日本年金機構が2026年9月1日(火曜)から、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」の発送を始めています。同機構の「令和8年度の年金生活者支援給付金請求書(はがき型)の送付について」(更新日2026年9月1日)には、「基礎年金を受給している方で、新たに年金生活者支援給付金を受け取ることができる方へ、年金生活者支援給付金請求書(はがき型)を令和8年9月1日(火曜)から順次送付します」と書かれています。
この給付金は、条件を満たしていれば自動的に振り込まれるものではありません。届いたはがきを出して初めて受け取りが始まります。そして提出が遅れると、受け取れる月数がまるごと減ります。
自分が65歳以上の年金受給者である人はもちろん、離れて暮らす親や祖父母がいる人にとっても、「緑の封筒が家に置きっぱなしになっていないか」を確認する価値がある時期です。この記事では、日本年金機構の公式ページで文字として確認できる内容だけを使って、期限・金額・手続きを整理します。
何が届くのか:緑の封筒とはがき1枚
日本年金機構の「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」(更新日2026年9月1日)には、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が入った緑の封筒がお手元に届きます」と記載があります。封筒の色まで公式に明示されているので、家の中を探すときの目印になります。
送付の対象になるのは、基礎年金を受給していて、新たに給付金を受け取れるようになった人です。すでに給付金を受け取っている人には送られません。また、支給要件に該当するか機構側で確認できない人には、はがき型ではなく「請求書(A4型)」と、所得情報を確認するための「所得状況届」が送られます。届いたものがはがきか封書かで、次にすべきことが変わります。
なお、このはがき型請求書の送付は今年だけの特別な措置ではなく、公式ページには「毎年9月の第1営業日から順次送付しています」と書かれています。毎年この時期に発送される定例の手続きです。
期限は2027年1月4日|「遅れるほど減る」の正確な意味
いちばん重要なのが提出期限です。日本年金機構のQ&A「手続きが遅れると年金生活者支援給付金は受け取れなくなりますか。」(更新日2026年9月1日)には、次のように書かれています。
はがきに記載している提出期限を過ぎても、手続きは可能です。支給要件に該当する方が、令和9年1月4日(月曜)までに日本年金機構へ届くよう手続きした場合、さかのぼって令和8年10月分から年金生活者支援給付金を受け取ることができます。ただし、令和9年1月4日(月曜)までに届かなかった場合は、請求した月の翌月分からの受け取りとなりますので、お早めにご提出ください。
令和9年1月4日は2027年1月4日、令和8年10月分は2026年10月分のことです。ここから読み取れる要点は3つあります。
- 2027年1月4日までに届けば、9月中に出しても12月に出しても受け取れる月数は同じです。2026年10月分にさかのぼって支給されます。この期間内であれば、1カ月遅れたから1カ月分減る、という減り方はしません。
- 2027年1月4日を過ぎると、さかのぼりがなくなります。請求した月の翌月分からの支給に切り替わるため、2026年10月分から請求月までの分は受け取れません。減るのは1カ月分ではなく、期限を越えた時点で数カ月分がまとめて対象外になります。
- 期限を過ぎても手続き自体はできます。「もう遅いから」と諦めて放置すると、その後の分まで受け取れないままになります。
はがきそのものに記載されている提出期限は、この1月4日より前に設定されています。はがきの期限を過ぎていても手続きできる、というのが上のQ&Aの趣旨です。ただし郵送には日数がかかり、電子申請でも審査があります。「1月4日に投函すれば間に合う」という読み方は危険です。年末年始をまたぐことも考えると、年内、できれば秋のうちに出しておくのが安全です。
いくら受け取れるのか
2026年度(令和8年度)の給付基準額は、日本年金機構の「令和8年4月分からの年金額等について」(更新日2026年4月1日)に掲載されています。
