〜暮らしの落書き帳〜

2026年10月から変わること|最低賃金・ビール系の酒税・ゆうパック・カスハラ対策・電気代の補助終了

2026年10月から変わること:最低賃金・ビール系の酒税・ゆうパック・カスハラ対策・電気代の補助終了 生活トラブル

毎年10月1日は、値上げや制度の変更が集中する日です。2026年はとくに多く、最低賃金が全国で上がり、ビール系飲料の酒税が一本化され、ゆうパックなど郵便の荷物の料金が上がり、食品も3,000品目を超えて値上がりします。職場では、カスタマーハラスメント(カスハラ)対策がすべての会社の義務になります。

11月以降も含めた「これから変わる日」は、くらしの変わる日カレンダーにまとめています。Googleカレンダーやスマホのカレンダーに登録しておくと、新しく決まった日も自動で入ります。

この記事では、2026年9月下旬の時点ですでに決まっている変更だけを、決めた役所や会社の発表をもとに並べます。検討中の話は入れていません。それぞれ「何が・いつから・誰に・自分は何をすればいいか」の順にまとめます。

結論:10月に確認しておきたい6つのこと

  • 最低賃金:47都道府県すべてで上がる。ただし10月1日に上がるのは15都府県だけで、残りは10月2日〜12月2日に順番に上がる。働いている都道府県の開始日を確認する
  • お酒:10月1日からビール系の酒税が350mlあたり54.25円に統一。ビールは安く、発泡酒・新ジャンルとチューハイは高くなる
  • 加熱式たばこ:10月1日に税の計算方法の見直しが2段階目に入り、メーカー各社が値上げを届け出ている
  • 食品:主要食品メーカーの値上げは10月に3,033品目の予定(帝国データバンク、8月31日時点)
  • 郵便の荷物:ゆうパックは平均約10%値上げ、ゆうパケットは360円の1本に、クリックポストは185円→240円。手紙・はがきは今回の対象外
  • 電気・ガス:国の料金支援は9月使用分で終わり。10〜11月に届く請求から値引きがなくなる

このほか、職場ではカスハラ対策の義務化とパート・有期雇用のルール変更が10月から始まります。外国籍の人の在留手続きの手数料も10月1日に大きく上がります。以下、順に説明します。

2026年10月からの主な変更を、9月30日まで・10月1日・10月2日〜12月2日・11月1日の時期別に並べた図

1. 最低賃金:全国で上がるが、上がる日は都道府県ごとに違う

最低賃金は、会社が払わなければならない時給の下限です。正社員・パート・アルバイト・派遣・学生アルバイトなど、働き方に関係なく全員に適用されます。

厚生労働省は2026年9月3日、47都道府県すべてで2026年度の最低賃金が決まったと発表しました。全国加重平均は1,121円から1,177円へ56円の引き上げで、今の方式になった1978年以降で2番目に大きい上げ幅です。

見落としやすいのは開始日です。10月1日に一斉に上がるわけではなく、都道府県ごとに10月1日〜12月2日の間で決まっています。

都道府県新しい額今の額上げ幅開始日
東京1,280円1,226円+54円10月1日
神奈川1,279円1,225円+54円10月1日
大阪1,231円1,177円+54円10月1日
埼玉1,196円1,141円+55円10月1日
千葉1,195円1,140円+55円10月1日
愛知1,195円1,140円+55円10月1日
京都1,180円1,122円+58円11月16日
兵庫1,172円1,116円+56円10月1日
静岡1,154円1,097円+57円10月15日
広島1,141円1,085円+56円10月11日
北海道1,131円1,075円+56円10月1日
福岡1,114円1,057円+57円10月4日
宮城1,098円1,038円+60円10月1日
熊本1,092円1,034円+58円12月1日
沖縄1,086円1,023円+63円12月2日
宮崎(最も低い)1,085円1,023円+62円10月24日
全国加重平均1,177円1,121円+56円—

出典:厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額答申状況」(2026年9月3日)。開始日は、異議の申し出があった場合に変わることがあります。

全国では、10月1日が15都府県、10月中(2日以降)が22県、11月が7県、12月が3県です。最も高いのは東京の1,280円、最も低いのは宮崎の1,085円です。

自分でやること

  • 働いている都道府県の開始日と新しい額を、厚生労働省の一覧で確認する。住んでいる県ではなく働いている場所の額が適用される
  • 開始日の翌月の給与明細で、時給が新しい額を下回っていないか見る
  • 通勤手当・家族手当・残業代・賞与は最低賃金との比較に含まれない
  • 開始日を過ぎても下回っている場合、差額は払われるべきお金です。労働基準監督署に相談できます

2. お酒:ビールは安く、発泡酒・新ジャンル・チューハイは高く

スーパーのビール売り場には、ビール・発泡酒・新ジャンル(第3のビール)の3つの価格帯があります。この値段の差は、中身よりも酒税の差によるものでした。

その差が2026年10月1日になくなります。2017年に決まり、2020年10月から3段階で進めてきた酒税改正の最終段階です。10月1日からは、ビール系の飲料はすべて1キロリットルあたり155,000円、350ml缶1本あたり54.25円の同じ税率になります。

