〜暮らしの落書き帳〜

住宅ローンの変動金利が0.25%引き上げ|返済額はいつ・いくら変わるか(5年ルール)

高層の集合住宅を見上げた外観

この記事は公開時点の情報です(2026年9月27日追記)
記事が「次の節目」としていた2026年9月17・18日の金融政策決定会合で、日本銀行は9月18日に政策金利(無担保コールレート翌日物)の誘導目標を1.00%程度から1.25%程度へ引き上げることを賛成7・反対2で決めました。新しい方針は翌営業日の9月24日から適用されています。記事中の各行の金利は9月適用分の数字で、この追加利上げを受けた基準金利の見直し時期と返済額への反映時期は金融機関ごとに異なるため、お使いの銀行の案内もご確認ください。

三菱UFJ銀行と三井住友銀行が、2026年9月に適用する住宅ローンの変動型金利を引き上げました。引き上げ幅はどちらも0.250%で、最優遇金利は三菱UFJ銀行が年1.195%、三井住友銀行が年1.525%です。共同通信は、大手5行のうち残る3行は年0.950〜1.080%で据え置いたと伝えています。日本経済新聞は、大手行の変動型引き上げが3月以来、半年ぶりだとしています。

きっかけは日本銀行の利上げです。日銀は2026年6月15日・16日の金融政策決定会合で、政策金利を0.75%程度から1.00%程度へ引き上げました。日本経済研究センターによると、1%台の政策金利は1995年以来、約31年ぶりの高い水準です。

変動金利で住宅ローンを借りている人にとって、気になるのは「自分の返済額はいつ、いくら上がるのか」という一点だと思います。この記事では、9月に何がどこまで動いたのかを整理したうえで、実際に返済額へ反映される時期、5年ルールと125%ルールの意味、そして0.25%が家計にどのくらいの金額として現れるのかを、公表されている数字と単純計算で確かめていきます。特定の金利タイプや借り換え先を勧めるものではありません。

9月に上がったのはどこか

住宅ローン比較サービス「モゲチェック」が2026年9月1日に更新した記事では、9月に変動金利を引き上げた銀行として次の4行が挙げられています。金利はいずれも年率で、各行の最優遇金利です。

銀行引き上げ幅9月適用の変動金利
三菱UFJ銀行+0.250%1.195%
三井住友銀行+0.250%1.525%
ドコモSMTBネット銀行+0.200%1.750%
楽天銀行+0.014%1.557%

同じ記事には、カテゴリー別の平均金利を前月と比べた表も載っています。

区分2026年8月2026年9月前月比
変動(地銀)1.227%1.227%変わらず
変動(メガ)1.082%1.248%+0.167%
変動(ネット系)1.211%1.292%+0.081%

メガバンクの平均が0.167ポイント動いたのは、3行のうち2行が0.25%ずつ上げたためです。地方銀行の平均は9月時点で動いていません。ネット系も上がってはいますが、上げ幅は限定的です。つまり「9月に住宅ローンの変動金利が上がった」といっても、全部の銀行が横並びで動いたわけではありません。

なお共同通信は、変動型を据え置いた3行も含め、10年固定型については大手5行すべてが引き上げたと伝えています。固定期間選択型は長期金利の影響を受けやすく、変動型とは動き方が違います。

上がったのは「基準金利」で、引下げ幅は契約時のまま

金利の話をややこしくしているのが、住宅ローンには2つの金利が並んでいることです。

ひとつは基準金利(店頭金利)で、銀行が公表する定価にあたります。もうひとつが最優遇金利で、基準金利から一定の引下げ幅を差し引いた、実際に適用される金利です。ニュースで「年1.195%」と報じられるのは後者です。

三井住友銀行が公開している住宅ローンの金利水準推移を見ると、変動金利型の店頭金利は2026年3月から8月まで年3.125%で並び、9月に年3.375%へ変わっています。上がったのは0.250ポイントで、報じられた引き上げ幅と一致します。

ここで押さえておきたいのは、既に借りている人の引下げ幅は、原則として契約時に決まった条件がそのまま続くという点です。基準金利が0.25%上がれば、引下げ幅がそのままである限り、適用金利も0.25%上がります。「自分は当時かなり低い金利で借りたから関係ない」ということにはなりません。逆に、いま新規で借りる人に提示される最優遇金利と、10年前に借りた人の適用金利は別物です。両者を並べて比べても、あまり意味はありません。