| 給付金の種類 | 令和8年度(月額) | 令和7年度(月額) |
|---|---|---|
| 老齢年金生活者支援給付金 | 5,620円 | 5,450円 |
| 障害年金生活者支援給付金(1級) | 7,025円 | 6,813円 |
| 障害年金生活者支援給付金(2級) | 5,620円 | 5,450円 |
| 遺族年金生活者支援給付金 | 5,620円 | 5,450円 |
同ページには「年金生活者支援給付金の給付基準額は、物価の変動に応じて、毎年度改定を行う仕組みとなっており、令和8年度は令和7年度から3.2%の増額改定となります」と説明されています。
ここで誤解しやすいのが、5,620円は「基準額」であって、全員がこの金額をもらえるわけではないという点です。公式ページにも「基準額であり、実際の金額は保険料納付済期間や保険料免除期間等に応じて算出されますので、支給金額は3.2%の増額とならない場合があります」と注記されています。
老齢年金生活者支援給付金の計算式は、「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」(更新日2026年4月1日)に次のように示されています。
- (1)保険料納付済期間に基づく額(月額)=5,620円×保険料納付済期間÷480月
- (2)保険料免除期間に基づく額(月額)=11,768円×保険料免除期間÷480月
この(1)と(2)の合計が支給額です。公式ページの計算例では、納付済期間240カ月・全額免除期間60カ月の場合、5,620円×240÷480=2,810円、11,768円×60÷480=1,471円で、合計4,281円(月額)となっています。
つまり満額の5,620円になるのは、保険料納付済期間が480カ月(40年)ある場合です。実際にいくらになるかを一番確実に知る方法は公式に用意されていて、「送付している年金生活者支援給付金請求書(はがき型)に、請求した場合に支給される見込額(月額)を記載していますのでご確認ください」と案内されています。届いたはがきに、自分の見込額が印字されています。
対象になるのは、3つの条件をすべて満たす人
老齢年金生活者支援給付金の支給要件は、次の3つです(いずれも公式ページの記載)。
- 65歳以上で、老齢基礎年金を受けている
- 請求する方の世帯全員の市町村民税が非課税となっている
- 前年の年金収入額とその他の所得の合計が、昭和31年4月2日以後生まれの方は809,000円以下、昭和31年4月1日以前生まれの方は806,700円以下である
3つ目をわずかに超えた人向けには「補足的老齢年金生活者支援給付金」があり、昭和31年4月2日以後生まれの場合は809,000円を超え909,000円以下、それ以前の生まれの場合は806,700円を超え906,700円以下の人に支給されます。所得が基準を少し上回ったところで支給がゼロになるのではなく、段階的に調整される仕組みです。
なお、要件の判定に使う年金収入額には、障害年金・遺族年金などの非課税収入は含まれません。「年金を受け取っているから所得が多いはず」と自己判断で対象外と決めてしまうのは早計です。
提出方法は2つだけ

公式に案内されている提出方法は、電子申請と郵送の2つです。
電子申請は、令和7年(2025年)1月以降にはがき型請求書が届いた人が利用できます。手続き方法は封筒に同封されているリーフレットに記載があり、日本年金機構のサイトでは申請前の準備から提出完了までの手順を動画でも説明しています。電子申請で提出した場合、郵送は不要です。
郵送の場合は、はがきに氏名などを記入し、同封の目隠しシールを貼り、切手を貼って郵便ポストに投函します。切手が必要な点は見落としやすいので注意してください。
封筒や請求書を紛失した場合は、日本年金機構のサイトから「年金生活者支援給付金請求書(A4型)」をダウンロードし、必要事項を書いて最寄りの年金事務所に提出します。捨ててしまっても手続きの道は残っています。
成年後見人等が代わりに手続きする場合は、請求書面の「氏名」欄に年金受給者の氏名、「電話番号」欄に成年後見人等の電話番号、あて名面の「差出人」欄に成年後見人等の住所・氏名(「成年後見人 ○○ ○○」のように成年後見人等であることがわかる形)を書く、と公式に案内されています。
振り込みはいつになるか
