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Windows 10/11でファイル履歴が動かない不具合|Windows 11はKB5124010で修正済み、Windows 10(KB5122878)は対応中

ケーブルをつないだ状態の白いポータブル外付けハードディスク

修正は出たのか(2026年10月4日時点の一次情報)
Windows 11(26H2/25H2/24H2)は修正済みです。米国時間2026年9月22日公開のKB5124010の修正一覧に「[File History (known issue)] Fixed:」として記載があり、KB5124008のサポートページの解決欄も「2026年9月22日以降にリリースされたWindows更新プログラム(KB5124010など)で解決」に変わっています。
Windows 10(22H2/21H2)はまだ修正されていません。KB5122878のサポートページの解決欄は2026年10月4日時点でも「将来のWindows更新プログラムで対応中」のままです。
内訳と適用手順は「2026年9月22日:Windows 11向けに修正が出た(KB5124010)」で整理します。

日本時間2026年9月9日に配信されたWindowsの月例更新を適用したあと、標準のバックアップ機能「ファイル履歴」が動かなくなったという報告が出ています。名前が挙がっているのは、Windows 11 25H2/24H2向けのKB5124008と、Windows 10 22H2向けのKB5122878です。

報告されている症状は共通しています。ファイル履歴の画面は開くのに、そこから先へ進まない。バックアップ先のドライブは接続されていて読み書きもできるのに、ドライブをつなぐよう求める表示が出たままになる。ドライブを挿し直しても変わらない、というものです。

やっかいなのは、この不具合がエラーとして目立たない点です。ファイル履歴は普段、裏側で静かに動いています。止まっても警告が前面に出るわけではないので、気づかないまま直近の変更がどこにも保存されていない状態が続きます。バックアップは、必要になった日に初めて結果が分かる機能です。

この記事では、2026年10月4日時点で確認できるマイクロソフトの一次情報だけを使い、対象の更新の中身、自分のPCが対象かの確認手順、ファイル履歴が本当に止まっているかを確かめる方法、対処の選択肢とその副作用を整理します。マイクロソフトはこの不具合を既知の問題として認定しており、Windows 11は米国時間2026年9月22日のKB5124010で修正済み、Windows 10は2026年10月4日時点でも対応中という状態です。あわせて、この報告が実は9月に始まったものではないことも見ておきます。

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対象として名前が挙がっている更新プログラム

まず、9月の月例更新そのものを確認します。マイクロソフトのサポートページで公開日とビルド番号を確認できます。

OSKB番号適用後のビルド公開日既知の問題にファイル履歴の記載
Windows 11 25H2KB512400826200.9445米国時間2026年9月8日あり(KB5124010で解決済み)
Windows 11 24H2KB512400826100.9445米国時間2026年9月8日あり(KB5124010で解決済み)
Windows 10 22H2KB512287819045.7725米国時間2026年9月8日あり(対応中)
Windows 10 21H2KB512287819044.7725米国時間2026年9月8日あり(対応中)
Windows 11 24H2/25H2(.NET Framework 3.5・4.8.1)KB5126052OSのビルド番号は変わらない米国時間2026年9月8日なし
Windows 10 22H2/21H2(.NET Framework 3.5・4.8・4.8.1)KB5126146OSのビルド番号は変わらない米国時間2026年9月8日なし

下の2行は、検索でこの不具合と一緒に名前が挙がることがあるKB5126052とKB5126146です。この2つはWindows本体の更新ではなく、.NET Framework 3.5・4.8.1の累積更新(Windows 11 24H2/25H2向け)と.NET Framework 3.5・4.8・4.8.1の累積更新(Windows 10 22H2/21H2向け)で、どちらも既知の問題の欄は「Microsoft is not currently aware of any issues in this update.(この更新に関する問題は現時点で認識していない)」です。ファイル履歴に関する記載はありません。この2つの番号がファイル履歴と並んで出てくるのは、同じ月に当てた更新をすべて列挙したコミュニティの投稿タイトルの中だけで、マイクロソフトが対象として挙げているわけではありません。

日本時間では9月9日の配信です。どちらもセキュリティ更新で、この月の更新にはすでに悪用が確認されている脆弱性の修正が2件含まれています。この点は後の「対処の選択肢」に直結します。

Windows 10 22H2は2025年10月に一般向けサポートが終了しているため、KB5122878が届くのは拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)に登録しているPCだけです。登録していないPCには、そもそもこの更新は入っていません。