自分の適用金利がいくらなのかは、返済予定表やインターネットバンキングの借入明細で確認できます。ニュースの数字ではなく、まず手元の数字を見るのが出発点になります。

なぜ上がったのか

変動金利の水準は、短期金利の動きを反映して決まります。その短期金利を動かしているのが日銀の政策金利です。

日銀は6月15日・16日の金融政策決定会合で、政策金利を0.75%程度から1.00%程度へ、0.25ポイント引き上げました。続く7月30日・31日の会合では据え置いています。今回の住宅ローン金利の引き上げは、6月に決まった利上げが銀行の調達コストに反映され、そこから店頭金利に伝わった結果です。共同通信も「日銀が6月に決めた政策金利の引き上げを反映した」としています。

利上げから約2〜3か月遅れて住宅ローン金利が動いた、という時間差はここから来ています。政策金利が動いた月に住宅ローンがすぐ動くわけではなく、さらにそこから各家庭の返済額に届くまでには、後で見るとおりもう一段の時間差があります。

自分の返済額はいつ変わるのか

ここが実務としては一番重要なところです。9月に金利が上がったからといって、9月の引き落としが増えるわけではありません。

三菱UFJ銀行は「【住宅ローン】変動金利の基準金利見直しについて」というページで、2026年9月1日から基準金利を見直すこと、そして既に借りている人への反映時期を明示しています。同行の説明によると、次のようになります。

区分基準日新しい利率の適用返済額への反映
変動金利(毎月型)2026年9月1日2026年10月の返済日翌日から11月の約定返済分から
変動金利(年2回型)2026年10月1日2026年12月の返済日翌日から2027年1月の約定返済分から

さらに同ページには、元利均等返済で借入中の場合、10月1日を基準とした5年間は返済額に変更はない、という記載もあります。これが次に説明する5年ルールです。

三井住友銀行についても、読売新聞などの報道では既存契約者への反映は秋ごろとされています。ただし正確な基準日と反映月は銀行や契約タイプによって異なるため、自分の銀行の告知ページを見るのが確実です。「9月に上がった」というニュースと、「自分の口座から引かれる額が変わる月」は、同じではありません。

5年ルールと125%ルールは、割引ではなく先送り

多くの銀行の変動金利型・元利均等返済には、返済額の急変を抑える仕組みが付いています。三菱UFJ銀行のFAQでは、次のように説明されています。

  • 変動金利かつ元利均等返済の場合に適用される(元金均等返済には適用されない)
  • 返済額は5年ごとに見直す。金利が変わっても、次の見直しまで返済額は変わらない。ただし元金と利息の内訳は変わる
  • 見直しで返済額が増える場合でも、新しい返済額は前回までの返済額の125%を超えない

全国銀行協会の解説では、変動金利は通常半年ごとに見直され、元利均等返済の返済額見直しは通常5年ごと、とされています。金利は半年ごとに動くのに、返済額は5年間動かない。この差を埋めているのが元金と利息の内訳です。

数字にすると分かりやすくなります。残高2,500万円・残り25年・金利0.5%で、毎月の返済額が88,667円だとします。残高2,500万円に対する1か月分の利息は、金利ごとに次のように変わります。

金利1か月分の利息元金に充てられる額
0.5%10,417円78,251円
1.0%20,833円67,834円
1.5%31,250円57,417円
2.0%41,667円47,001円

毎月払う88,667円は変わりません。変わるのは中身です。金利が0.5%から2.0%になると、元金に充てられる額は78,251円から47,001円へ、4割ほど減ります。返済額が据え置かれている5年間は、家計の負担は変わらない代わりに、元金の減りが遅くなっています。返済が楽になっているわけではありません。

125%ルールも同じ性質です。上の例なら、5年後の見直しで返済額が増えるとしても、88,667円の1.25倍にあたる110,834円が上限になります。急に返済額が倍になることはない、という安心材料ではありますが、上限を超えた分が消えるわけではなく、後ろに繰り延べられます。

