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電力会社の切り替え手順と注意点|申し込む前に確かめる5つのこと

電力会社の切り替え手順と注意点|申し込む前に確かめる5つのこと 家計・電気・保険

電力会社の切り替えは、新しく契約したい会社に申し込むだけです。むずかしいのは申し込む前の確認です。解約金や住まいの条件、料金の決まり方を見落とすと、切り替えたのに高くなることがあります。

申し込みの流れと切り替える前の確認を、国の資料をもとにまとめます。特定の会社はすすめません。印刷できるチェックリストも付けます。

先に結論:切り替える前に何を確かめればいい?

申し込む前に、次の5つを確かめます。

  1. 自分で選べる住まいか:契約の名義が自分か。マンション全体でまとめて電気を買う契約(高圧一括受電)になっていないか
  2. 今の契約をやめる条件:解約金(違約金)はあるか。契約期間はいつまでか
  3. オール電化向けなどのメニューか:やめると戻れない場合がある
  4. 新しい契約の料金の決まり方:市場の価格で単価が動く「市場連動型」か
  5. 申し込みに要る情報:22桁の供給地点特定番号、お客様番号、今の電力会社の正しい名前

そもそも切り替えるべきかどうかは、請求書で「使った量が増えたのか」「単価が上がったのか」を分けてから決めるのが近道です。その切り分け方と、見直し全体の手順は、電気代が上がったときの見直し手順|量か単価かを請求書で切り分けるにまとめています。この記事は、切り替えると決めたあとの確認に絞ります。

手順1:申し込みに要る情報はどこに書いてある?

電力・ガス取引監視等委員会によると、切り替えの申し込みには次の情報が要ります(電力・ガス取引監視等委員会、2024年8月発行、2026年10月確認)。

  • 今契約している電力会社の名前
  • 今の電力会社のお客様番号
  • 供給地点特定番号(22桁)
  • 切り替えの希望日
  • 本人確認書類など

供給地点特定番号とは、電気を使う場所を見分けるために付けられた22桁の番号です(電力・ガス取引監視等委員会、2017年2月の説明資料)。

番号は、検針票(電気ご使用量のお知らせ)、請求書、契約時の書類で確かめられます。メールやLINEで届く場合もあります(電力・ガス取引監視等委員会、2026年10月確認)。分からないときは、新しく契約する会社にそう伝えます(同委員会、2017年2月の説明資料)。

「今の電力会社の名前」でまちがえやすい点

書くのは、電気を売っている「小売電気事業者」の名前です。窓口の取次や媒介の会社の名前ではありません。まちがえると申し込みに不備が出ます。分からなければ、今の契約先に問い合わせます(電力・ガス取引監視等委員会、2024年8月発行、2026年10月確認)。

手順2:申し込みから切り替わるまで、何が起きる?

申し込み先は、新しい会社です。今の会社への解約の連絡は必須ではありません(電力・ガス取引監視等委員会・消費者庁・国民生活センター、2026年3月発行、2026年10月確認)。引っ越しを伴わない切り替えの場合です。

スマートメーター(使った量を通信で送るメーター)は、家庭向けでは全国で2024年度末までに取り替えを終える計画でした(資源エネルギー庁、2020年7月の審議会資料)。まだ付いていない家では取り替え工事が入ります。

東京電力パワーグリッドの案内では、工事の費用は原則かからず、工事は取り付け場所で行い、室内には入りません。原則として停電せずに取り替えますが、設備によっては5分程度の停電を伴い、事前に知らせるとしています。工事を装った詐欺にも注意を呼びかけています(東京電力パワーグリッド、2026年10月確認)。

切り替わるまでの日数は、会社や手続きの日程で変わります。自由化当初の国のQ&Aには約2週間・約4日という目安がありましたが、今の日数を示す国の資料は確かめられませんでした。切り替わる日は新しい会社の案内で確かめ、希望日があるなら早めに申し込みます。切り替えても電気は同じ送配電線から届くため、停電の起きやすさを含む品質は変わりません(資源エネルギー庁のリーフレット、2016年2月)。

切り替えてよいか、どう判断する?

