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2026年10月1日適用の改定で変わるのは自治体が使える経費の上限であって、寄付する側の手続きではありません。自己負担2,000円も、控除の計算式も、ワンストップ特例の条件も、これまでと同じです。
結論|迷ったら、返礼品を選ぶ前に上限額を確かめる
10月の改定で変わったのは自治体が使える経費の上限で、寄付する側の手続きも、自己負担2,000円も、控除の計算式も変わっていません。「10月から値上がりします」という予告に急がされる理由はない、ということです。一方で、上限額を超えた分はそのまま自己負担になります。先に源泉徴収票か住民税決定通知書を出して上限の目安を出し、それから寄付先を決める順番にすると失敗しません。
一方で、寄付する側の感覚が本当に変わったのは、その1年前です。2025年10月1日からポータルサイトが寄付に付けるポイントが禁止になりました。楽天ふるさと納税でいえば、楽天市場の通常ポイントも、SPUも、お買い物マラソンの買いまわりカウントも、ふるさと納税には付きません。「どのサイトが一番還元率が高いか」で選ぶ前提そのものが、すでに無くなっています。
この記事では、2026年中に寄付する人が年内にやることを、総務省の告示・通知とe-Gov法令検索の条文、各サイトの公式告知で確認しながら順番に並べます。制度側の内容は2026年9月25日付けの総務省告示・通知まで反映しています。10月1日の改定そのものの中身はふるさと納税の経費上限は10月1日から実質47.5%にまとめてあります。
10月の改定で、寄付する側から見て変わること・変わらないこと
まず、改定の範囲をはっきりさせます。今回変わるのは、自治体が寄付を集めるために使える経費の割合です。
| 指定対象期間 | 寄附活用可能額(条文上の下限) | 裏返した経費の上限 |
|---|---|---|
| 2026年10月1日〜2027年9月30日 | 52.5%以上 | 47.5% |
| 2027年10月1日〜2028年9月30日 | 55%以上 | 45% |
| 2028年10月1日〜2029年9月30日 | 57.5%以上 | 42.5% |
| 2029年10月1日〜 | 60%以上 | 40% |
返礼品そのものの割合(寄付額の3割以内)は変わりません。変わるのは、返礼品の調達費に加えて、送料・広告掲載費・決済手数料・ポータルサイトへの委託料まで含めた合計の上限です。
寄付する側の仕組みは変わらない
総務省のふるさと納税ポータルサイトを見ると、寄付者側の説明は今回の改定の対象になっていません。自己負担2,000円を超える部分が所得税と住民税から原則として全額控除されること、ワンストップ特例の申請には「確定申告の不要な給与所得者等で、ふるさと納税先の自治体数が5団体以内である必要があります」とされていること。どちらも変わりません。
つまり、10月の改定を理由に手続きを変える必要はありません。変わる可能性があるのは、同じ返礼品をもらうのに必要な寄付額や、返礼品の内容量のほうです。ただしそれも自治体ごとの判断で、全体が一斉に動くわけではありません。
「10月から値上がりします」という予告は、そのまま受け取らない
ここは注意が必要です。総務省は2026年8月20日付けの通知「ふるさと納税制度における募集適正基準の遵守の徹底について」(総税市第96号)で、一部のポータルサイトが「10月から寄付額が上がります、今のうちに」という趣旨の表示で募集する行為を、募集適正基準に違反するおそれが高いものとして挙げています。将来的な必要寄附金額の引上げを予告して募集することが問題視された、という内容です。
この通知は、事業者がサイト上で表示した場合でも、指定の対象になるのは自治体だと明記しています。読者の立場で言えば、「10月から損する」と強く煽る表示ほど、鵜呑みにしないほうがよいということです。
10月1日以降の年内に、実際に起こること
制度の側は、2026年9月25日にひと区切りついています。この日、総務省は令和8年指定対象期間(2026年10月1日〜2027年9月30日)に寄付先として認められる自治体を令和8年総務省告示第354号で告示し、あわせて自治体向けの通知「ふるさと納税制度の適正な運用について」(総税市第108号)を出しました。年末に寄付できる自治体の枠は、この告示で決まっています。特例控除が使えるのは指定を受けた自治体への寄付だけなので、見慣れない窓口から寄付を勧められたときは、まずここを確かめてください。