提出後の流れも公式に説明があります。制度概要ページには、請求書の提出から1〜2カ月後に「年金生活者支援給付金 支給決定通知書」が届く、と記載されています。
支払いのタイミングについては、Q&A「年金生活者支援給付金の振り込みはいつですか。」に次のように書かれています。原則として年6回に分けて、偶数月の15日に年金と同じ受取口座へ、年金とは別途支払われます。15日が土日祝日のときは直前の金融機関営業日です。各支払月には原則としてその前月までの2カ月分が支払われ、例として「12月には、10月分および11月分の年金生活者支援給付金をお支払いします」と示されています。
年金の振込額そのものが増えるわけではなく、別の入金として通帳に並ぶ点は、家計を管理するうえで知っておくと混乱しません。
翌年以降については、Q&A「年金生活者支援給付金を受け取るためには、毎年、手続きが必要ですか。」に、引き続き支給要件を満たしている場合は「翌年以降のお手続きは原則不要です」と書かれています。毎年度、前年の所得情報等に基づいて継続支給の判定が行われ、その結果は毎年10月分(12月支払)から1年間反映されます。今回1回出せば、条件が変わらない限り毎年出し直す必要はありません。
「給付金が戻ります」という電話には応じない

給付金の話題が出る時期は、それを口実にした詐欺も動きます。日本年金機構は「日本年金機構の職員や委託事業者などと称して、現金を詐取する『不審な電話や訪問』にご注意ください」(更新日2025年1月17日)で、実際に寄せられた手口と、機構が絶対にしないことを公表しています。
同ページに書かれている「機構がしないこと」は、次のとおりです。
- 電話や訪問により、預貯金額や口座番号、職業や家族構成などの個人情報を聞くことはない
- 銀行口座番号や振込先などを聞くことはなく、ATMの操作や現金の振り込みを指示することもない
- 公的年金の手続きや年金証書などの再発行に手数料は一切かからず、職員が代行で手続きを行うこともない
- LINEで手続きの案内をすることはない(日本年金機構の公式LINEアカウントは存在しない)
- 職員や委託事業者が訪問する際は、必ず写真付き身分証明書を携行して提示する
事例として、「『保険料の納めすぎによる還付金があります』『給付金が戻るので手続きするように』などと近くのATMに行くよう指示された」というケースが挙げられています。今回の請求はがきは、この手口が刺さりやすいタイミングです。また同機構は、「国民年金機構」「日本年金機構特別窓口」「保険年金事務所」「国民年金センター」「給付センター」といった、紛らわしい名称が使われている事例も公表しています。
心当たりのない電話や訪問があったら、即答を避け、相手の名前・所属・電話番号を確認していったん電話を切り、最寄りの年金事務所に問い合わせるのが公式の推奨手順です。
離れて暮らす親の電話が心配な場合は、固定電話の国際電話を無料で止める手続きや、留守番電話の設定など、家族でできる対策を離れて暮らす親の見守り方にまとめています。
今日できること
- 自宅に緑の封筒が届いていないか確認する。届いていたら、中のはがきに印字された見込額と提出期限を見る
- 提出方法を決める。電子申請なら同封リーフレット、郵送なら記入・目隠しシール・切手・投函
- 離れて暮らす親や祖父母がいるなら、「9月に日本年金機構から緑の封筒が届いていないか」を電話で聞く。封筒が見当たらない場合や、A4型の請求書と所得状況届が届いている場合は、年金事務所に相談する
- 期限は2027年1月4日。ただし年末年始をまたぐので、年内に出し終える前提で動く
- 「給付金の手続きでATMへ」という電話は、内容にかかわらず切って年金事務所に確認する
条件を満たしていても、はがきを出さなければ1円も受け取れません。逆に言えば、必要なのは記入と投函(または電子申請)だけです。封筒が届いている人にとっては、今週中に片付けられる作業です。
参考情報・出典
- 令和8年度の年金生活者支援給付金請求書(はがき型)の送付について – 日本年金機構 — 更新日2026年9月1日。「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)を令和8年9月1日(火曜)から順次送付します」、電子申請による提出が可能であること、支給要件に該当するか確認できない方にはA4型請求書と所得状況届を送付することを記載
