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家族が亡くなったあと、故人のスマホをどうするかは、後回しにしがちな手続きの一つです。解約しない限り月額料金はかかり続けますが、急いで解約すると困ることもあります。スマホの中の写真や連絡先を取り出せなくなったり、故人の銀行やネットサービスの手続きで必要な「SMSで届く確認コード」を受け取れなくなったりするからです。
この記事では、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルの4社について、公式の案内をもとに「解約」と「承継(家族が名義を引き継いで使い続ける)」の手続き場所と必要書類を整理します。あわせて、解約の前にやっておくことを順番にまとめました。
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まず決める:解約するか、承継するか
故人の携帯電話の契約は、大きく二つの道があります。
- 解約:回線を止めて契約を終える。月額料金はそこで止まる
- 承継:家族が契約者の地位を引き継ぎ、同じ電話番号のまま使い続ける
承継は、故人の電話番号を残したいとき、家族が端末をそのまま使いたいとき、しばらく番号を生かしておきたいときに向いています。たとえばドコモは、承継では事務手数料がかからず、継続利用期間なども引き継がれると案内しています。一方で、dポイントなどのポイントは引き継げません。
迷ったら、まず「解約の前にやること」を済ませ、そのあとで決めても遅くはありません。ただし、決めるまでの間も月額料金はかかります。

承継を選んだほうがよい場合
- 故人の銀行・証券・保険などに、その携帯番号が連絡先として登録されていて、相続の手続きがまだ終わっていない
- 故人のSNSやメールの整理が終わっておらず、SMSで届く確認コードがまだ必要になりそう
- 故人の知人から連絡が来る可能性があり、しばらく番号を残して訃報を伝えたい
- 家族がその端末と番号をそのまま使いたい
反対に、上のどれにも当てはまらず、スマホの中身の取り出しも済んでいるなら、解約して月額料金を止めるのが分かりやすい選択です。承継してしばらく使い、手続きが一段落してから解約する、という順番もあります。
解約の前にやること(ここが一番大事)
解約すると、その電話番号でSMSを受け取れなくなります。故人の銀行・証券・通販・SNSなどは、ログインや手続きのときにSMSの確認コードを求めることが多く、番号がなくなると手続きが進まなくなることがあります。次の順番で確認しておくと安心です。
- スマホの中の写真・動画・連絡先を取り出す(ロックを解除できる場合)
- 故人が使っていたネットサービスの一覧を作る(メール、アプリ、請求の明細から探す)
- SMS認証が必要なサービスは、解約前に手続きを進めるか、連絡先の変更方法を確認する
- 有料のアプリやサブスクリプションの請求元を確認する(キャリア決済で払っているものは、回線の解約で止まる場合と止まらない場合がある)
- 端末の分割払いの残りがあるか確認する
デジタル遺品の探し方や、ロックが解除できないときの考え方は、家族が亡くなったときのスマホ・パソコン・ネット契約の整理で詳しくまとめています。
写真や連絡先を残すなら
ロックが解除できる状態なら、クラウドへのバックアップに加えて、手元にもコピーを残しておくと安心です。充電するついでに写真や連絡先を自動で保存できる機器を使う方法もあります。
充電しながら自動バックアップ!スマホ写真を守る買い切りデバイス【Qubii】パソコンに取り込む作業や、機器の設定に自信がない場合は、訪問や電話で手伝ってくれるパソコン・スマホのサポートサービスを使う方法もあります。
書類の集め方:死亡を確認できる書類と戸籍
どの会社でも、基本になるのは「死亡を確認できる書類」と「手続きする人の本人確認書類」です。死亡を確認できる書類として、ドコモは葬儀の案内状、死亡診断書、住民票の除票、戸籍謄本などを例に挙げています。ソフトバンクも葬儀の案内状や死亡診断書を例に挙げ、原本でもコピーでもよいとしています。
死亡診断書(死亡届と一体の用紙)は、死亡届を役所に出すと手元に戻りません。携帯電話のほか、銀行や保険などでも使うことが多いので、提出する前にコピーを何枚か取っておくと後の手続きが楽になります。
