〜暮らしの落書き帳〜

親のスマホの詐欺対策|知らない番号・偽SMS・ニセ警察に備える設定と、家族で決めておくこと(iPhone・Android)

知らない番号からの着信と「出ない」の判 生活トラブル

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親がスマホを使うようになると、知らない番号からの電話、宅配業者や携帯会社を名乗るSMS、「あなたの口座が犯罪に使われた」と警察官を名乗る電話など、詐欺の入り口が一気に増えます。本人が気をつけるだけでは防ぎきれないので、スマホの設定で「そもそも詐欺の連絡が届きにくい状態」を作り、家族で「こういう連絡が来たら相談する」を決めておくのが現実的です。

この記事では、警察庁や情報処理推進機構(IPA)、Apple・Googleの公式情報をもとに、帰省したときや電話で説明しながら設定できる項目を、効果の大きい順にまとめました。親の見守り全体の考え方は離れて暮らす親の見守り方で整理しています。

いま多い詐欺は「電話」と「警察を名乗る」もの

警察庁によると、2025年(令和7年)の特殊詐欺は認知件数が27,832件、被害額が約1,423.1億円で、前の年から被害額がほぼ倍になりました。そのうち、警察官などを名乗り「捜査」の名目でお金をだまし取る「ニセ警察詐欺」が11,014件、被害額1,005.0億円を占めています。

ニセ警察詐欺では、電話で「あなたの口座が犯罪に使われている」「携帯電話が不正に契約されている」などと告げ、逮捕されると不安にさせたうえで、SNSやビデオ通話に誘導し、偽の警察手帳や逮捕状の画像を見せてきます。発信者番号に実在する警察署の番号が表示されることもあります。警察庁は、本物の警察官は電話で捜査の対象になっていると伝えることはなく、メッセージアプリで連絡したり、警察手帳や逮捕状の画像を送ったりすることもないと注意しています。

つまり、最初の入り口は多くが電話です。知らない番号の電話に「すぐ出ない」状態を作るだけで、防げる被害はかなりあります。

設定する順番(効果の大きい順)

  1. 知らない番号の電話を、出る前にふるい分ける
  2. 知らない差出人のSMSやメッセージを分ける
  3. 迷惑電話・危険サイトの対策サービスやアプリを入れる
  4. OSとアプリを自動で更新する
  5. 家族で「相談の合図」と「確かめ方」を決めておく
親のスマホの詐欺対策を設定する順番。知らない番号の電話、SMS・メッセージ、対策サービス、自動アップデート、家族で決めること
親のスマホの詐欺対策、設定する順番

1.知らない番号の電話をふるい分ける

iPhoneの場合

iOS 26では、「設定」→「アプリ」→「電話」→「不明な発信者をスクリーニング」で、連絡先にない番号からの電話の扱いを選べます。選択肢は「しない」「通話の理由を尋ねる」「消音」の3つです。

  • 通話の理由を尋ねる:iPhoneが先に応答して相手に名前と用件を尋ね、その答えが文字で表示されます。内容を見てから出るかどうかを決められます。
  • 消音:着信音を鳴らさずに留守番電話へ回します。あとで留守番電話を聞いて、必要な相手にだけかけ直します。

病院や役所など、連絡先にない番号から大事な電話がかかってくる親には「通話の理由を尋ねる」が合います。家族や決まった相手としか話さない親なら「消音」がより確実です。どちらにしても、かかってくる相手の番号を連絡先に登録しておくことが前提になります。かかりつけの病院、介護サービスの事業所、近所の人、家族の番号を一緒に登録しておきましょう。

同じ「電話」の設定には「通話のフィルタリング」もあり、「不明な発信者」をオンにすると、知らない番号からの着信履歴を別のリストに分けられます。特定の番号は、通話履歴の番号の横にある情報ボタンから「この発信者を着信拒否」で止められます。

Androidの場合

Googleの「電話」アプリを使っている機種では、右上のメニュー(︙)→「設定」→「発信者番号と迷惑電話」で、「発信者と迷惑電話の番号を表示」をオンにし、「迷惑電話の疑いがある通話をブロック」もオンにします。迷惑電話の疑いがある着信は鳴らずに止められ、履歴には残ります。Pixel 6以降では、着信に自動で応答して用件を聞く「通話スクリーニング」も使えます。

メーカー独自の電話アプリを使っている機種は、メニューの名前が違います。「電話」アプリの設定で「迷惑電話」「着信拒否」「番号ブロック」といった項目を探してください。

