〜暮らしの落書き帳〜

遺品整理の見積を比較する方法|追加料金・処分・残す物の確認点

見積書A・B・Cと、家財や買取候補の品を並べた「遺品整理の見積を比較する方法」のアイキャッチ 生活トラブル

遺品整理を事業者へ依頼するとき※本記事には、当サイトが販売するデジタル商品の案内を含みます。遺品整理を事業者へ依頼するときは、見積総額だけで決めず、作業範囲、追加料金が発生する条件、残す物の扱い、処分方法などを同じ条件で確認することが重要です。

国民生活センターは2025年10月30日、遺品整理について、事前に約20万円と聞いていたものが作業後に30万円になった事例や、残す約束だったアルバムなどまで処分された事例を紹介し、複数社から見積を取って料金や作業内容を比較するよう注意を呼びかけています。

遺品整理の見積は「総額」だけで比較しない

2社、3社から見積を取っても、各社で項目名や料金のまとめ方が違うと単純な総額比較では判断しにくくなります。まずは見積書に書かれた内容を、共通する項目へ分けて確認します。

  • 仕分け、搬出、積込み
  • 作業員数と車両
  • 家具・家電・衣類などの処分
  • 階段や長距離搬出などの条件
  • 家具解体やエアコン取り外しなどの追加作業
  • 買取対象と査定額
  • キャンセル・日程変更条件

一方の会社では基本料金に含まれ、別の会社では追加料金になる作業もあります。「含む」「別料金」「対象外」「記載なし」のように条件をそろえると比較しやすくなります。

総額だけでなく作業条件や追加料金を分けて比べる遺品整理見積の図解

追加料金が発生する条件を契約前に確認する

見積時に確認したいのは、現在の金額だけではありません。物量が増えた場合、車両や人員が追加された場合、階段作業や解体作業が必要になった場合など、どの条件で金額が変わるのかを確認します。

また、追加作業が必要になったときに、作業を始める前に金額を確認できるか、書面やメールなど記録に残る形で確認できるかも聞いておくと整理しやすくなります。

「残す物」と「処分する物」を分けて記録する

料金と同じくらい重要なのが、処分対象の認識をそろえることです。国民生活センターが紹介した事例では、大切な書類などを残す約束をしていたにもかかわらず、アルバムなどまで処分されたケースがあります。

作業前に、品物を少なくとも次の4種類へ分けておくと確認しやすくなります。

  • 残す:写真、アルバム、重要書類、思い出の品など
  • 処分:明確に不要と判断した物
  • 買取候補:査定を希望する家具、家電、趣味用品など
  • 保留:その場では判断できない物
残す・処分・買取候補・保留の4種類に品物を分けて記録する方法の図解

品名だけでなく、部屋や場所、写真ファイル名、管理番号を一緒に残すと、口頭だけで伝えるより確認しやすくなります。

家庭の不用品は処分方法も確認する

環境省は、家庭の廃棄物を回収するには、市区町村の一般廃棄物処理業の許可または市区町村からの委託が必要と案内しています。産業廃棄物処理業や古物商の許可だけで家庭ごみを回収できるわけではありません。

そのため、見積を比較するときは「許可がありそうだから大丈夫」と自己判断せず、家庭から出る廃棄物をどのような方法で処理するのか、不明な場合は自治体の案内も確認します。家電4品目などは個別のリサイクル方法が定められているため、処分方法を分けて確認してください。

買取額と処分費用を分けて確認する

買取を含む見積では、査定額だけを見るのではなく、どの品物が買取対象なのか、見積総額からどのように差し引かれるのかを確認します。

「買取できなかった場合は処分になるのか」「その場合に追加費用がかかるのか」も事前に確認しておくと、当日の条件変更を整理しやすくなります。

キャンセル・日程変更条件も比較する

契約前には、キャンセルや日程変更の条件、連絡期限、料金の有無を見積書や契約書で確認します。各社で条件が違う場合は、総額とは別の比較項目として記録します。

2〜3社を同じ項目で比較する手順

見積書の用意から質問事項の洗い出しまで2〜3社を比較する手順の図解
  1. 各社の見積書を用意する
  2. 会社名、総額、作業日、作業範囲を記録する
  3. 基本作業と処分項目を「含む・別料金・対象外・記載なし」に分ける
  4. 追加料金が発生する条件を確認する
  5. 残す物・処分物・買取候補・保留を分ける
  6. 処分方法や自治体への確認が必要な項目を洗い出す
  7. 不足している情報を会社別の質問リストにする

契約前の最終チェック

  • 2社以上の見積を同じ項目で比較したか
  • 総額に含まれない作業を確認したか
  • 追加料金が発生する条件を確認したか
  • 残す物と処分物を分けたか
  • 買取候補を処分物と分けたか
  • 家庭ごみの処分方法を確認したか
  • キャンセル・変更条件を確認したか
  • 担当者と連絡先を記録したか