「住まい」「今の契約」「新しい契約」の順に確かめ、引っかかったところを先に片づけます。

切り替える前の判定図。住まいの条件→今の契約をやめる条件→新しい契約の料金の決まり方の順に確かめる(電力・ガス取引監視等委員会・資源エネルギー庁・国民生活センターの資料をもとに作成)
切り替える前の判定図。住まいの条件→今の契約をやめる条件→新しい契約の料金の決まり方の順に確かめる(電力・ガス取引監視等委員会・資源エネルギー庁・国民生活センターの資料をもとに作成)

賃貸・マンションなら:名義と建物の契約を確かめる

賃貸住宅でも、電力会社との契約の名義が本人なら切り替えられます(自由化当初の国の消費者向けQ&A)。名義は検針票で確かめ、自分でなければ名義の人に相談します。

マンションでは、管理組合などを通じて建物全体でまとめて電気を買う契約(高圧一括受電)になっていることがあります。この場合は扱いが違うため、管理組合などに確かめるよう案内されています(同)。

オール電化なら:今のメニューの条件を先に読む

オール電化住宅などで使われる一部の料金メニューには、使い始めてから一定の期間内に解約すると精算金や解約金がかかるものがあると、自由化当初の国のQ&Aにあります。今の条件は契約中のメニューの書面で確かめます。また、一度やめると以前のメニューに戻れない場合があります。たとえば東京電力エナジーパートナーは、電化上手などの新規受付を2016年3月31日で終えています(東京電力エナジーパートナー、2026年10月確認)。資源エネルギー庁の注意喚起では、元の会社に戻したら以前のプランに入り直せず、月に1,000円ほど高い料金を払うことになった例が紹介されています(資源エネルギー庁、2017年12月、2026年10月確認)。

時間帯で単価が変わるメニューを使っているなら、切り替え先の料金も昼と夜の使用量に分けて試算します。

解約金と契約期間:やめる日を決めてから申し込む

今の契約によっては、解約に違約金や解約金がかかることがあります。新しい契約にも解約金の決まりがある場合があるので、両方を契約前に確かめます。資源エネルギー庁は、契約期間、満了後の更新、期間内の解約の制約、解約手数料の金額を確かめる項目に挙げています(資源エネルギー庁、2017年12月、2026年10月確認)。

見る場所は契約時の書面です。事業者は契約の前後に書面を渡すことが原則として義務づけられています(同)。書面がなければ今の会社に問い合わせます。解約金がかかる期間の途中なら、満了日のあとに切り替わるよう希望日を決めます。

市場連動型プランは、どんな仕組みで何に気をつける?

市場連動型プランとは、電力の卸売市場(スポット市場)の価格に合わせて単価が動くプランです。30分ごとの取引価格に連動させる型では、天候や時間帯で電気代が大きく変わり、夏や冬に取引価格が上がると電気代も高くなるおそれがあります(電力・ガス取引監視等委員会・消費者庁・国民生活センター、2026年3月発行、2026年10月確認)。

2020年度の冬には市場価格が高騰し、電気料金が高額になる事態が起きました(電力・ガス取引監視等委員会、2021年9月)。

「市場連動型」と書いてあっても、中身は会社ごとに違います(同、2026年3月発行)。申し込む前に、次の点を書面や料金表で確かめます。

  • 単価の決め方:市場価格をどう料金に反映するか
  • 上限の有無:単価が上がり続けたときに歯止めがあるか
  • 過去に高騰したときの例:委員会は、事業者が過去の高騰例を示すことを望ましいとしています(電力・ガス取引監視等委員会、2021年9月)
  • 翌日の単価を見られるか(同)
  • やめるときの条件:高くなったとき、解約金なしでほかのプランに移れるか

目安は「高い月が続いても家計で受け止められるか」「使う時間をずらせるか」です。冷暖房を止めにくい家庭は、単価が動きにくい型も並べて比べます。「安くなる」という説明だけで契約しないよう注意喚起されています(電力・ガス取引監視等委員会・消費者庁・国民生活センター、2025年6月発行、2026年10月確認)。