そして、金利上昇が急な場合には未払利息が起こり得ます。全国銀行協会は、返済額の据え置き期間中に利息部分の金額が返済額を上回る可能性があり、その超過分が未払利息になると説明しています。同協会によると、未払利息にさらに利息がかかることは一般的にありませんが、別途支払わない限り返済終了時まで蓄積し、通常の返済が終わっても未払利息分のローンが残る可能性があるとされています。

今回の0.25%という幅で、いきなり未払利息が発生する人は多くないはずです。ただし、5年ルールがあるために「返済額が変わっていない=影響がない」と読み違えると、5年後の見直しでまとめて認識することになります。

机の上に並んだ電卓とノートパソコン、白紙にペンを構える手元

0.25%は金額にするといくらか

ここまでの話を、実際の金額に置き換えます。以下はすべて、元利均等返済・ボーナス払いなし・全期間同じ金利という単純な条件での試算です。融資手数料や保証料などの諸費用は含みません。実際の返済額は借入条件によって変わります。

まず、借入3,000万円・返済期間35年で、金利だけを変えた場合の毎月返済額です。

金利毎月返済額総返済額
0.5%77,876円約3,271万円
0.75%81,235円約3,412万円
1.0%84,686円約3,557万円
1.25%88,226円約3,705万円
1.5%91,855円約3,858万円
1.75%95,573円約4,014万円
2.0%99,379円約4,174万円

0.25%刻みで、毎月およそ3,300〜3,800円ずつ動きます。総返済額では1回の0.25%あたり140万〜160万円前後の差です。

次に、返済の途中にいる人向けに、残高と残り期間の組み合わせで0.25%上がったときの毎月の増加額を出しました(0.95%から1.20%へ上がった場合の計算です)。

残高残り20年残り25年残り30年残り35年
2,000万円+2,241円+2,276円+2,312円+2,348円
2,500万円+2,801円+2,845円+2,890円+2,935円
3,000万円+3,361円+3,414円+3,468円+3,522円
3,500万円+3,922円+3,984円+4,046円+4,109円
4,000万円+4,482円+4,553円+4,624円+4,696円

毎月の増加額は、残り期間よりも残高でほぼ決まります。残高3,000万円なら、残り20年でも35年でも月3,400円前後です。一方、総額で見ると期間の影響が出ます。残高3,000万円で0.25%上がった場合の総返済額の増加は、残り20年で約81万円、25年で約102万円、30年で約125万円、35年で約148万円です。同じ0.25%でも、返済の序盤にいる人ほど効いてきます。

月3,000円台と聞くと小さく感じるかもしれません。ただし、これは今回の1回分です。日銀の政策金利は2026年6月に1.00%になっており、この先も動く可能性があります。仮に0.25%の上昇が数回続けば、月1万円台の差になります。

固定へ切り替えるかを考えるときの比較材料

変動から固定への切り替えを検討する人もいると思います。判断材料として、いまの金利差の大きさは知っておく価値があります。

住宅金融支援機構が公表している2026年9月の【フラット35】の借入金利は、借入期間21年以上35年以下・融資率9割以下で最低が年3.460%です。これに対し、9月の変動型の最優遇金利は三菱UFJ銀行で年1.195%でした。差は2.265ポイントあります。

借入3,000万円・35年で単純計算すると、年1.195%なら毎月87,439円・総額約3,672万円、年3.460%なら毎月123,293円・総額約5,178万円です。毎月で約35,900円、総額で約1,500万円の差になります。

変動から固定に移るということは、この差額を保険料として先払いする判断に近いものです。今後の金利が読めない以上、どちらが得だったかは後からしか分かりません。判断の前に確認しておきたいのは、次のような点です。

  • 借り換えには諸費用がかかります。事務手数料、保証料、登記費用などで数十万円規模になることがあり、金利差だけで比べると実態を見誤ります
  • 同じ銀行の中で固定期間選択型へ変更できる場合があります。三井住友銀行は、金利上昇時の選択肢としてインターネットや電話での金利種類の変更、一部繰上返済を案内しています。借り換えより手続きが軽い場合があります
  • 固定期間選択型は、その期間が終わった後に再び金利変動の影響を受けます。10年固定は10年間の固定であって、全期間固定ではありません
  • 繰上返済も選択肢のひとつです。残高が減れば、同じ金利上昇でも増加額は小さくなります