見積書に書いてほしい項目の一覧

見積を比べるときは、口頭の説明ではなく、書面に残った内容で比べます。国民生活センターの見守り情報(2025年10月30日発行)には、電話で依頼して「20万円ぐらい」と聞いていたのに、作業後に30万円と言われ、見積書も受け取っていなかった相談が紹介されています。金額の食い違いを防ぐには、次の項目が見積書に書かれているかを確かめます。

項目書いてほしい内容書かれていないときの確認
作業日・作業時間日付、開始時刻、終わる見込み延長したときの扱いを聞く
作業の範囲部屋・物置・庭など、対象の場所範囲外の物が出たときの扱いを聞く
人数・車両作業する人数、トラックの台数や大きさ増えたときに料金が変わるかを聞く
処分する物品目、おおよその量、処分の方法どこへ運ぶのかを聞く
残す物残す物の置き場所、渡し方一覧を作って渡す
買取買取する品目と金額、差し引きの有無処分費と分けて書いてもらう
追加料金発生する条件と、その場合の単価条件を文章で書いてもらう
支払い支払日、支払方法、前払いの有無領収書の出し方を聞く
キャンセルいつまでなら無料か、解約料の額日付ごとの金額を書いてもらう

表の項目がすべてそろっていなくても、すぐに悪い業者とは言えません。ただ、空いている項目があるときは、質問して答えを書面に書き足してもらうと、あとで比べやすくなります。メールやメッセージでもらった回答も、見積書と一緒に保存しておきましょう。

見積書の総額だけが書かれ、内訳が「一式」になっている場合もあります。その場合は、処分費・作業費・車両費・買取額がそれぞれいくらなのかを聞きます。内訳が分かると、2社目・3社目と同じ物差しで比べられます。

業者の許可を確かめる

遺品整理には、ごみの運搬と、品物の買取という2つの仕事が含まれることがあります。それぞれに関係する許可があるので、見積の段階で確かめておくと安心です。

家庭のごみを運ぶ:一般廃棄物収集運搬業の許可

環境省の手続案内によると、一般廃棄物収集運搬業を営もうとする事業者は、廃棄物処理法第7条第1項にもとづき、市町村の許可を受ける必要があります。家庭から出るごみは一般廃棄物にあたるため、運び出したごみを業者が自分で運ぶ場合は、その市町村の許可を持っているか、市町村から委託を受けているかが確認の目安になります。

国民生活センターの見守り情報でも、廃棄物の処理には市町村の許可が必要で、許可のない業者に頼むと法律違反になるおそれがあると呼びかけています。業者によっては、許可を持つ別の会社に運搬を任せていることもあります。その場合は、どの会社が運ぶのかを聞いておきましょう。

品物を買い取る:古物商の許可

古物営業法第3条では、古物の売買などを営もうとする者は、都道府県公安委員会の許可を受けなければならないと定められています。家具や家電、貴金属などを買い取ってもらう場合は、古物商の許可があるかを確かめます。

同法第12条では、古物商は営業所ごとに標識を掲示すること、また一部の場合を除き、氏名または名称、許可をした公安委員会の名称、許可証の番号をインターネットで公開することが定められています。業者のホームページで許可番号を探し、見つからなければ直接たずねるとよいでしょう。

許可の確認で聞くこと

  • 運び出したごみは、どの会社が、どの許可で運ぶのか
  • 買い取る品物がある場合、古物商の許可番号と、許可をした公安委員会はどこか
  • 許可の番号を見積書や契約書に書いてもらえるか

賃貸の明け渡し期限があるときの段取り

亡くなった方が賃貸住宅に住んでいた場合、部屋を空ける期限が先に決まっていることがあります。期限があると、見積を急いで決めてしまいがちです。国民生活センターの報道発表(2018年7月19日)でも、見積の場で急かされて契約し、あとから解約を申し出たら高額なキャンセル料を請求された事例が紹介されています。期限から逆算して、比べる時間を確保しましょう。

  1. 賃貸借契約書を探し、解約の申し出の時期や、明け渡しの条件を確認する
  2. 管理会社や大家さんに連絡し、明け渡しの希望日と、鍵の返し方を相談する
  3. 貴重品・書類・写真など、残す物を先に取り出す
  4. 2〜3社に見積を頼み、作業日が明け渡し日に間に合うかを聞く
  5. 作業日を決め、当日はできるだけ立ち会う
  6. 作業後に部屋を確認し、管理会社との立ち会い日に備える

期限に間に合わせるためだけに、1社だけで決める必要はありません。見積の依頼は同じ週にまとめて出すと、比べる時間を作りやすくなります。また、郵便物や公共料金、スマホやネットの契約も、明け渡しと同じ時期に整理が必要になることが多いです。手続きの流れは家族が亡くなったときのスマホ・パソコン・ネット契約の整理でまとめています。