この9月25日の通知から、年内に寄付する人に関係する部分を3つ挙げます。
- 必要寄付額の引上げや内容量の調整は、年内でも起こりうる。返礼品の調達費を寄付額の3割以下に収める基準について、通知は「その理由如何にかかわらず当該基準を満たすことが必要であり、物価上昇に伴う調達費用の変動が理由であってもこの例外とはならず、指定の取消し事由となります」としています。あわせて自治体には「返礼品等の数量の調整や必要寄附金額の変更等の措置を講ずる必要がある」と求めています。10月1日に全体が一斉に動くのではなく、調達費が動いた返礼品から個別に直っていく、という形です
- 選べる返礼品は、むしろ年末にかけて増える。10月1日より後に新しく提供を始める返礼品は、総務省の確認を経てからでないと出せません。通知が示した第1期のスケジュールは、自治体が2026年10月16日〜22日に提出し、国が10月23日〜12月24日に確認して提供開始。つまり10月下旬から12月下旬にかけて、候補が順次追加されていきます。10月の頭に見て「めぼしいものがない」と結論を出す必要はありません
- 煽り表示への監視は続く。通知は、適切な寄附先の選択を阻害するような表現を用いた事例が「散見されています」として速やかな掲載の取り止めを求め、今後そうした情報提供について「調査を実施することを予定しております」としています
もちろん、狙っている返礼品が決まっていて、寄付額も確認済みなら、急がない理由もありません。ただ「期限に追われて上限額を確かめずに駆け込む」のが一番よくない形です。次の章から、その上限額の話に入ります。
自分の上限額は「住民税所得割額の2割」で決まっている
ふるさと納税の「上限額」は、制度がどこかに書いている固定の金額ではありません。控除の計算式の中で、ある部分が頭打ちになる地点のことを指しています。ここを理解しておくと、シミュレーターの数字がなぜ人によって大きく違うのかが分かります。
総務省が示している控除額の計算は、次の3本立てです。
- 所得税からの控除 =(ふるさと納税額 − 2,000円)× 所得税の税率
控除の対象になる寄附額は、総所得金額等の40%が上限 - 住民税からの控除(基本分) =(ふるさと納税額 − 2,000円)× 10%
控除の対象になる寄附額は、総所得金額等の30%が上限 - 住民税からの控除(特例分) =(ふるさと納税額 − 2,000円)×(100% − 10% − 所得税の税率)
3つを足すと(寄附額 − 2,000円)がちょうど100%になります。これが「自己負担2,000円」の正体です。
問題は3番目です。総務省の説明では、特例分は住民税所得割額の2割を超えない場合に限ってこの式で計算されます。2割を超える場合は式が切り替わり、特例分=住民税所得割額 × 20% で頭打ちになります。
この場合、(1)、(2)及び(3)’の3つの控除を合計しても(ふるさと納税額-2,000円)の全額が控除されず、実質負担額は2,000円を超えます。
総務省「ふるさと納税のしくみ|税金の控除について」
つまり「上限額を超える」というのは、寄付が拒否されることでも、控除がゼロになることでもありません。超えた分だけ自己負担が2,000円から増えていく、というだけです。1万円超えたら1万円まるごと損、という話ではないので、そこは落ち着いて考えて大丈夫です。
目安を出すときの手順
上限額の目安を出す入口は2つあります。どちらも手元の書類から始めます。
- 今年の源泉徴収票または給与明細から見積もる:12月に会社から配られる源泉徴収票が一番正確ですが、年末ぎりぎりになります。急ぐ場合は、直近の給与明細と賞与から今年の見込み年収を出して、シミュレーターに入れます
- 6月ごろに届いた住民税決定通知書から逆算する:通知書の「所得割額」の欄が、上の計算式にそのまま出てくる数字です。ただしこれは昨年の所得に対する住民税なので、今年の収入が大きく動いていると目安がずれます
総務省のサイトにも給与収入と家族構成別の目安表がありますが、あくまで一定の条件を置いた早見表です。この記事では具体的な金額表は出しません。同じ年収でも、次のような事情で目安は動きます。