国際電話と固定電話も忘れずに

「+1」「+44」など、海外の番号からの詐欺電話も増えています。海外からの電話を受ける必要がない親は、スマホでは知らない番号のふるい分けで止め、固定電話は「国際電話不取扱受付センター」(無料)に申し込んで国際電話の発着信を止められます。固定電話の対策は離れて暮らす親の見守り方でも触れています。

2.知らない差出人のSMS・メッセージを分ける

「お荷物をお届けに上がりましたが不在のため持ち帰りました」「料金の未払いがあります」といったSMSのリンクを開くと、偽のログイン画面でIDやパスワード、カード番号を入力させられます。iPhoneは「設定」→「アプリ」→「メッセージ」に、知らない差出人のメッセージを別のリストに分ける設定があります(iOSのバージョンで名前が少し違います)。Androidは「メッセージ」アプリの設定で、迷惑メッセージ対策をオンにします。

LINEでは、「設定」→「プライバシー管理」で「メッセージ受信拒否」をオンにすると、友だち以外からのメッセージを受け取らなくなります。ニセ警察詐欺はビデオ通話やメッセージアプリに誘導してくるので、知らない相手とつながらない設定にしておく意味は大きいです。

3.迷惑電話・危険サイトの対策サービスを入れる

携帯電話会社には、迷惑電話の警告や危険なサイトのブロックをまとめたサービスがあります。たとえばドコモの「あんしんセキュリティ」は月額220円で、迷惑電話対策、迷惑メール対策、危険サイト対策などが入っています。au・ソフトバンクにも同じようなサービスがあるので、親の契約先のサイトで内容と料金を確かめましょう。

親のスマホだけでなく、パソコンやタブレットも使っている場合は、複数の端末に入れられるセキュリティソフトを使うと管理が楽です。偽サイトや詐欺サイトを開こうとしたときに警告してくれるものを選ぶと、SMSのリンクをうっかり開いてしまったときの守りになります。

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4.OSとアプリを自動で更新する

古いOSのままだと、ここまでの機能が使えなかったり、見つかった弱点が直されないままになったりします。iPhoneは「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」→「自動アップデート」、Androidは「設定」→「システム」→「ソフトウェア アップデート」(機種で名前が違います)で確かめます。アプリはApp StoreやGoogle Playの自動更新をオンにしておきましょう。更新が止まった古い機種を使っている場合は、買い替えの時期を家族で相談します。

5.家族で決めておくこと

設定で防げない連絡もあります。最後の守りは、親が「おかしい」と思ったときに家族へすぐ相談できることです。次のことを、紙に書いて電話の近くに貼っておくと効果があります。

  • お金・暗証番号・カードの話が出たら、いったん切る:警察・役所・銀行・携帯会社を名乗っても同じです。
  • かけ直すときは、表示された番号ではなく自分で調べた番号へ:警察なら最寄りの警察署、分からなければ警察相談専用電話「#9110」。
  • 画面に出た番号に電話しない:パソコンやスマホに「ウイルスに感染しました」と警告が出て電話番号が表示されるのは、IPAが注意を呼びかけている「サポート詐欺」の典型です。電話せずに画面を閉じ、家族に連絡します。
  • 知らない人に言われたアプリを入れない:遠隔操作のアプリを入れさせて、ネットバンキングを操作される被害があります。
  • 家族の「合言葉」:家族を名乗る電話が来たら、家族しか知らない質問で確かめます。電話番号が変わったと言われたら、前の番号にかけ直して確かめます。
  • 相談先:家族の電話番号、#9110、消費者ホットライン188。
電話の近くに貼っておく家族の約束。お金の話はいったん切る、自分で調べた番号にかけ直す、#9110と188
電話の近くに貼っておく「家族の約束」

親に嫌がられないための伝え方

「だまされそうだから」と言われると、多くの人は気分を悪くします。「最近は警察や携帯会社を名乗る電話が多くて、若い人も被害にあっている」「自分のスマホにも同じ設定を入れた」と、誰にでも起きることとして話すと受け入れてもらいやすくなります。設定は親の手でボタンを押してもらい、何が変わったのかを一緒に確かめましょう。電話が鳴らなくなったことに驚かないよう、「知らない番号は留守番電話に回るから、あとで聞けば大丈夫」と伝えておくことも大切です。