相続関係を示す戸籍謄本は、2024年3月1日から、本籍地が遠くても全国の市区町村の窓口でまとめて請求できるようになりました(戸籍証明書の広域交付)。請求できるのは本人・配偶者・父母や祖父母・子や孫で、窓口で顔写真付きの本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)を見せる必要があります。郵送やオンラインではなく窓口での請求で、戸籍の一部だけを証明する抄本(一部事項証明書)は取れない点に注意してください。
出かける前のチェックリスト
- 死亡を確認できる書類(死亡診断書のコピー、葬儀の案内状など)
- 故人との関係が分かる書類(戸籍謄本など。姓や住所が違う場合は特に)
- 手続きする人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 故人のSIMカード(ドコモ・ソフトバンクは持参を案内している)
- 承継する場合は、引き継ぐ人名義のクレジットカードや口座の情報
- 店舗の来店予約(auは公式サイトから予約できる)
キャリア別の手続き(解約)
ここからは、4社の公式の案内をもとに、契約者が亡くなった場合の解約手続きを整理します。必要書類は来店する人や状況で変わることがあるので、出かける前に各社のページで確認してください。
ドコモ
- 手続き場所:ドコモショップ・d garden(オンラインでの手続きはなし。ahamoは郵送)
- 死亡の確認書類:葬儀の案内状、死亡診断書、住民票の除票、戸籍謄本など
- 来店する人の本人確認書類:運転免許証、マイナンバーカードなど
- 持っていくもの:ドコモUIMカード(またはeSIM)
- 手数料:かからない
- 注意:解約日までの利用料は請求され、月額料金は日割りにならない。端末の分割払いの残りは引き続き支払う。dポイントは失効する
au
- 手続き場所:auショップ(公式サイトから来店予約ができる)
- 必要書類:来店する人の本人確認書類と、契約者の死亡が確認できる書類
- 注意:来店する人の氏名・住所・姓が故人と違う場合は、死亡診断書や住民票など、関係が分かる書類も必要
- UQ mobileの回線も同じくauショップで手続きできる
ソフトバンク
- 手続き場所:ソフトバンクショップ
- 法定相続人が来店する場合:来店する人の本人確認書類と、死亡を確認できる書類(原本またはコピー。葬儀の案内状や死亡診断書など)、あればUSIMカード
- 相続人以外(相続財産清算人など)が手続きする場合は、裁判所の書類など別の書類が必要
- 注意:端末の分割払いの残りは解約後も支払いが続く
楽天モバイル
- 手続き方法:郵送のみ。書類を送ってから完了まで約2週間
- 流れ:公式サイトから「ご契約者様逝去時 解約申込書」をダウンロードしてA4で印刷し、記入する
- 同封するもの:逝去を確認できる書類のコピー(戸籍謄本など)、申告者と契約者の関係が分かる書類、申告者の本人確認書類
- 申告できる人:原則として二親等以内の親族(または高齢者終身サポート事業者)
- 注意:書類のコピーは返却されないので原本は送らない。未払いの料金は相続人が支払う。郵送料は申告者の負担

オンライン専用・サブブランドの場合
- ahamo(ドコモのオンライン専用プラン):解約も承継も郵送での申し込みのみ。手数料は無料で、dポイントは解約で失効する
- UQ mobile:auショップで、au回線と同じように来店して手続きできる
- その他のブランドやプラン:契約している会社の「契約者が亡くなった場合」の案内ページで、手続き方法を確認する
承継の手続き
承継では、引き継ぐ家族が契約者になります。ドコモの場合、ドコモショップかd gardenで、引き継ぐ人の本人確認書類(運転免許証かマイナンバーカードの原本)、相続関係が分かる戸籍謄本など、引き継ぐ人名義の支払い方法(クレジットカードや口座)を用意します。承継の事務手数料はかかりません。
au・ソフトバンク・楽天モバイルにも、契約者が亡くなったときの承継(名義変更)の案内があります。必要書類は各社で違うので、公式ページで確認してから手続きしてください。楽天モバイルは承継も専用の手続きページで案内しています。
解約したあとのスマホ本体はどうする?