種類今の税額(350ml)10月1日から差
ビール63.35円54.25円−9.10円
発泡酒(麦芽25%未満)・新ジャンル46.99円54.25円+7.26円
チューハイなど(アルコール10%未満の発泡性酒類)28.00円35.00円+7.00円

出典:国税庁「酒税の税率一覧表(令和5年10月1日〜令和8年9月30日)」、財務省「酒税に関する資料」。表は1缶あたりの税額で、店頭価格ではありません。

店頭価格はメーカーと店が決めるので、この金額どおりには動きません。ただ、方向ははっきりしています。安さが売りだった新ジャンルはその理由を失い、ビールが相対的にお得になり、缶チューハイは高くなります。日本酒とワインは2023年10月に一本化が済んでいるので、今回は変わりません。

3. 加熱式たばこ:税の見直しの2段階目

加熱式たばこ(IQOS・Ploom・gloなど)は、紙巻きたばこより税が軽く計算されてきました。政府はこの差を縮めるため、加熱式たばこを「紙巻き何本分」とみなすかの計算方法を見直しています。見直しは2026年4月と10月1日の2段階で、10月1日から新しい方法が全面的に適用されます(スティック型は0.35グラムで1本、それ以外は0.2グラムで1本)。

小売価格はメーカーが決めるもので、10月1日からの値上げを届け出ている会社が複数あります。紙巻きたばこを含むたばこ税そのものは、2027年・2028年・2029年の各4月に1本あたり0.5円ずつ上がる予定です。

4. 食品:10月は3,033品目が値上げ予定

帝国データバンクは、主要食品メーカー195社の値上げ発表を毎月集計しています。8月31日の発表では、10月の値上げ予定は3,033品目でした。9月の4,923品目に続き、2か月連続で3,000品目を超えるのは2023年半ば以来です。

1品目あたりの値上げ率は平均で約11%です。2026年を通して見ると、冷凍食品・パックご飯・チルド食品などの加工食品が最も多く、菓子が続きます。理由として、原材料費、エネルギー代、原油・ナフサ高による包装資材(フィルム・トレー)の値上がりが挙げられています。

なお、帝国データバンクは民間の調査会社で、この数字は企業の発表を集計したものです。10月の数字は発表時点の予定です。

5. 郵便の荷物:ゆうパック・ゆうパケット・クリックポストが値上げ

日本郵便は2026年7月3日、10月1日から荷物の料金を改定すると発表しました。理由はコストと人件費の上昇です。

サービス変わること
ゆうパック基本運賃が平均約10%値上げ。上げ幅は大きさと届け先で変わる。新料金では、関東から関西への60サイズが1,090円、80サイズが1,440円
ゆうパケット厚さ3cmまで360円の1本に。1cmまで(250円)・2cmまで(310円)の安い区分はなくなる
クリックポスト185円→240円。そのかわり重さは1kg→2kgまで、3辺の合計60cmまでに広がる
梱包資材郵便局で売っている箱なども値上げ。60サイズの箱は100円→110円

出典:日本郵便「ゆうパックおよびゆうパケットの基本運賃などの改定」(2026年7月3日)と別紙の料金表。

メルカリやヤフオクで物を送る人は、薄い封筒で送れる安い区分がいちばん大きく変わります。とくにゆうパケットは250円の区分がなくなるので、小さくて薄い物ほど値上げ幅が大きくなります。今回の発表は荷物だけで、手紙・はがき・国際郵便は含まれていません。

6. 職場:カスハラ対策がすべての会社の義務に

お店・飲食店・ホテル・コンビニ・コールセンター・病院・駅などで働いている人に関係する変更です。

2026年10月1日から、カスタマーハラスメント(カスハラ)への対策が、すべての事業主の法律上の義務になります。中小企業の例外はありません。法律は2025年6月に成立し、厚生労働省が2026年2月に具体的な指針を出しました。

法律では、カスハラを「顧客や取引先、施設の利用者などによる、社会通念上許される範囲を超えた言動で、働く人の就業環境を害するもの」としています。厚生労働省の例には、商品やサービスと関係のない要求、実現できない要求、不当な損害賠償の要求、暴力、脅し、侮辱や名誉を傷つける言動、威圧的な態度、しつこい・繰り返しの言動、居座りや拘束などがあります。電話やSNSでの言動も含まれます。

10月1日から会社は、従業員を守りカスハラに毅然と対応する方針をはっきり示すこと、起きたときの対応(上司を呼ぶ・一人で抱えない・犯罪にあたるものは警察へ)を前もって伝えること、相談窓口を設けて周知すること、事実を速やかに確認すること、被害を受けた人をケアすること、再発を防ぐことなどが求められます。相談したことを理由に不利益な扱いをすることも禁止です。

