〜暮らしの落書き帳〜

冬の電気火災と低温やけどを防ぐ|電気ストーブ・電源タップ・電気毛布・こたつ、使い始める前に見る場所と使い方

暗い部屋で光る電気ストーブと電源タップ 生活トラブル

寒くなって電気ストーブや電気毛布を出すと、電気まわりの火災ややけどの心配も増えます。去年と同じように使っているつもりでも、コードが傷んでいる、1つの電源タップに暖房器具を2台つないでいる、電気あんかを朝まで入れっぱなしにしている、といった使い方が事故につながります。

この記事では、製品評価技術基盤機構(NITE)や東京都の注意喚起をもとに、暖房器具を使い始める前に見る場所、電源タップと延長コードの使い方、電気毛布・あんか・カイロによる低温やけどの防ぎ方、異常に気づいたときにやることを順番にまとめました。自分の家だけでなく、離れて暮らす親の家を点検するときにも使えます。

冬の電気の事故は、暖房器具と電源まわりに多い

NITEによると、2020年から2024年の5年間に通知された暖房器具の事故は596件あり、そのうち電気と石油の暖房器具が約8割を占めています。電気ストーブでは、布団や衣類がふれて火が出る事故が起きています。

電源タップや延長コードなどの配線器具も油断できません。NITEが公表した2019年から2023年の配線器具の火災事故は126件で、2023年は2019年の約2倍に増えています。原因としてNITEが挙げているのは、差し込んだままのプラグにほこりや湿気がたまる「トラッキング現象」、コードを踏む・引っ張る・折り曲げるといった外からの力、そしてつないだ機器の消費電力の合計が上限を超えることの3つです。

どれも「使い方」と「点検」で防げる部分が大きいので、シーズンの最初に一度見直しておくと安心です。

使い始める前に見る5か所

NITEは電気暖房器具について、使い始める前の4つの点検と、使うときの1つの注意(4+1のポイント)を示しています。家で確かめやすい順に並べると次のとおりです。

  1. コード・プラグ・コンセント:コードに傷や割れ、つぶれがないか。特に本体とのつけ根は折れやすい場所です。プラグが緩んでいないか、変色や溶けた跡がないかも見ます。
  2. 本体:変色や変形がないか。去年しまう前に落としたり、ぶつけたりしていないか。
  3. 転倒したら切れる仕組み:転倒時に電源が切れる機能が付いている製品は、取扱説明書の手順で働くかを確かめます。
  4. リコールの対象ではないか:製品名や型番で、NITEの「SAFE-Lite」や消費者庁のリコール情報サイトを検索します。無償の修理や交換の対象になっていることがあります。
  5. まわりとの距離:壁や家具、カーテン、布団、洗濯物から、取扱説明書に書かれた距離を空けて置けるか。ストーブの近くで洗濯物を乾かさないことも含みます。

型番は本体の裏や側面のラベルに書かれています。スマホで写真を撮っておくと、リコールの検索にも、壊れたときの問い合わせにも使えます。

暖房器具を使い始める前に見る5か所の図。コード・プラグ、本体、転倒時の電源オフ、リコール、まわりとの距離
暖房器具を使い始める前に見る5か所

電気ストーブ・ヒーターを安全に使う

電気ストーブは火が見えないため、安全だと思われがちです。しかし発熱部に布団や衣類がふれると、そこから火が出ます。寝ている間に布団がずれて近づいた、干していた洗濯物が落ちた、といった形で起きるので、次の点を習慣にしておきましょう。

  • 寝るときや部屋を離れるときは、スイッチを切ってからにする
  • ベッドや布団のすぐ横に置かない
  • ストーブの前や上で洗濯物を乾かさない
  • スプレー缶や紙類など、燃えやすい物を近くに置かない
  • 電源タップや延長コードを使わず、壁のコンセントに直接差す

暖房器具ごとの電気代の違いは暖房の電気代を4機種で比較にまとめています。部屋全体を暖めるならエアコン、足元だけなら電気毛布やパネルヒーターなど、目的に合った器具を選ぶと、電気代だけでなく安全面でも無理が減ります。

電源タップと延長コードは「合計のW数」を見る

電源タップや延長コードには、つないでよい消費電力の合計(多くは1500W)が書かれています。NITEによると、一般的な住宅のコンセントも2つの差し込み口の合計で1500Wが上限です。差し込み口が空いていても、合計がこの数字を超えれば使えません。