報告されている症状は3つに分かれる

自宅のノートパソコンの前で頭を抱える人

マイクロソフト自身が運営するMicrosoft Q&AとMicrosoft Community Hubに、9月8日付で同じ内容の投稿が出ています。書かれている症状を分解すると、次の3つです。

1. ファイル履歴を開くと、接続済みのドライブに対して接続を求められる

投稿者は3台のPCで同じ症状が出たと書いています。ファイル履歴のパネルは開くものの動作せず、外付けドライブが接続されていて読み書きできることを確認済みなのに、ドライブをつなぐよう促す表示(英語環境では「connect a drive」)が出続けるという内容です。日本語で紹介している記事では「ドライブを再接続してください」という趣旨の表示として説明されています。

2. 最終バックアップ日時が更新されず、「以前のバージョン」も出ない

新しく作成・保存したWord文書や画像、動画をファイルのプロパティから「以前のバージョン」で見ても、利用できる以前のバージョンがない、と表示されるという報告です。画面上はファイル履歴が有効なのに、中身が更新されていません。

3. 設定ファイルだけが作られ、実データが入らない

同じスレッドのコメントでは、バックアップ先にConfigurationフォルダーとConfig1.xml/Config2.xmlは作られるのに、Dataフォルダーが空のままだと報告されています。ファイル履歴をオフにしようとしてもオフにできず、ドライブの変更や使用停止の選択肢も出ない、とも書かれています。別の投稿では、設定フォルダーにInconsistentStateという項目ができていたことが報告されています。

3番目は、「バックアップ先のフォルダーがあるから動いているだろう」という判断が通用しない形の止まり方です。

自分のPCが対象の更新を適用済みか確認する

ノートパソコンのキーボードを操作する手元

確認方法は3通りあり、どれか1つで足ります。

設定から確認する

Windows 11は「設定 → Windows Update → 更新の履歴」、Windows 10は「設定 → 更新とセキュリティ → Windows Update → 更新の履歴を表示する」を開きます。品質更新プログラムの一覧に「KB5124008」または「KB5122878」があれば適用済みです。

ビルド番号で確認する

「Windowsキー + R」を押してwinverと入力します。表示されたビルド番号が上の表の値になっていれば、その更新が入っています。25H2なら26200.9445、24H2なら26100.9445、Windows 10 22H2なら19045.7725です。

PowerShellで確認する

一覧をたどらずに調べたい場合は、PowerShellで次のように実行します。

Get-HotFix | Where-Object { $_.HotFixID -eq "KB5124008" }

Windows 10ならKB5124008の部分をKB5122878に置き換えます。1行返れば適用済み、何も返らなければ入っていません。

ファイル履歴が本当に止まっているかを確かめる4つの場所

対象の更新が入っていても、全員に症状が出ているわけではありません。報告数は限られており、被害の範囲は分かっていません。だからこそ、自分の環境で実際に動いているかどうかを確認する必要があります。見る場所は4つあります。

1. コントロールパネルの最終コピー日時

Windows 11でもWindows 10でも、ファイル履歴の設定はコントロールパネルにあります。「コントロールパネル → システムとセキュリティ → ファイル履歴」を開くと、最後にファイルがコピーされた日時が表示されます。ここが9月9日より前の日付で止まっていれば、その時点から動いていない可能性があります。

2. バックアップ先ドライブのDataフォルダー

ファイル履歴は、バックアップ先のドライブ直下にFileHistory\<ユーザー名>\<PC名>\というフォルダーを作り、その下にConfigurationとDataを置きます。実際のファイルはDataの中に入ります。ここが空、あるいは中の最新ファイルの更新日時が古いままなら、設定だけが残って中身が更新されていない状態です。報告されている症状そのものです。

3. イベントログ

ファイル履歴は専用のイベントログを持っています。イベントビューアーで「アプリケーションとサービス ログ → Microsoft → Windows → FileHistory-Engine」を開くか、PowerShellで次を実行します。

Get-WinEvent -LogName "Microsoft-Windows-FileHistory-Engine/BackupLog" -MaxEvents 20

直近の記録が9月9日で途切れていれば、その日から動いていません。なお、記録が0件の場合は「ファイル履歴を一度も使っていない」場合も含むため、それだけでは不具合とは判断できません。

4. 実際のファイルで試す

いちばん確実なのは、バックアップ対象のフォルダー(ドキュメントなど)にあるファイルを少し編集して保存し、しばらく待ってからそのファイルを右クリックして「プロパティ → 以前のバージョン」を見ることです。編集前の版が出てくれば動いています。何も出てこなければ、記録が残っていません。