10月になっても職場で何も知らされていない場合は、相談窓口がどこかを聞いてみてよいでしょう。都道府県労働局でも相談を受け付けています。

7. パート・有期雇用のルールも10月から変わる

厚生労働省によると、2026年10月からパートタイム・有期雇用で働く人のルールが次の3点で変わります。

  • 雇われるときの説明が増える:会社は、正社員との待遇の違いについて「内容や理由の説明を求めることができる」ことを、書面などで明示しなければならない
  • 同一労働同一賃金ガイドラインの改正:家族手当・住宅手当・夏季冬季休暇について、条件を満たすパート・有期雇用の人には正社員と同じ待遇が求められる
  • 会社の説明と評価のしかた:待遇の違いは資料を使って説明する。仕事の内容や成果を公正に評価して昇給に反映させる。正社員への転換制度の内容と実績を示す

パートや契約社員で働いていて、正社員との手当や休暇の違いが気になっている人は、10月以降、会社に理由の説明を求めやすくなります。

8. 電気・ガス:国の料金支援は9月使用分で終わり

国の電気・都市ガス料金の支援は、2026年7・8・9月の使用分が対象でした。9月使用分で終わるため、10〜11月ごろに届く請求書から値引きがなくなります。さらに、11月1日から10エリアのうち9エリアで託送料金(送配電網の利用料)が上がり、電力会社は料金に反映する予定です。

冬は夏より電気代が高くなる季節でもあります。一人暮らし・二人暮らしの冬の電気代の目安と、今からできる対策は冬の電気代はいくら上がる?にまとめました。契約アンペアや電力会社の見直しで下げる方法は電気代の見直し手順で説明しています。

9. 楽天モバイル:auローミングの提供期間が9月30日で満了

KDDIから楽天モバイルへのローミング(楽天の電波が届かない場所でauの電波を使う仕組み)の提供期間が、2026年9月30日で満了します。ただし、すべてのエリアが一斉に終わるわけではありません。自宅や職場がどうなるかの確かめ方は楽天モバイルのauローミング終了の記事にまとめています。

10. 外国籍の人の在留手続き:手数料が10月1日から大きく上がる

在留資格の変更や在留期間の更新の手数料は、今は窓口で6,000円(オンライン5,500円)です。2026年10月1日からは、許可される在留期間の長さで変わり、窓口で10,000円〜75,000円になります。永住許可は10,000円から200,000円になります。

基準は許可の日ではなく申請が受け付けられた日で、9月30日までに受理されれば、結果が11月に出ても今の手数料です。オンライン申請は、最も短い期間を除いて窓口より安くなります。家族や職場に外国籍の人がいる場合は、出入国在留管理庁のページで確認するよう伝えてください。在留期間ごとの金額の一覧、オンラインの決済手数料、支払い方法は在留手続きの手数料改定の解説記事にまとめました。

11. 11月1日から:外国人旅行者の免税制度がリファンド方式に

10月ではありませんが、11月1日から免税店の仕組みが変わります。今は免税店で消費税を除いた価格で買えますが、11月1日からは店ではいったん税込みで支払い、出国時に税関で持ち出しが確認されてから消費税が戻る方式になります。一般物品と消耗品の区分、50万円の上限、消耗品の封かんの決まりはなくなります。

よくある質問

最低賃金は10月1日に全国で上がりますか?

10月1日に上がるのは15都府県だけです。ほかの県は10月2日から12月2日の間に順番に上がります。住んでいる県ではなく、働いている都道府県の開始日を確認してください。

電気代の国の支援は、いつの請求まで反映されますか?

支援の対象は2026年7・8・9月の使用分です。そのため、10〜11月ごろに届く請求から値引きがなくなります。

手紙やはがきの料金も10月に上がりますか?

今回の日本郵便の発表は荷物の料金(ゆうパック・ゆうパケット・クリックポストなど)で、手紙・はがきは対象外です。

在留手続きの手数料は、いつの申請から新しい金額になりますか?

基準は許可の日ではなく、申請が受け付けられた日です。9月30日までに受理された申請は、結果が10月以降に出ても今までの手数料です。

10月のチェックリスト

  • 働いている都道府県の最低賃金の開始日を確認し、翌月の給与明細を見る
  • ビール・発泡酒・チューハイの買い置きは、値段が動く前後で比べる
  • 荷物をよく送る人は、ゆうパケット・クリックポストと他社の料金を新料金で比べる
  • 接客の仕事をしている人は、職場のカスハラ相談窓口を確認する
  • 値引きのない電気・ガスの請求書に備え、契約や電力会社を見直す
  • 楽天モバイルを使っている人は、自宅・職場のエリアを確認する

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参考情報・出典

金額と日付は2026年9月20〜21日に上記の発表と照合しています。最低賃金の開始日は、都道府県労働局への異議の申し出によって変わることがあります。この記事は公表されている制度の説明で、法律・税務の個別の助言ではありません。

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