回線を解約しても、スマホ本体は手元に残ります。SIMカードがなくても、ロックを解除できる状態ならWi-Fiにつないで写真やメモを見ることはできるので、急いで処分する必要はありません。形見として残す家族も多いものです。
処分する場合は、端末の初期化でデータを消してから、キャリアの下取りや回収、家電量販店の回収などを使います。初期化するとデータは戻らないので、残したい写真や連絡先の取り出しが終わってから行ってください。iPhoneの「探す」やAndroidのアカウントの設定が残っていると、次の人が使えない場合があるため、ロックの解除ができる家族が設定を外しておくと安心です。
よくある失敗と、その防ぎ方
- 急いで解約して、SMSの確認コードが受け取れなくなった → 解約の前に、故人のネットサービスを洗い出す
- 端末の分割払いが残っていた → 解約しても残りの支払いは続く。明細で残額を確認する
- ポイントが消えた → ドコモのdポイントなど、解約や承継で引き継げないポイントがある。使える範囲で先に使うかを検討する
- 書類が足りずに二度手間になった → 来店する人と故人の関係を示す書類(戸籍謄本など)を多めに持っていく
- 楽天モバイルの書類を店に持っていった → 楽天モバイルの逝去による解約は郵送のみ
よくある質問
解約はいつまでにしないといけませんか?
公式の案内に期限は書かれていません。ただし、解約するまで月額料金はかかります。ドコモは月額料金が日割りにならないと案内しています。解約の前にやることを済ませたら、月の区切りも見ながら手続きするとよいでしょう。
家族なら誰でも手続きできますか?
会社ごとに条件があります。たとえば楽天モバイルは、申告できる人を原則として二親等以内の親族としています。auは、来店する人の姓や住所が故人と違う場合に関係が分かる書類を求めています。
端末の分割払いが残っていたら、どうなりますか?
ドコモとソフトバンクは、解約後も分割払いの残りの支払いが続くと案内しています。誰がどう支払うかは相続とも関わるので、明細で残額を確認しておきましょう。
スマホのロックが解除できず、写真を取り出せません。
パスコードが分からない端末のロック解除は、家族でも簡単ではありません。デジタル遺品の扱い方は、家族が亡くなったときのスマホ・パソコン・ネット契約の整理で詳しく説明しています。自分の家族のためには、生前に準備しておく方法を今のうちにやるデジタル終活にまとめています。
相続人ではない人が手続きすることはできますか?
ソフトバンクは、法定相続人のほか、相続財産清算人や、死後の事務を任された人(死後事務の委任を受けた人)なども手続きできるとしていますが、裁判所の書類や公正証書などが必要になると案内しています。まずは相続人が手続きするのが一般的です。
承継すると、支払いは誰になりますか?
承継では、引き継いだ家族が新しい契約者になり、それ以降の料金はその人の支払いになります。ドコモの承継では、引き継ぐ人名義のクレジットカードや口座を用意するよう案内しています。
光回線やプロバイダの契約はどうなりますか?
携帯電話とは別の契約です。同じ会社でも、光回線や電気などは手続きのページが分かれていることがあります。請求の明細から契約を洗い出し、会社ごとに手続きしてください。
携帯電話の解約とあわせて、相続の手続きには期限のあるものがあります。期限の早い順にやることは「実家の相続手続き、期限の順番は?3か月から3年・空き家売却まで」にまとめています。
まとめ
故人の携帯電話は、解約する前に、中の写真と連絡先、SMS認証が必要なサービスを確認するのが一番大事です。そのうえで、解約するか承継するかを決め、各社の窓口で手続きします。ドコモ・au・ソフトバンクは店頭、楽天モバイルは郵送のみです。どの会社でも、死亡を確認できる書類と、手続きする人の本人確認書類が基本になります。
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参考情報・出典
- ahamo「契約者の死亡による手続き」
- 法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」
- NTTドコモ「ご契約者の死亡による解約」
- NTTドコモ「ご契約者の死亡による承継」
- au「契約者が亡くなったため解約したい」
- au「契約者が亡くなったため携帯電話やタブレットの名義を変更したい(承継)」
- ソフトバンク「契約者、使用者死亡に伴う解約の手続き方法」
- ソフトバンク「承継を行う際の手続き方法」
- 楽天モバイル「契約者が逝去したため回線を解約したいのですが、どうすればよいですか?」
- 楽天モバイル「ご契約者の逝去による契約者変更手続き(承継)」
(2026年9月29日確認)
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