- 年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ – 日本年金機構 — 更新日2026年9月1日。「緑の封筒」、毎年9月の第1営業日から順次送付、電子申請と郵送の2つの提出方法、目隠しシールと切手を貼って投函する手順、はがきに見込額(月額)を記載していること、紛失時のA4型ダウンロード、成年後見人等の記入方法を記載
- 手続きが遅れると年金生活者支援給付金は受け取れなくなりますか。 – 日本年金機構 — 更新日2026年9月1日。令和9年1月4日(月曜)までに届けば令和8年10月分にさかのぼって受け取れること、届かなかった場合は請求した月の翌月分からの受け取りになること、はがき記載の期限を過ぎても手続き自体は可能であることを記載
- 令和8年4月分からの年金額等について – 日本年金機構 — 更新日2026年4月1日。令和8年度の給付基準額(老齢5,620円、障害1級7,025円・2級5,620円、遺族5,620円)と令和7年度の額、3.2%の増額改定、基準額であり実際の金額は納付済期間・免除期間に応じて算出されるという注記を記載
- 老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要 – 日本年金機構 — 更新日2026年4月1日。65歳以上・世帯全員の市町村民税非課税・前年の年金収入額とその他の所得の合計が809,000円以下(昭和31年4月1日以前生まれは806,700円以下)という3要件、補足的給付金の所得範囲、5,620円×納付済期間÷480月+11,768円×免除期間÷480月という計算式と計算例を記載
- 年金生活者支援給付金 – 日本年金機構 — 制度全体の概要ページ。請求書の提出から1〜2カ月後に「年金生活者支援給付金 支給決定通知書」が届くこと、給付額に物価スライド改定があることを記載
- 年金生活者支援給付金の振り込みはいつですか。 – 日本年金機構 — 更新日2024年9月2日。年6回・偶数月15日・年金と同じ受取口座に別途支払い、15日が土日祝の場合は直前の営業日、各支払月に前月までの2カ月分(12月に10月分・11月分)を記載
- 年金生活者支援給付金を受け取るためには、毎年、手続きが必要ですか。 – 日本年金機構 — 更新日2025年10月1日。引き続き支給要件を満たす場合は翌年以降の手続きは原則不要であること、継続支給の判定結果が毎年10月分(12月支払)から1年間反映されることを記載
- 日本年金機構の職員や委託事業者などと称して、現金を詐取する「不審な電話や訪問」にご注意ください – 日本年金機構 — 更新日2025年1月17日。個人情報を聞くことはない、ATM操作や振り込みを指示することはない、手数料は一切かからない、公式LINEアカウントは存在しない、訪問時は写真付き身分証明書を提示する、という記載と、「給付金が戻るのでATMへ」という実際の手口の事例を記載
- 日本年金機構を装った不審な電話やメール・SMS、偽サイトや偽のSNSアカウントにご注意ください。 – 日本年金機構 — 更新日2025年2月17日。「国民年金機構」「日本年金機構特別窓口」「保険年金事務所」「国民年金センター」「給付センター」など、誤認・混同を与える名称の使用が確認されていることを記載
※本記事は2026年9月7日時点で日本年金機構の公式サイトに掲載されている内容に基づいています。金額・期限・手続きは今後変更される場合があります。実際に手続きをする前に、お手元に届いたはがきの記載内容と、日本年金機構の公式ページで最新の情報をご確認ください。
※支給額は保険料の納付済期間・免除期間によって一人ひとり異なります。本記事に記載した5,620円は満額の場合の基準額であり、実際に受け取れる金額は届いたはがきに記載されている見込額(月額)でご確認ください。
※個別の要件該当性や所得の判定については、最寄りの年金事務所またはねんきんダイヤルにお問い合わせください。本記事は制度の一般的な説明であり、個別の判断を代替するものではありません。
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