マイクロソフトの公式見解として確認できること

ここは事実と推測を分けておく必要があります。状況は9月中に動いたので、当初(2026年9月10日時点)と、その後に変わった点を分けて書きます。まず、当初確認できたのは次の内容でした。

  • KB5124008のサポートページの「Known issues」欄には、「Microsoft is not currently aware of any issues with this update.(この更新に関する問題は現時点で認識していない)」と書かれています
  • Windows リリース正常性のWindows 11 24H2/25H2の既知の問題一覧(9月9日更新時点)にも、ファイル履歴の項目はありません。載っているのは、ARM機でTeamsとOutlookが起動しない問題、非英語環境でマウスカーソル設定が戻る問題、壁紙が黒くなる問題(いずれもKB5124008で解決済み)ほか2件です
  • Windows 10 22H2の既知の問題一覧に載っているのは、Defenderが無効という誤通知1件だけです
  • 8月の同種の報告に対しては、Microsoft Independent Advisorの立場の回答者が「マイクロソフトはこれを既知の不具合として公式に認めていない」「該当KBのリリースノートにも既知の問題の記載はない」と回答し、Feedback Hubからの報告を勧めています

つまり9月10日の時点では、ユーザー側からの報告は複数あるのに、マイクロソフトによる不具合の認定がまだ無い、という状態でした。ここがその後に変わります。

2026年9月20日時点:マイクロソフトが既知の問題として認定

その後、マイクロソフトのサポートページに既知の問題(Known issues)として追記されました。2026年9月20日に確認した時点で、KB5122878(Windows 10 22H2/21H2)とKB5124008(Windows 11 24H2/25H2)の両方のページに、「File History might stop working after installing September 2026 Windows update(2026年9月のWindows更新プログラムの適用後、ファイル履歴が動作しなくなる場合がある)」という項目が載っています。症状の説明文は両ページで共通で、どちらも起点としてKB5124008を挙げています。

公式が挙げている症状は、この記事の前半で整理した報告内容とおおむね一致します。

公式が挙げている症状自分の環境で確認する場所
ファイル履歴でバックアップの作成・更新ができなくなる場合があるコントロールパネル → システムとセキュリティ → ファイル履歴
互換性のあるバックアップドライブが接続され正常に動作していても、「ドライブを再接続してください(Reconnect your drive)」と誤って表示されることがある同上
「最終バックアップ(Last Backup)」の日時が更新されないことがある同上
以前にバックアップしたファイルが「以前のバージョンはありません(No previous version available)」と表示されることがあるファイルを右クリック → プロパティ → 以前のバージョン
場合により、FileHistory.exeとKERNELBASE.dllを参照するアプリケーションクラッシュのイベントが記録されることがあるイベントビューアー

最後の行は、ユーザー報告をまとめた前半には出てこなかった情報です。前半で挙げた確認場所の3番目はFileHistory-Engineの専用ログでしたが、公式が書いているのはそれとは別の、アプリケーションのクラッシュとして記録されるイベントです。イベントビューアーでFileHistory.exeやKERNELBASE.dllという名前が出ているクラッシュが残っていれば、自分の環境で起きているのがこの不具合だと判断する材料になります。公式の記載は「場合により(In some cases)」なので、記録が無いからといってこの不具合ではない、とは言えません。

逆に、前半で見た3つ目の症状(バックアップ先にConfigurationだけが作られ、Dataフォルダーが空のまま)は、公式の症状説明には含まれていません。同じ更新が起点でも、掲示板の報告のほうが範囲は広い、ということになります。

そして、解決(Resolution)欄に書かれているのは「Microsoft is working on a resolution for this issue in a future Windows update and will provide more information when it is available.」の1文だけです。将来のWindows更新プログラムで対応中で、詳細は分かり次第案内する、という意味になります。2026年9月20日時点で、修正を含む更新プログラムのKB番号も、提供時期も示されていません。公式の回避策(workaround)も示されていません。

つまり9月20日の時点では、「不具合は公式に認定された。ただし修正はまだ配られていない」という段階でした。この状況は、Windows 11については2026年9月22日に変わります。次の項で整理します。

なお、ファイル履歴そのものは、マイクロソフトが公開している「非推奨機能の一覧」には掲載されていません。同じバックアップ系でも、フルディスクバックアップの「バックアップと復元(Windows 7)」はWindows 10 1709の時点で非推奨に分類されていますが、ファイル履歴はその一覧にありません。機能として廃止予定というわけではない、ということです。