計算は、つなぐ機器の本体やラベルに書かれた消費電力(W)を足すだけです。たとえば消費電力が1000Wの電気ストーブと、600Wの電気ポットを同じタップで同時に使えば、合計1600Wで上限を超えます。暖房器具やドライヤー、電子レンジ、電気ケトルのように熱を出す家電は消費電力が大きいので、1つのタップに2台つながないのが基本です。詳しい計算の仕方は電源タップの容量は何Wまで?で説明しています。

ほかにも、次のような使い方は避けましょう。

  • コードを束ねたり、巻いたまま使ったりする:熱がこもります。コードリールは、巻いたままのときと引き出したときで使える消費電力が違います。NITEの事例では、ほぼ巻いたままのコードリールに布団乾燥機2台と除湿機2台をつなぎ、建物が半焼しています。
  • コードを家具の下敷きにする、ドアに挟む、足で踏む場所に通す:中の線が傷み、発熱の原因になります。
  • プラグを差したまま何年も掃除しない:プラグのすき間にほこりや湿気がたまると、トラッキング現象で火が出ることがあります。NITEの事例には、23年間差したままだったテーブルタップからの出火もあります。

冷蔵庫やテレビの裏、洗面所や水槽のそばのコンセントは、ほこりと湿気がたまりやすい場所です。年に一度は電源を切ってプラグを抜き、乾いた布でほこりを拭き取りましょう。

電気毛布・電気あんか・カイロは低温やけどに注意

温かいと感じる程度の温度でも、体の同じ場所に長い時間ふれていると「低温やけど」になります。東京都の注意喚起によると、目安は44℃で3〜4時間、46℃で30分〜1時間、50℃では2〜3分です。眠っている間は熱さに気づきにくく、見た目より重いこともあります。

  • 電気毛布:寝る前に布団を温めておき、寝るときは電源を切るか、温度を下げる。
  • 電気あんか・湯たんぽ:布団が温まったら取り出す。入れたままにする場合も、体にふれない位置まで離す。
  • 使い捨てカイロ:寝るときは使わない。起きているときも同じ場所に長く当て続けない。
  • 電気カーペット・ホットマット:布団の中に入れて、寝るための暖房として使わない。

NITEは、電気毛布や電気マットのコードを強く折り曲げたり、本体を折りたたんだまま使ったりすると、中の電熱線が傷んで発煙や焦げにつながると注意しています。しまうときも、取扱説明書のたたみ方を守りましょう。電気毛布が温まらないときの確かめ方は電気毛布が温まらない・つかないときの確認手順にまとめています。

高齢の人、病気などで手足の感覚が鈍くなっている人、小さな子どもは、熱さに気づきにくかったり、自分で位置を変えにくかったりします。家族が気を配るようにしましょう。

こたつ・加湿器・ブレーカーの注意

こたつは、中に座布団や衣類を押し込んでヒーター部分にふれさせないこと、出かけるときや寝るときに電源を切ることが基本です。こたつに入ったまま寝てしまうと、同じ場所が長く温められて低温やけどになるおそれがあります。

加湿器は、コンセントやプラグのそばに置かないようにします。湿気はトラッキング現象の原因になるためです。部屋の湿度が上がらないときの確かめ方は加湿器をつけても湿度が上がらないときの確認手順で説明しています。

冬は暖房器具とキッチン家電を同時に使う時間が増え、ブレーカーが落ちやすくなります。電圧100Vの家庭では、1A(アンペア)でおよそ100Wが目安です。よく落ちる場合は、同時に使う家電を分けるか、電力会社の契約アンペアを見直します。見直しの手順は電気代の見直し手順にまとめています。

停電したときは、暖房器具のスイッチを切ってプラグを抜いておきましょう。NITEは、停電から電気が戻ったときに電熱器具がまわりの燃えやすい物にふれていて発火する事故を紹介しています。停電への備え全体は停電に備えて家で用意しておくもので整理しています。

電源タップは合計1500Wまでの計算例と、電気毛布・あんか・カイロの低温やけどの温度と時間の目安
電源タップの合計W数と低温やけどの目安

こんな様子があったら、すぐにプラグを抜く

NITEは、次のような様子があれば使うのをやめ、プラグを抜くように呼びかけています。

  • 本体が変色している、形が変わっている
  • 使っているとパチパチと音がする
  • 温まったり温まらなかったりする、ファンが回ったり止まったりする
  • 焦げたようなにおいが続く
  • コードやプラグがいつもより熱い