固定電話も一緒に見直す

親の家に固定電話がある場合は、固定電話も詐欺の電話の入り口になります。警察や自治体も、固定電話の対策を呼びかけています。在宅中も留守番電話に設定しておき、相手の声を聞いてから出るようにするだけでも、知らない相手と直接話す機会を減らせます。

自治体や警察によっては、通話を録音することを相手に知らせる「自動通話録音機」を貸し出したり、購入費を補助したりしています。親が住む市区町村のサイトで「自動通話録音機」と検索すると、対象や申し込み方法を確かめられます。

帰省したときに一緒に確かめるチェック表

確かめる所iPhoneAndroid(Googleの電話アプリ)
知らない番号の電話設定→アプリ→電話→不明な発信者をスクリーニング電話アプリ→設定→発信者番号と迷惑電話
着信拒否通話履歴の情報ボタン→この発信者を着信拒否通話履歴の番号から「ブロック」
知らない差出人のSMS設定→アプリ→メッセージメッセージアプリ→設定→保護と安全→迷惑メッセージ対策
OSの自動更新設定→一般→ソフトウェアアップデート設定→システム→ソフトウェア アップデート
連絡先の登録家族・病院・介護事業所・近所の人

もしパスワードやカード番号を入力してしまったら

偽サイトにカード番号を入れてしまった場合は、すぐにカード会社に連絡して止めてもらいます。IDやパスワードを入れてしまった場合は、そのサービスのパスワードを変更し、同じパスワードを使っているほかのサービスも変えます。ログインの履歴に心当たりのないものがないかも確かめましょう。手順はアカウントを乗っ取られたかもと思ったらにまとめています。お金を振り込んでしまった場合は、振込先の銀行と警察にすぐ連絡してください。

パスワードをたくさん覚えられない親には、パスワードを紙に書いて家の決まった場所に保管する、家族がパスワード管理アプリで管理する、といった方法もあります。万一のときに家族がアカウントを確かめられるようにしておく準備は今のうちにやるデジタル終活で説明しています。

次に読むならこの1本離れて暮らす親の見守り方スマホの設定、見守り家電、郵便局のサービスを、費用と始める順番で整理しています。

親から「電話が来た」と連絡があったら

親から「警察から電話があった」「お金を振り込むように言われた」と連絡が来たら、まず落ち着いて話を聞き、次の順番で動きます。

  • 相手の名前や電話番号、言われた内容をメモしてもらう(折り返しはしない)
  • お金を払っていないか、カードや暗証番号を伝えていないかを確かめる
  • 払ってしまった・伝えてしまった場合は、すぐに銀行やカード会社に連絡して止めてもらう
  • 警察相談専用電話「#9110」か最寄りの警察署に相談する

「だまされるなんて」と責めると、次に何かあったときに話してもらえなくなります。連絡してくれたことを伝え、一緒に確かめる姿勢で話しましょう。

よくある質問

Q.知らない番号を消音にすると、大事な電話を取り逃しませんか?

留守番電話には残るので、あとで聞いてかけ直せます。取り逃しが心配な場合は、iPhoneなら「通話の理由を尋ねる」を選び、用件を見てから出るようにします。病院や介護事業所など、かかってくる番号をあらかじめ連絡先に登録しておくことも大切です。

Q.警察署の番号が表示されたら本物ですか?

本物とは限りません。警察庁は、実在する警察署の番号が表示される偽装の手口があると注意しています。いったん電話を切り、自分で調べた警察署の番号か「#9110」にかけ直して確かめてください。

Q.親がらくらくスマホを使っています。同じ設定ができますか?

シニア向けの機種は、迷惑電話の対策が最初から入っていることが多い一方で、メニューの名前や場所が普通のAndroidと違います。取扱説明書か、契約している携帯電話会社の店頭で「迷惑電話の設定」を確かめてもらうのが確実です。

Q.遠くに住んでいて帰省できません。どう設定すればいいですか?

電話で画面の場所を伝えながら一緒に設定します。この記事のチェック表を印刷して送っておくと話が早く進みます。難しい場合は、携帯電話会社の店舗やスマホ教室、地域の窓口で手伝ってもらえないか相談してみましょう。

Q.「ウイルスに感染しました」と画面に出て、電話してしまいました。

相手の指示でアプリを入れたり、お金を払ったりした場合は、その後の対応が必要です。IPAの「情報セキュリティ安心相談窓口」に相談し、お金を払った場合はカード会社や警察にも連絡してください。

参考情報・出典

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