2026年9月22日:Windows 11向けに修正が出た(KB5124010)

米国時間2026年9月22日に公開されたKB5124010で、この不具合はWindows 11向けに修正されました。サポートページの見出しは「September 22, 2026—KB5124010 (OS Builds 26300.9550, 26200.9550, and 26100.9550) Preview」で、対象はWindows 11 26H2・25H2・24H2です。

同ページの修正一覧には、次の1項目が入っています。

[File History (known issue)] Fixed: This update addresses an issue where File History might fail to back up or restore files to an external drive or network location. Affected devices might incorrectly display a “Reconnect your drive” message even when a compatible backup drive is connected and working properly.

要約すると、外付けドライブやネットワーク上の場所へのバックアップ・復元が失敗する問題と、互換性のあるバックアップドライブが正しく接続されていても「ドライブを再接続してください」と誤って表示される問題を修正したという内容です。見出しに「(known issue)」と添えられており、前項の既知の問題に対応する修正であることが分かる書き方になっています。

あわせて、起点側のKB5124008(Windows 11 24H2/25H2)のサポートページも、既知の問題の解決欄が「This issue is resolved in Windows updates released on and after September 22, 2026 such as KB5124010.(2026年9月22日以降にリリースされたWindows更新プログラム、たとえばKB5124010で解決済み)」に書き換わっています。

一方でWindows 10側は、2026年10月4日時点でも修正が確認できません。KB5122878(Windows 10 22H2/21H2)のサポートページの同じ既知の問題は、解決欄が「Microsoft is working on a resolution for this issue in a future Windows update and will provide more information when it is available.(将来のWindows更新プログラムで対応中。分かり次第案内する)」のままで、修正を含むKB番号も提供時期も書かれていません。公式の回避策も示されていません。OSごとの現状は次のとおりです。

OS2026年10月4日時点の状態確認したページ
Windows 11 26H2/25H2/24H2修正済み(米国時間2026年9月22日・KB5124010)KB5124010の修正一覧/KB5124008の解決欄
Windows 11 23H2既知の問題一覧に項目なしWindows 11 23H2の既知の問題一覧
Windows 10 22H2/21H2対応中(修正のKB番号・提供時期とも未記載)KB5122878の解決欄

Windows 11 23H2については、Windows 11 23H2の既知の問題一覧にファイル履歴の項目がありません。もともとこの不具合は、Windowsリリース正常性(release health)の既知の問題一覧ではなく、各更新プログラムのサポートページの「Known issues in this update」欄に載っているものです。2026年10月4日に確認した時点でも、Windows 11 24H2とWindows 10 22H2のリリース正常性のページにはファイル履歴の行はありません。既知の問題を探すときは、当てたKBのサポートページ側を見る必要があります。

なお、Windows 10のサポートページに載っている症状の説明文は、起点としてKB5124008(Windows 11向けのKB番号)を挙げたままになっています。Windows 10のページにWindows 11のKB番号が書かれているので紛らわしいのですが、症状の内容はWindows 11側と同一の文面です。

オプション更新を入れていないWindows 11で、この修正がいつ自動で届くかについては、公式ページに具体的な日付の記載はありません。KB5124010の「Install this update」欄に書かれているのは、Windows Updateでは「設定 → Windows Update → 詳細オプション → オプションの更新プログラム」から自分で選んで入れる導線だけで、Windows Update for Business向けの欄に「These changes will appear in the next security update(これらの変更は次のセキュリティ更新プログラムに含まれる)」と記載されています。通常の月例更新で届く日付は公式に明記されていないため、待つ場合の目安として日付を示すことはできません。

報告は9月に始まったわけではない

ここが、9月の更新だけを見ていると見落とす点です。マイクロソフトのコミュニティを日付順にたどると、ファイル履歴が動かないという報告は9月より前から続いています。

報告日名指しされている更新・環境報告されている症状
2026年5月20日Windows 11 25H2(ビルド26200.8457)「オンにする」を押しても無反応で有効化できない
2026年8月16日KB5101684(Windows 11)/KB5120249(Windows 10)最終バックアップ日時が更新されない、以前のバージョンが出ない
2026年9月7日KB5101684/KB5120249/KB5120998同上。ドライブを選び直すと一時的に戻る
2026年9月8日KB5124008/KB5122878 ほかドライブが接続済みなのに接続を求められる