- 共働きか片働きか、扶養している家族が何人いるか、その年齢
- 住宅ローン控除を受けているか(所得税が先に減るため、影響が出ることがあります)
- 医療費控除やiDeCo(小規模企業共済等掛金控除)など、他の控除があるか
- 給与以外の収入(副業、株式の譲渡益や配当を申告する場合など)があるか
- ふるさと納税以外の寄付をしているか
シミュレーターには「簡易版」と「詳細版」があるのが普通です。上の項目に当てはまるものがあるなら、詳細版に入力してください。総務省自身も、控除額の説明の末尾で「具体的な計算は、お住まいの市区町村にお問い合わせください」と案内しています。ぎりぎりまで攻めたい場合は、自治体の税務担当に聞くのが確実です。
実務的には、目安の8割くらいに寄付額を収めておくのが無難です。12月に想定外の賞与が減ったり、年末調整で控除が増えたりすると、上限は下がります。
年内の期限は12月31日、年明けの期限は1月と3月
期限は3つあります。寄付そのもの、ワンストップ特例の申請書、確定申告です。

寄付:12月31日までに「決済が完了」していること
その年の寄付として扱われるのは、12月31日までに決済処理が終わったものです。申し込みボタンを押した日ではなく、自治体が発行する受領証明書に載る受領日が基準になります。
京都府精華町の年末年始の案内では、この点がはっきり書かれています。
令和7年12月31日(水曜日)までに決済処理が完了しているものが、令和7年分のふるさと納税の対象となります。
精華町「年末年始のふるさと納税について」
この案内は同町が令和7年分(2025年分)について出したもので、2026年9月27日の時点では令和8年分に更新されていません。ただ、日付を読み替えれば2026年分にもそのまま当てはまります。2026年12月31日(木)までに決済処理が完了していれば、2026年分の寄付です。同じページは、31日の24時直前にカード決済をすると通信状況によって年をまたぎ、決済完了が1月1日になって翌年分の寄付になってしまう可能性にも触れています。1日ずれるだけで、控除を受ける年がまるごと1年後ろにずれます。
支払い方法によって、余裕を見ておく日数が違います。
| 支払い方法 | 受領日になる日 | 逆算して用意する余裕 |
|---|---|---|
| クレジットカード | 決済完了日 | 12月31日でも間に合うことが多い。ただし23時台の手続きは年をまたぐおそれ |
| キャッシュレス決済 | 決済完了日 | 同上。サイト側の締切が別に設定されていることがある |
| 銀行振込・払込取扱票 | 入金日 | 年末年始は金融機関が休む。数日〜1週間前には手続きを終える |
| コンビニ払い | 入金日 | 払込票が届くまでの日数も必要。12月中旬までが安全 |
もうひとつ、締切は一本ではありません。12月31日というのは「自治体が受領した日」の話で、ポータルサイトが年内の受付を止める日はそれより早いことがあります。同じ自治体でも、申し込んだサイトによって年内受付の締切が違うことがあり、支払い方法ごとに別の締切が設けられている場合もあります。銀行振込や払込取扱票を選ぶと、金融機関の年末休業と自治体の入金確認までの日数がそのまま効いてきます。寄付する前に、①使うポータルサイトの年末年始の告知と、②寄付先の自治体のページの2か所を見てください。この記事に書いた日付だけで判断しないでください。
ワンストップ特例:原則は翌年1月10日必着、2027年はずれる
ワンストップ特例を使う場合、寄付先の自治体それぞれに申請書を出します。期限は原則として寄付をした翌年の1月10日必着です。
ここで、2026年に寄付した人には注意点があります。2027年1月10日は日曜日で、翌1月11日は成人の日です。地方税法には期限の特例があり、条文はこうなっています。
この法律又はこれに基づく条例の規定により定められている期限(政令で定める期限を除く。)が民法第百四十二条に規定する休日その他政令で定める日に該当するときは、この法律又は当該条例の規定にかかわらず、これらの日の翌日をその期限とみなす。
地方税法第20条の5第2項(e-Gov法令検索)
この規定が実際に使われた例が確認できます。山梨県都留市は、2025年中の寄付分について「令和8年1月10日は土曜日であることから地方税法第20条の5第2項に規定する期限の特例により、令和8年1月13日を期限としています」と案内しました。同じ考え方を2027年に当てはめると、日曜と祝日が続いたあとの1月12日(火)が翌開庁日になります。