いずれも、まず自分の適用金利・残高・残り期間という3つの数字がないと比較できません。

自宅で書類に目を通す人物の手元とノートパソコン

いま確認しておける4つのこと

金利がこの先どうなるかは分かりませんが、手元の情報を確定させておくことはいつでもできます。

  1. いまの適用金利。返済予定表かインターネットバンキングで確認します。基準金利ではなく、引下げ後の実際の金利です
  2. 金利タイプと返済方式。変動か固定期間選択型か、元利均等か元金均等か。5年ルール・125%ルールは、変動金利かつ元利均等返済の場合に適用されるのが一般的です
  3. 次に返済額が見直される時期。5年ごとの見直しがいつ来るかは契約ごとに違います。三菱UFJ銀行の例では、元利均等返済の場合、10月1日を基準とした5年間は返済額が変わらないとされています
  4. 残高と残り期間。この2つがあれば、上の表で自分の増加額の目安が読めます

銀行からは「ご返済のお知らせ」などの名称で、変更後の最初の返済日前に通知が届きます。三菱UFJ銀行のFAQにもその記載があります。届いた通知を開かずに置いておくと、変更に気づくのが遅れます。

次の節目は9月17日・18日の日銀会合

日本銀行が公表している金融政策決定会合の開催予定によると、次回は2026年9月17日(木)・18日(金)です。その後は10月29日・30日、12月17日・18日が予定されています。

今後の見通しについて、モゲチェックは年内に1.25%へ引き上げられ、その後段階的に上昇して2027年頃に1.5〜2.0%程度に達する可能性をメインシナリオとしています。一方、日本経済研究センターは、今後の追加利上げの焦点として中東情勢を起点とする物価上振れリスクを挙げるとともに、利上げ打ち止めの可能性にも注意が必要だとしています。利上げによる実体経済への下押し圧力も論点になる、という指摘です。

つまり、見通しは一方向ではありません。「必ずここまで上がる」という前提で家計の計画を立てるのも、「もう上がらない」と決めてしまうのも、どちらも危うい状態です。確実なのは、9月に基準金利が0.25%上がったこと、そしてその影響が秋から冬にかけて返済額へ反映されることの2つです。

長期金利の側でも動きがありました。2026年9月1日には新発10年物国債の利回りが約30年ぶりの水準となる3%に達し、同じ日にフラット35の9月適用金利が現行制度で最高となる年3.460%と公表されています。この動きは日経平均1,889円安と長期金利上昇でも取り上げています。短期金利と長期金利は別の要因で動きますが、どちらも上向きの局面にあります。

まとめ

2026年9月に起きたことを整理すると、次のようになります。

  • 三菱UFJ銀行と三井住友銀行が変動型の最優遇金利を0.250%引き上げ、年1.195%・年1.525%となった。大手5行のうち残る3行は年0.950〜1.080%で据え置き。三井住友銀行の店頭金利は8月までの年3.125%から9月に年3.375%へ
  • 背景は日銀が6月15日・16日の会合で政策金利を0.75%程度から1.00%程度へ引き上げたこと。1%台は約31年ぶりの水準
  • 既に借りている人への反映は秋以降。三菱UFJ銀行の場合、変動金利(毎月型)は11月の約定返済分から、(年2回型)は2027年1月の約定返済分から
  • 元利均等返済なら5年ルールで返済額はしばらく据え置かれるが、その間は元金の減りが遅くなる。負担がなくなるわけではない
  • 0.25%の上昇は、残高3,000万円なら毎月3,400円前後、総額では残り期間に応じて約81万〜148万円

いま必要なのは、借り換えるかどうかを今日決めることではなく、自分の適用金利・返済方式・次の見直し時期・残高という4つの数字を手元に揃えておくことだと思います。

参考情報・出典

※返済額の試算は、元利均等返済・ボーナス払いなし・全期間同一金利という条件で計算したものです。融資手数料、保証料、登記費用等の諸費用は含みません。実際の返済額・総返済額は借入条件や返済方法により異なります。0.25%上昇時の増加額の表は、金利が年0.95%から年1.20%へ上がった場合の計算です。

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