なので、1万円は平均より高めです。ただしオール電化の住宅ならガス代がかからない分だけ電気代は高くなりますし、日中在宅している場合は無職世帯の水準(同期9,916円)に近づきます。金額だけでなく、ガス代を含めた光熱費の合計と、在宅時間で見比べてください。

節電したのに請求額が下がりません

1か月ずれている可能性があります。電気料金は使った月の翌月に検針・請求されるため、1月に工夫した結果が出るのは2月の請求です。加えて、この冬は値引きの終了と託送料金の改定が上向きに効くため、使用量が減っても請求額が横ばいに見えることがあります。使用量(kWh)を前年の同じ月と比べると、自分の工夫の効果だけを取り出せます。

電気・ガス料金支援は復活しませんか?

本記事の作成時点(2026年9月20日)で、資源エネルギー庁の特設サイトに10月使用分以降の支援の発表は見当たりません。昨年は11月21日に閣議決定された経済対策に基づいて1〜3月使用分の支援が実施され、12月16日に認可・承認が行われました。同じような流れが繰り返される可能性はありますが、現時点では決まっていません。

まとめ

  • 一人暮らし(単身世帯)の電気代は、2026年1〜3月期が月8,640円。4〜6月期より月2,175円高い
  • 二人暮らし(2人世帯)は2026年1〜3月の平均が月13,710円で、夏より月2,308円高い。ピークの2026年2月は14,380円
  • 家計調査は支払った月で集計するため、2月・3月の金額にはおおむね1月・2月に使った分が入る
  • 冬は電気だけでなくガス・灯油も増える。二人以上の世帯の光熱・水道合計は、2026年2月と7月で11,683円の差があった
  • この冬は、昨冬にあった値引き(1・2月使用分4.5円/kWh)がない。月260kWhで約1,170円にあたる
  • 11月1日から託送料金が9エリアで上がる。低圧の平均単価の差は東京+1.07円/kWh〜沖縄+1.99円/kWh
  • できるのは、契約アンペアと料金プランの見直し、暖房器具の使い分け、電力会社の切り替えの3つ。切り替えの比較は11月の新単価が出てから行う

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参考情報・出典

※本記事は2026年9月20日時点で、総務省統計局・経済産業省・資源エネルギー庁および各送配電会社の公表資料に基づいています。電気料金の単価、燃料費調整、支援策の有無は変わることがあります。契約している電力会社の最新のお知らせをあわせてご確認ください。

冬の請求が前の年より高かったときは、使った量が増えたのか、単価が上がったのかを請求書で切り分けると、次にすることが決まります。手順は「電気代が上がったときの見直し手順|量か単価かを請求書で切り分ける」にまとめています。

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