ただし、この記事の時点で2027年の期限を明記している自治体はまだ多くありません。寄付先の自治体の案内を必ず確認してください。また、都留市の例では紙の申請書が1月13日、マイナンバーカードを使うオンライン申請は1月10日と、期限が分かれていました。オンライン申請を使う人は特に注意が必要です。
年末に寄付した場合、自治体から申請書が届くのを待っていると間に合わないことがあります。精華町は「12月以降にご寄附をされた場合、ワンストップ申請書の到着を待っていただくと、提出期限(1月10日必着)に間に合わない場合がございます」としたうえで、「提出期限は法令で定められているため、『申請書が届かなかったから期限に間に合わなかった』との理由で延長することはできません」と明記しています。12月下旬になっても届かないときは、自分で申請書を印刷して提出する、という案内です。
実務的には、数日ずれる可能性に賭けるより、寄付のたびにその場で申請書を出してしまうほうが確実です。多くのポータルサイトは申し込み時に「申請書の送付を希望する」を選べます。
確定申告:翌年3月15日まで
ワンストップ特例が使えない人、使わない人は確定申告をします。総務省の説明では「ふるさと納税を行った翌年の3月15日までに、住所地の所轄の税務署に確定申告を行ってください」とされ、申告時には寄附を証明する書類(受領書)の添付が必要です。
なお、もともと確定申告の必要がない給与所得者が、ふるさと納税の控除だけのために申告する場合は還付申告にあたります。国税庁の説明では、還付申告書は「確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出することができます」。3月15日を過ぎたから終わり、ではありません。ワンストップ特例の申請書を出し忘れたことに春以降に気づいても、まだ間に合います。
確定申告を選んだ場合の控除は、ワンストップ特例とは形が違います。ワンストップ特例では「所得税からの控除は行われず」、その分も含めた全額が翌年度の住民税から引かれます。確定申告なら、その年の所得税から控除(すでに納めていれば還付)され、加えて翌年度の住民税が減ります。最終的な控除の合計額は基本的に同じで、減る場所とタイミングが違うだけです。
ワンストップ特例と確定申告、どちらを選ぶか
ここまでの期限を、2つの選び方に整理すると次のようになります。控除される合計額はどちらでも基本的に同じなので、自分が確定申告をするかどうかと、寄付先の自治体数で決めて構いません。
| ワンストップ特例 | 確定申告 | |
|---|---|---|
| 使える人 | 確定申告の不要な給与所得者等で、寄付先が5団体以内 | だれでも。6団体以上に寄付した人、医療費控除などで申告する人はこちら |
| 期限 | 原則として寄付した翌年の1月10日必着。2027年1月10日は日曜、11日は成人の日にあたるため、地方税法第20条の5第2項の考え方を当てはめると1月12日(火)が翌開庁日になる(自治体と申請方法で分かれるため、寄付先の案内で要確認) | 翌年3月15日まで。還付申告だけなら翌年1月1日から5年間提出できる |
| 控除のされ方 | 所得税からの控除は行われず、住民税からまとめて引かれる | 所得税の還付と、翌年度の住民税の減額に分かれる |
| 手続き | 寄付のたびに申請書を提出。本人確認書類の写しを添える。同じ自治体でも寄付の回数ぶん必要 | その年の寄付を全部まとめて申告書に書く。受領書は全部保管する |
| いちばんの注意 | 申請後に確定申告をすると、申請は無かったことになる | 書き漏らした寄付は、その分だけ控除されない |
| 公式で確認 | 総務省|ふるさと納税の流れ | 国税庁|No.2030 還付申告 |
ポータルサイトのポイントは、2025年10月から付かない
ここが、数年前の記事を読んで止まっている人と現状が一番ずれているところです。
2024年6月に総務省の告示(募集適正基準)が改正され、寄付に伴ってポイント等を付与する者を通じた募集が禁止されました。適用は2025年10月1日からです。

線引きは「ふるさと納税だから上乗せされる分かどうか」