なお、相続放棄を考えている場合は、賃貸の解約や部屋の片付けが、次の節で説明する「処分」にあたるかどうかが問題になることがあります。判断に迷うときは、動く前に専門家へ相談しましょう。

相続放棄を考えているときは、処分や売却の前に確認する

裁判所のホームページによると、相続放棄は、自分のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所へ申述します。3か月の間に決められないときは、家庭裁判所に期間の伸長を申し立てることもできます。

ここで気をつけたいのが遺品の扱いです。民法第921条第1号では、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、単純承認をしたものとみなすと定められています(保存行為などは除かれます)。単純承認とみなされると、相続放棄ができなくなるおそれがあります。

どこまでが「処分」にあたるかは、品物の価値や行為の内容によって判断が分かれることがあり、この記事で一律に線を引くことはできません。相続放棄を少しでも考えている場合は、次のような行為の前に、家庭裁判所の案内を確認したり、弁護士や司法書士に相談したりすることをおすすめします。

  • 価値のありそうな品物を売る・買取に出す
  • 家具や家電をまとめて捨てる
  • 預貯金を引き出して片付けの費用にあてる
  • 遺品を親族に分ける

相続放棄をするかどうかがまだ決まっていないときは、遺品整理の業者には「見積だけ」をお願いし、契約や作業は判断が固まってからにする方法もあります。見積書に日付を入れてもらえば、あとで比べ直すときにも役立ちます。

トラブルになったときの相談先

契約や請求に納得できないときは、ひとりで抱えずに相談しましょう。国民生活センターは、遺品整理サービスのトラブルについて、消費生活センターへの相談を呼びかけています。同センターの報道発表(2018年7月19日)によると、全国の消費生活センター等に寄せられた遺品整理サービスの相談は、2013年度の73件から、2016年度には114件、2017年度には105件でした。

どこに相談すればよいか分からないときは、消費者ホットライン「188」に電話します。政府広報オンラインによると、アナウンスに従って郵便番号を入力すると、最寄りの消費生活センター等につながります。受付時間は、平日が9時〜17時、土曜・日曜・祝日が10時〜16時で、年末年始(12月29日〜1月3日)を除きます。通話料がかかり、携帯電話の定額サービスでも別にナビダイヤルの料金が発生すると案内されています。

相談するときは、次のものを手元にそろえておくと話が早く進みます。

  • 見積書・契約書・領収書
  • 業者とのメールやメッセージの記録
  • 作業前と作業後の部屋の写真
  • いつ、だれと、どんな話をしたかのメモ

よくある質問

Q.見積は無料で頼めますか?

見積が無料か、出張費などがかかるかは業者によって違います。依頼する前に、見積の費用がかかるかどうかを聞いておくと安心です。

Q.見積のときに、その場で契約しないといけませんか?

その場で決める必要はありません。国民生活センターは、複数の事業者から見積を取るなど、事業者の選び方は慎重にするよう呼びかけています。「今日決めれば安くなる」と言われても、ほかの見積と比べてから決めましょう。

Q.作業の日に立ち会えないときはどうすればよいですか?

国民生活センターは、大切な遺品が処分されないよう、作業に立ち会うことをすすめています。立ち会えないときは、残す物をまとめて別の部屋に移したり、写真つきの一覧を業者に渡したりして、作業前と作業後の写真を送ってもらうよう頼んでおきましょう。

Q.実家が遠く、何から始めればよいか分かりません。

まず、貴重品や書類など残す物を探し、そのあとで業者に見積を頼む流れが進めやすいです。片付けの順番は実家の片付けは何から?で詳しく説明しています。

Q.相続放棄をするかもしれません。片付けを進めてもよいですか?

民法では、相続財産を処分すると単純承認をしたものとみなされる場合があります。どこまで片付けてよいかは状況によるため、家庭裁判所の案内を確認するか、弁護士・司法書士に相談してから進めましょう。

遺品整理の前後で、相続の手続きにも期限があります。実家を相続したときに、期限の早い順にやることは「実家の相続手続き、期限の順番は?3か月から3年・空き家売却まで」にまとめています。

遺品整理とあわせて確認したい関連記事

遺品整理では、料金だけでなく「何をするか」「何を残すか」「何を処分するか」を事前にそろえることが重要です。見積書に書かれていない点を契約前に質問し、作業当日に認識がずれない状態を作っておきましょう。

あわせて読みたい:故人の携帯電話の解約と承継|ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイル別の必要書類と、解約の前にやること

参考情報・出典

⚡ いま読まれているトレンド

→ トレンド記事をもっと見る

コメント

タイトルとURLをコピーしました