8月16日の投稿で名前が挙がっているKB5101684は、マイクロソフトのサポートページによれば2026年7月28日公開のWindows 11向け更新です。9月7日の投稿への返信では、7月15日の更新が起点だという見方も書かれています。

この並びから読み取れることは2つあります。

1つは、9月の更新をアンインストールしても直らない可能性があるということです。症状が7月や8月の更新から続いているなら、9月分だけを外しても起点は残ります。実際、9月8日の投稿者は「KB5124008をアンインストールして3台とも解消した」と書いていますが、8月時点の報告者は別のKBを起点として挙げています。同じ「ファイル履歴が動かない」という見た目でも、原因が1つとは限りません。

もう1つは、この不調が短期の回帰ではなく、数か月にわたって未認定のまま続いていたということです(9月20日時点では、後述のとおり公式に認定されています)。9月8日の投稿には、バックアップ先のFileHistoryフォルダーを削除しても直らなかったとも書かれています。

なお5月の投稿には、レジストリの値の欠落が原因だとして、値を書き戻す手順が投稿者自身によって示されています。ただしこれはマイクロソフトが案内した手順ではありません。掲示板のレジストリ操作を、切り分けもせずに実行することは勧められません。

対処の選択肢と、それぞれの副作用

対処は4つあります。Windows 11なら、まず修正が入った更新を適用する選択肢0が本線です。Windows 10では選択肢0が使えないため、残る3つから選ぶことになります。どれにも副作用があります。断定的におすすめするものではなく、判断材料として並べます。

選択肢0:修正が入った更新を適用する(Windows 11のみ)

対象はWindows 11 26H2・25H2・24H2です。「設定 → Windows Update → 詳細オプション → オプションの更新プログラム」を開き、KB5124010(またはそれ以降の更新)があれば選んで適用します。winverのビルド番号が26300.9550/26200.9550/26100.9550以上になっていれば、修正が入った更新が適用済みです。Windows Update for Business環境では、公式に「次のセキュリティ更新プログラムに含まれる」と記載されています。

副作用は2つあります。1つは、KB5124010がプレビュー(オプション)更新だという点です。セキュリティ更新ではなく品質改善のための更新で、自動では入らず自分で選んで適用する扱いになっています。

もう1つは、KB5124010自身に別の既知の問題があることです。同ページの「Known issues in this update」には、AC-3(Dolby Digital)音声のデコードを使うアプリが起動しない、または使用中に突然閉じることがある、と記載されています。解決欄は「将来のWindows更新プログラムで対応中」で、2026年10月4日時点では直っていません。該当しやすいのは、Windows内蔵の音声デコードに依存している古いゲームやメディアプレーヤーなどで、多くの新しいアプリは自前のデコーダーを持つため影響を受けないとも書かれています。ファイル履歴を直す代わりに、この問題を引き受ける形になります。

Windows 10ではこの選択肢がとれません。修正が未提供であることに加えて、Windows 10は一般の延長サポート終了後、プレビュー(オプション)更新の配信そのものが止まっています。サポートページの更新履歴で確認できる最後のプレビュー更新は2025年9月25日のKB5066198で、2026年に入ってからは月例のセキュリティ更新と随時の帯域外(Out-of-band)更新しか出ていません。修正が届くとしても、オプション更新ではなくそれらに含まれる形になります。

選択肢1:バックアップ先のドライブを選び直す

コントロールパネルのファイル履歴で、いったん使用をやめて同じドライブを選び直す方法です。9月7日の報告では、これで一時的に戻ったとされています。更新プログラムには手を触れないため、副作用はもっとも小さい方法です。ただし「一時的」と書かれている点には注意が必要です。

選択肢2:更新プログラムをアンインストールする

「設定 → Windows Update → 更新の履歴 → 更新プログラムをアンインストール」から該当のKBを削除する方法です。9月8日の投稿では、これで3台とも解消したとされています。ただし副作用は2種類あります。

セキュリティ面では、9月の更新の修正がすべて外れます。この月の更新には、すでに悪用が確認されている脆弱性の修正が2件含まれており、これらが未修正の状態に戻ります。

不具合面では、KB5124008で解決した3件(ARM機でのTeams・Outlookの起動不可、非英語環境でのマウスカーソル設定のリセット、壁紙が黒くなる現象)も一緒に戻ります。日本語環境のWindowsは「非英語環境」に該当するため、マウスカーソルの問題は他人事ではありません。