総務省が出したQ&A(現行は令和8年4月1日付け総税市第33号)が、どこまでが禁止かを具体的に書いています。このQ&Aは適用時期で二本立てになっていて、2026年9月30日までは別紙1、2026年10月1日以降は別紙2です。年末に寄付する人に当てはまるのは別紙2のほうで、根拠となる告示の条番号も第2条から第3条に繰り下がります。中身は同じです。
ポータルサイト運営事業者等により、直接・間接を問わず寄附者に付与されるポイント等(「マイル」、「コイン」等その名称を問わず寄附者に付与される経済的利益をいう。)については、広く「第一号寄附金の寄附に伴って寄附者に対し金銭その他の経済的利益」に該当する。
総務省「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&A」(令和8年4月1日付け総税市第33号)別紙1 問1の3。2026年10月1日以降に適用される別紙2では、同じ内容が問7(告示第3条第1号ロ⑵)に置かれている
一方で、カード決済のポイントは残ります。同じQ&Aは、クレジット会社やキャッシュレス決済事業者が決済に伴って付けるポイントは「通常の商取引に係る決済に伴って提供されるものに相当するもの」に当たる、としています。ただし、そこに但し書きがあります。
- ふるさと納税に係る寄附に係る決済を対象として追加的に付与されるものは、除外されない(=禁止される)
- ふるさと納税以外のサービス等の利用状況等に応じて追加的に付与されるものも、除外されない
- いわゆるポイントサイトを経由してポータルサイトに移動して寄付した場合の付与も、該当する(=禁止される)
2つめが、楽天のSPUのような「他のサービスをどれだけ使っているかで倍率が上がる仕組み」がふるさと納税に使えなくなった理由です。
楽天ふるさと納税で、実際に何が対象外になったか
楽天市場は2025年9月1日に、ポイント付与ルールの変更を告知しています。2025年10月1日から対象外になったのは次のとおりです。
- 楽天市場のお買い物通常ポイント(100円につき1ポイント)の付与
- スーパーSALE、お買い物マラソン等の買いまわりカウントとポイント付与
- 全ショップ対象キャンペーンのポイント付与
- SPU(楽天モバイル、楽天ブックス、楽天トラベルなど)によるポイント付与
残るのはカード決済分です。楽天の告知は「カード決済に伴って付与されるポイントにつきましては、引き続きカード会社から付与されます」としています。楽天市場からではなく、カード会社から付く分という整理です。
買いまわりのカウントに入らない点は、見落とすと損をします。お買い物マラソン中にふるさと納税で店舗数を稼ぐ、という以前よく紹介されていた方法は、もう成立しません。
なお、同じQ&Aは「適切な寄附先の選択を阻害するような表現」として、「お得」「コスパ(コストパフォーマンス)最強」「ドカ盛り」「圧倒的なボリューム」「おまけ付き」「セール」「買う」「購入」「還元」を例示しています(別紙1では問5、2026年10月1日以降の別紙2では問11)。さらに、キャンペーンのような形態で通常と比べて「必要寄附金額の引下げ」や「個数の増量」を行う旨を併記することも、この表現に当たるとしています。ポータルサイトの文言が以前より地味になったのは、このためです。前述の2026年9月25日付け通知でも、こうした表現の事例が「散見されています」として調査の予定が示されていますから、年末に向けて表示はさらに抑えめになる可能性があります。
ポイントで選べなくなったあと、何で選ぶか
還元率の比較ができなくなったぶん、サイト選びの基準は「使いやすさ」と「後の手続きの楽さ」に移りました。確認する価値があるのは次の4点です。
- 住所と決済手段の登録が済んでいるか。寄付者の住所や氏名を1文字でも間違えると、控除の手続きでつまずきます。普段使っているアカウントの登録情報をそのまま使えるサイトのほうが事故が起きにくくなります
- ワンストップ特例のオンライン申請に対応しているか。対応状況は自治体ごとに違います。マイナンバーカードで完結できれば、郵送の締切に追われずに済みます
- 配送時期が書かれているか。年末は「発送は翌年〇月以降」という返礼品が増えます。冷凍庫の空きも含めて、受け取れる時期か確認します
- 受領証明書の発行方法。確定申告をする予定なら、電子発行に対応しているかで手間が変わります