プラグを抜いたら、メーカーの窓口か購入したお店に相談します。型番と、いつ・どんな様子だったかを伝えられるようにしておきましょう。煙や火が出ている場合は、無理に近づかず119番に通報してください。

古い暖房器具を買い替えるか迷ったら

点検で異常がなくても、長く使った暖房器具は、コードのつけ根や内部の部品が少しずつ傷んでいます。本体が変色している、スイッチの効きが悪い、転倒したときに切れる仕組みが働かない、といった様子があれば、修理より買い替えを考えましょう。取扱説明書に使用期間の目安が書かれている製品もあるので、しまってある説明書を一度確かめておくと判断しやすくなります。説明書が見つからない場合は、メーカーのサイトで型番から探せることもあります。

買い替えた古い暖房器具は、自治体のごみの分け方に従って出します。小型の家電を回収箱や回収日に出せる自治体もあります。電池や充電式の部品が入っている製品は、そのまま捨てずに、分け方を確かめてから出してください。

器具別のチェック表

器具使う前に見ること使うときの注意
電気ストーブ・ヒーターコード・本体の傷や変色、転倒時に切れるか、リコール布団・洗濯物から離す。寝るとき・出かけるときは切る
電源タップ・延長コードつなぐ機器の合計W数、プラグのほこり暖房器具は壁のコンセントに直接。束ねない・踏まない
電気毛布・電気あんかコードの傷、本体の折れ癖寝る前に温めて、寝るときは切るか離す
こたつコードの傷、ヒーター部分の汚れ中に物を押し込まない。寝るとき・出かけるときは切る
加湿器置き場所とコンセントの距離コンセントやプラグに湿気が当たらないようにする

離れて暮らす親の家を点検するとき

帰省したときは、親の家の暖房器具とコンセントまわりを一緒に見ておくと安心です。古い電気ストーブを使い続けていないか、寝室の電気あんかを朝まで入れていないか、テレビや冷蔵庫の裏のタップがほこりをかぶっていないか、暖房器具が延長コードにつながっていないか、の4点は短い時間で確かめられます。型番の写真を撮っておけば、自宅に戻ってからリコールを検索することもできます。離れて暮らす親の見守り全体は離れて暮らす親の見守り方にまとめています。

次に読むならこの1本電源タップの容量は何Wまで?15A・100Vで1500W前後になる理由と、つなぐ家電の合計消費電力の計算方法をまとめています。

賃貸住宅・集合住宅で気をつけること

賃貸住宅では、分電盤やコンセント、備え付けのエアコンなどは大家さんや管理会社の持ち物です。コンセントが焦げている、ブレーカーがよく落ちる、備え付けの設備から異音やにおいがする、といった場合は、自分で直そうとせず、まず管理会社に連絡しましょう。

契約アンペアを上げたいときも、建物の配線によっては変えられないことがあるため、電力会社に申し込む前に管理会社に確かめておくと安心です。集合住宅では、ベランダや共用廊下に延長コードを引き出して暖房器具を使うのも避けてください。雨や結露でコードやプラグが濡れると、トラッキング現象の原因になります。

よくある質問

Q.電気ストーブを電源タップにつないでもいいですか?

できるだけ壁のコンセントに直接差してください。やむを得ずタップを使う場合は、タップの上限と、ほかにつないでいる機器を含めた合計の消費電力を確かめ、上限を超えないようにします。コードを束ねたり、巻いたまま使ったりしないことも大切です。

Q.電気毛布をつけたまま寝ても大丈夫ですか?

寝る前に布団を温めておき、寝るときは電源を切るか温度を下げる使い方がすすめられています。低い温度でも長い時間ふれていると低温やけどになることがあるためです。製品ごとの使い方は取扱説明書を確かめてください。

Q.自分の暖房器具がリコール対象か、どう調べますか?

本体のラベルでメーカー名と型番を確かめ、NITEの「SAFE-Lite」や消費者庁のリコール情報サイトで検索します。対象になっていれば、メーカーの案内に沿って使用をやめ、修理や交換を申し込みます。

Q.電源タップは何年で買い替えればいいですか?

年数だけで決まるものではありません。コードやプラグに傷・変色・変形がある、差し込みが緩い、使っていると熱くなる、といった様子があれば、使うのをやめて交換しましょう。問題がなくても、ほこりはこまめに掃除します。

Q.焦げたにおいがしたら、どうすればいいですか?

すぐに使うのをやめてプラグを抜き、どの器具やコンセントから出ているかを確かめます。原因が分からないまま使い続けないでください。煙や火が出ている場合は119番に通報します。

参考情報・出典

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