さらに、そのままでは自動更新で再インストールされます。避けるには「更新の一時停止」を併用することになり、その間は以後の更新も止まります。Windows 10でESUに登録しているPCなら、費用を払って延長したセキュリティ更新を、バックアップ機能のために外す判断になります。

選択肢3:更新は残し、当面のバックアップを別手段に切り替える

ファイル履歴が復旧するまでの間、重要なファイルだけを別ドライブへ手動でコピーする、または世代管理ができる別の手段を併用する方法です。セキュリティ修正は保持したまま、バックアップの空白だけを埋められます。

注意したいのは、OneDriveやGoogleドライブへの同期がファイル履歴の完全な代わりにはならない点です。同期は今の状態を映す仕組みなので、誤って上書きや削除をすると、その操作もクラウド側へ反映されます。この違いは以前の記事で整理しています。

今回の月例更新の中身そのものと、Windows 10のESUについては、それぞれ別の記事で扱っています。

よくある質問

Q. 更新を入れた全員に症状が出るのですか。

いいえ。報告されているのは一部の環境です。件数や条件は公表されておらず、この記事の時点で被害の範囲は分かっていません。だからこそ、自分の環境で動いているかを実際に確認する意味があります。

Q. マイクロソフトは不具合として認めていますか。

認めています。KB5122878とKB5124008の両方のサポートページに、既知の問題として「File History might stop working after installing September 2026 Windows update」が掲載されています。当初(9月10日時点)は認定されていませんでしたが、9月20日までに追記されました。

Q. 修正はもう配られていますか。

Windows 11は配られています。米国時間2026年9月22日のKB5124010(Windows 11 26H2/25H2/24H2)の修正一覧にファイル履歴の項目があり、KB5124008の解決欄も「2026年9月22日以降にリリースされたWindows更新プログラムで解決」に変わりました。Windows 10は2026年10月4日時点でも、KB5122878の解決欄が「将来のWindows更新プログラムで対応中」のままで、修正のKB番号も提供時期も示されていません。公式の回避策も示されていません。

Q. ファイル履歴の画面はどこにありますか。

Windows 11でもWindows 10でも、コントロールパネルの「システムとセキュリティ」の中にあります。設定アプリの中には見当たらないため、なくなったと誤解されることがあります。

Q. 更新をアンインストールすれば確実に直りますか。

確実とは言えません。9月8日の報告ではこれで解消していますが、同じ症状は7月・8月の更新を起点とする報告も出ています。9月分を外しても改善しない場合があります。

Q. しばらく様子を見たいのですが、その間どうすればよいですか。

重要なファイルを別のドライブへ手動でコピーしておくのが、副作用のない方法です。バックアップの空白を作らないことが目的なので、完全な自動化にこだわる必要はありません。

まとめ

  • 日本時間2026年9月9日配信の月例更新(Windows 11はKB5124008、Windows 10はKB5122878)を適用後、ファイル履歴が動かなくなったという報告がマイクロソフトのコミュニティに出ています
  • 症状は、接続済みのドライブに対して接続を求められる、最終バックアップ日時が更新されない、設定ファイルだけ作られてDataフォルダーが空になる、の3系統です
  • マイクロソフトはこれを既知の問題として認定しており、KB5122878とKB5124008の両方のサポートページに掲載されています
  • Windows 11(26H2/25H2/24H2)は、米国時間2026年9月22日公開のKB5124010で修正済みです。KB5124008の解決欄も「9月22日以降にリリースされたWindows更新プログラムで解決」に変わっています
  • Windows 10(22H2/21H2)は2026年10月4日時点でも対応中で、修正のKB番号・提供時期・公式の回避策はいずれも示されていません
  • KB5124010はプレビュー(オプション)更新で、それ自身にもAC-3音声のデコードを使うアプリが突然閉じる既知の問題が残っています
  • 検索で一緒に名前が挙がるKB5126052・KB5126146は.NET Frameworkの累積更新で、既知の問題にファイル履歴の記載はありません
  • 適用済みかどうかは、更新の履歴、winverのビルド番号、Get-HotFixのいずれかで確認できます
  • 動いているかどうかは、コントロールパネルの最終コピー日時、バックアップ先のDataフォルダー、イベントログ、実ファイルの「以前のバージョン」の4か所で確認できます
  • 同じ症状は2026年8月時点でも別のKBを起点として報告されており、9月分をアンインストールしても直らない可能性があります
  • アンインストールを選ぶ場合、悪用が確認済みの脆弱性2件の修正と、KB5124008で直った3件の不具合修正が同時に外れます

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参考情報・出典

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