楽天ふるさと納税は、このうち1番目が強みです。公式サイトの説明では「楽天会員であれば、楽天IDを使用して、楽天市場のご利用と同じステップで自治体へ寄付をすることができます」とされています。普段から楽天市場を使っていて住所と支払い方法が登録済みなら、入力のやり直しがほぼ発生しません。買い物かごの操作もそのままです。
逆にいえば、楽天を普段使っていない人が、ポイント目当てでわざわざ楽天を選ぶ理由は、今はありません。使い慣れたサイトで、寄付先の自治体と返礼品を基準に選んでください。特定の返礼品を「おすすめ」として並べていないのも、そのためです。同じ食材でも、家族の人数と冷凍庫の容量で正解は変わります。
楽天ふるさと納税で、ジャンルから探す
基準が決まったら、あとは探す作業です。「ふるさと納税 楽天 おすすめ」で検索してランキングから決めるより、上限額と配送時期を先に決めてから、ジャンルで絞るほうが失敗しません。楽天ふるさと納税にはジャンル別のページがあり、寄付金額や配送時期で絞り込めます。ここでも個別の返礼品は挙げません。同じ食材でも、家族の人数と冷凍庫の空きで正解が変わるからです。
迷ったら、普段から定期的に買っているものから選ぶと余りません。米と日用品は保管場所さえあれば確実に使い切れます。肉と魚介は冷凍庫の空きが要るので、年末にまとめて申し込むと受け取りで困ることがあります。どのジャンルでも、商品ページの配送時期の表示は申し込む前に必ず見てください。
上限額の確認がまだなら、自分の上限額は「住民税所得割額の2割」で決まっているに戻ってから寄付してください。超えた分は控除されず、そのまま自己負担になります。
年末にやりがちな失敗
控除が受けられなかった、思ったより自己負担が増えた、という失敗はだいたい決まったパターンです。
1. 上限額を超える
前述のとおり、超えた分は自己負担になります。年末に慌てて追加で寄付すると起きやすいので、12月に入る前に一度、今年の寄付額の合計を数えておくと防げます。複数のサイトを使っていると合計を見落とします。
2. 6自治体以上に寄付してワンストップが使えなくなる
ワンストップ特例は「ふるさと納税先の自治体数が5団体以内」が条件です。総務省も「6団体以上にふるさと納税を行った場合は、確定申告を行う必要があります」と明記しています。
数えるのは自治体の数であって、寄付の回数ではありません。同じ市に3回寄付しても1団体です。ただし申請書は寄付のたびに提出します。
3. 申請書を出し忘れる、書類が足りない
申請書には本人確認書類の写しを添えます。マイナンバーカードがあれば両面のコピーで足りますが、無い場合は通知カードや住民票と、運転免許証などの身元確認書類の組み合わせが必要です。年末に慌てて用意するとここで詰まります。
不備があると自治体から連絡が来ますが、期限内に直せなければ無効です。出し忘れや不備に気づいたら、確定申告に切り替えれば控除は受けられます。気づいた時点ではまだ取り返しがつくので、諦めないでください。
4. ワンストップを出したあとに確定申告をする
見落としやすいのがこれです。ワンストップ特例の申請をしていても、あとから確定申告をすると、その申請は無かったことになります。医療費控除を受ける、住宅ローン控除の1年目、副業の申告をする、といった理由で確定申告をする人は要注意です。
この場合は、ワンストップで申請済みの寄付も含めて、その年の寄付を全部まとめて確定申告書に書きます。書き漏らすと、その分だけ控除されません。受領書は全部保管しておいてください。
5. 名義が違う
控除を受けられるのは、寄付をした本人です。寄付の申込者名と、支払いに使ったカードの名義と、控除を受ける人が同じである必要があります。配偶者名義のカードで自分の名前で申し込む、といった形は避けてください。家族で分けるなら、それぞれの名義でそれぞれの上限内に収めます。
6. 年末年始に引っ越して、住所変更を届け出ない
ワンストップ特例の控除は、翌年1月1日時点で住んでいる自治体の住民税から引かれます。申請書を出したあとに引っ越した場合は、寄付先の自治体に「申告特例申請事項変更届出書」を提出します。期限は申請書と同じで、原則として翌年1月10日です。年末の引っ越しは特に見落としやすいところです。
次に読むならこの1本
年末調整の書き方2026|3枚の申告書の見分け方と、令和8年分で変わった点(扶養は年収136万円まで)同じ年末の手続きとして、3枚の申告書の見分け方と令和8年分で変わった点をまとめています。
よくある質問
10月の改定で、返礼品は減るのですか
一律には決まりません。自治体が使える経費の上限が下がるので、返礼品の内容量を減らす、必要な寄附額を上げる、ポータルサイトへの手数料を下げてもらう、といった対応が考えられますが、どれを選ぶかは自治体ごとです。総務省は8月20日付けの通知で、値上げを予告して募集する行為に注意を促しています。「10月から損する」という表示は、そのまま信じないほうが安全です。
上限額を超えて寄付してしまったら、どうなりますか
超えた分が控除されず、自己負担が2,000円より増えます。寄付が無効になるわけでも、全額が自己負担になるわけでもありません。返礼品は受け取れますし、超えた部分も自治体への寄付としては成立しています。
ふるさと納税で、支払った税金が安くなりますか
合計の負担は減りません。納める先が住んでいる自治体から寄付先へ移り、そのうえで2,000円の自己負担が乗る仕組みです。節税ではなく、税金の一部を自分で行き先を選んで前払いし、返礼品を受け取る制度だと考えるほうが実態に近いです。
クレジットカードのポイントは付くのですか
ふるさと納税以外の買い物と同じ条件で付く通常のポイントは、引き続き付きます。総務省のQ&Aが「通常の商取引に係る決済に伴って提供されるものに相当するもの」として除外しているためです。ただし、ふるさと納税を対象に上乗せされる分や、他のサービスの利用状況で倍率が上がる分は対象外です。実際の付与条件はカード会社の案内で確認してください。
確定申告とワンストップ特例、どちらが控除額は大きいですか
基本的には同じです。ワンストップ特例では所得税からの控除が行われず、その分も含めた全額が翌年度の住民税から引かれます。確定申告ならその年の所得税と翌年度の住民税に分かれます。減る場所とタイミングが違うだけで、合計額は原則として変わりません。
今年はもう無理そうです。年明けに寄付したらどうなりますか
翌年分の寄付として扱われ、控除はその翌年度の住民税などに反映されます。制度が無くなるわけではないので、上限額を確かめる時間を取ってから落ち着いて寄付したほうが、結果的に失敗しません。ただし、2027年10月からは自治体が使える経費の上限がさらに下がる予定です。
今日やるなら、この順番
最後に、年内の動き方をまとめます。
- 源泉徴収票または住民税決定通知書を出して、今年の上限額の目安をシミュレーターで確認する。当てはまる控除があるなら詳細版を使う
- 今年すでに寄付した分の合計額と自治体数を数える。複数サイトを使っているなら全部合算する
- ワンストップ特例を使うか、確定申告にするかを決める。6自治体以上なら確定申告、医療費控除などで申告予定なら最初から確定申告でまとめる
- 返礼品を選んで寄付する。申し込み時にワンストップ特例の申請書を希望しておく。名義と住所は登録情報のまま使う
- 申請書が届いたらすぐ出す。本人確認書類の写しを忘れない
- 受領書は確定申告の可能性に備えて、年明けまで全部保管する
10月の改定は自治体側のルールで、寄付する側の手続きは変わりません。急がされる材料として使われやすいところですが、上限額を確かめる時間を惜しまないほうが、結果的に損をしません。
あわせて読みたい:2026年10月から変わること|最低賃金・ビール系の酒税・ゆうパック・カスハラ対策・電気代の補助終了
参考情報・出典
- ふるさと納税のしくみ|税金の控除について(総務省) — 所得税・住民税基本分・住民税特例分の計算式、控除対象となる寄附額の上限(総所得金額等の40%/30%)、特例分が住民税所得割額の2割を超える場合は「実質負担額は2,000円を超えます」
- ふるさと納税のしくみ|ふるさと納税の流れ(総務省) — ワンストップ特例の申請は「確定申告の不要な給与所得者等で、ふるさと納税先の自治体数が5団体以内である必要があります」、6団体以上は確定申告、確定申告は翌年3月15日まで、適用時は所得税からの控除は行われない
- ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&Aについて(令和8年4月1日付け総税市第33号)(総務省・PDF) — 現行のQ&A。令和8年4月1日〜9月30日は別紙1、2026年10月1日以降は別紙2による。別紙1 問1の3(別紙2 問7):ポータルサイト運営事業者等が付与するポイント等は「マイル」「コイン」等その名称を問わず該当、カード会社等の決済に伴う通常ポイントは除外、ふるさと納税の寄付の決済を対象に追加付与される分と他サービスの利用状況に応じた追加分は除外されない、ポイントサイト経由も該当。別紙1 問5(別紙2 問11):「お得」「コスパ(コストパフォーマンス)最強」「ドカ盛り」「圧倒的なボリューム」「おまけ付き」「セール」「買う」「購入」「還元」等が適切な寄附先の選択を阻害する表現、キャンペーン形態での「必要寄附金額の引下げ」「個数の増量」の併記も該当
- ふるさと納税制度の適正な運用について(令和8年9月25日付け総税市第108号)(総務省・PDF) — 令和8年指定対象期間に係る大臣指定の通知と同日付の通知。返礼割合3割以下基準は「物価上昇に伴う調達費用の変動が理由であってもこの例外とはならず、指定の取消し事由となります」、自治体は「返礼品等の数量の調整や必要寄附金額の変更等の措置を講ずる必要がある」。指定対象期間開始後に追加する返礼品等の確認スケジュール(第1期:2026年10月16日〜22日提出、10月23日〜12月24日確認・提供開始)。寄附金活用可能額は当該期間に受領する第1号寄附金の合計額の100分の52.5以上。適切な寄附先の選択を阻害するような表現を用いた事例が「散見されています」として調査を予定
- 令和8年総務省告示第354号(総務省・PDF) — 令和8年9月25日告示、令和8年10月1日から適用。2026年10月1日〜2027年9月30日の期間について総務大臣が指定する都道府県・市区町村の一覧
- ふるさと納税制度の適正な運用について(令和8年4月1日付け総税市第34号)(総務省・PDF) — 寄附金活用可能額の割合に関する基準は令和8年指定対象期間(2026年10月1日〜2027年9月30日)から適用され、その割合を段階的に引き上げること。添付の改正法概要に指定対象期間ごとの下限(52.5%→55%→57.5%→60%)
- ふるさと納税制度における募集適正基準の遵守の徹底について(令和8年8月20日付け総税市第96号)(総務省・PDF) — 将来的な必要寄附金額の引上げを予告して募集する行為への注意喚起、指定取消の対象となるのは当該地方団体であること
- 地方税法(e-Gov法令検索) — 第20条の5第2項(期限の特例):期限が休日その他政令で定める日に該当するときは、その翌日を期限とみなす
- No.2030 還付申告(国税庁タックスアンサー) — 還付申告書は「確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出することができます」
- ワンストップ特例申請について(山梨県都留市) — 「令和8年1月10日は土曜日であることから地方税法第20条の5第2項に規定する期限の特例により、令和8年1月13日を期限としています」。紙の申請書とオンライン申請で期限が異なる例
- 国民の祝日について(内閣府) — 2027年(令和9年)の成人の日は1月11日
- 年末年始のふるさと納税について(京都府精華町) — 12月31日までに決済処理が完了しているものがその年分、24時直前のカード決済は年跨ぎのおそれ、振込は金融機関の営業日に注意
- 楽天ふるさと納税におけるポイント付与ルール変更のおしらせ(楽天市場) — 2025年10月1日から通常ポイント・買いまわりカウント・全ショップ対象キャンペーン・SPUが対象外、「カード決済に伴って付与されるポイントにつきましては、引き続きカード会社から付与されます」
- ふるさと納税とは(楽天ふるさと納税) — 楽天IDを使用して楽天市場の利用と同じステップで寄付できること、限度額の確認・返礼品の選択・税金控除の申請という手順
この記事は2026年9月27日時点の情報をもとにしています。年末に向けた期限とポータルサイトの取扱いは、寄付の直前にもう一度ご確認ください。制度・期限・各サイトの取扱いは変更されることがあるため、寄付の前に必ず公式の案内をご確認ください。税額の具体的な計算については、お住まいの市区町村または税務署にご相談ください。
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