切り替え前のチェックリスト

印刷して、検針票と並べて使えます。

電力会社の切り替え前チェックリスト

確かめることどこで見るか印
A 住まいの条件
契約の名義は自分か検針票・請求書□
建物全体の一括受電ではないか検針票の発行元・管理組合□
B 今の契約
解約金の有無と金額契約時の書面・今の会社□
契約期間の満了日・更新月契約時の書面・会員ページ□
オール電化向けなど、やめると戻れないメニューか検針票の契約種別・今の会社□
C 新しい契約
国の登録事業者か資源エネルギー庁の登録事業者一覧□
市場連動型か。上限はあるか料金表・重要事項の書面□
独自の調整項目・有料オプションはあるか料金表の注記□
新しい契約の期間と解約金重要事項の書面□
試算の条件(何か月分・どの使用量で比べたか)試算の画面・見積もり□
D 申し込みに要る情報
供給地点特定番号(22桁)検針票・請求書□
お客様番号検針票・請求書□
今の小売電気事業者の正しい名前契約時の書面(取次の会社名ではない)□
過去12か月の使用量会員ページ・検針票□

項目は電力・ガス取引監視等委員会(2024年8月、2026年3月)と資源エネルギー庁(2017年12月)の注意喚起をもとに作成。

Cの「試算の条件」は、燃料費調整額を含めずに比べて有利に見せる表示があったとして、注意喚起されています(電力・ガス取引監視等委員会・消費者庁・国民生活センター、2026年3月発行、2026年10月確認)。

申し込んだあとで困ったら、どうする?

訪問や電話の勧誘で契約したなら:8日以内はクーリング・オフ

訪問販売や電話勧誘販売で申し込んだ場合は、契約の書面を受け取った日から数えて8日以内なら、クーリング・オフ(理由を問わない契約の取り消し)ができます(資源エネルギー庁、2017年12月掲載、2026年10月確認)。1年分の前払いを求められ、払ったら連絡が取れなくなった例もあります(資源エネルギー庁、2017年12月)。

契約先が事業をやめると知らされたら

事業をやめる会社は、契約者にあらかじめ知らせなければなりません。知らせを受けたら、その期間のうちに別の会社に切り替えます(自由化当初の国の消費者向けQ&A)。

相談先はどこ?

  • 契約の中身・請求:まず契約先の電力会社
  • 勧誘・解約のトラブル:消費者ホットライン「188」。近くの消費生活センターなどを案内してくれます
  • 電気の契約の制度:電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口(03-3501-5725)。ただし、利用者と事業者の間に入るあっせんや仲裁はしていません
  • 相手が国の登録事業者か:資源エネルギー庁の「登録小売電気事業者一覧」で名前を確かめる

(電力・ガス取引監視等委員会、2024年8月・2026年3月/資源エネルギー庁、2017年12月掲載)

次の一手:見積もり・相談の前に何をそろえる?

試算や見積もりを頼む前に、チェックリストのBとDをそろえます。使用量は12か月分です。1か月分だと季節の差で結果がずれます。

見積もりは、燃料費調整額を含んだ総額か、市場連動型か、契約期間と解約金を確かめます。切り替えより先に、契約アンペアや使い方で下げられる分がないかを確かめたい場合は、電気代が上がったときの見直し手順の判定図から始めてください。

よくある質問

Q1. 今の電力会社に解約の電話をしないといけませんか?

必須ではありません。新しい会社に申し込めば、手続きが進みます。引っ越しを伴う場合は手続きが別です(電力・ガス取引監視等委員会・消費者庁・国民生活センター、2026年3月発行)。

Q2. 切り替えたあと、元の会社のプランに戻れますか?

戻れない場合があります。元の会社に戻したら以前のプランに入り直せず、高い料金になった例が紹介されています(資源エネルギー庁、2017年12月)。オール電化向けなどのメニューなら、今の会社に聞いてから決めます。

Q3. 市場連動型で高くなったら、すぐ別のプランに変えられますか?

契約の条件しだいです。切り替えには日数もかかるため、申し込む前に「やめるときの条件」を確かめておきます。

同じテーマで、あわせて確かめておくと判断しやすくなる記事です:電気料金の明細の見方|燃料費調整額・賦課金と自分で減らせる行/契約アンペアを下げる目安と手順|冬の同時使用から決める計算表

まとめ:電力会社を切り替える前の確認

  • 申し込みは新しい会社に。22桁の番号・お客様番号・今の小売電気事業者名を用意
  • 賃貸は名義、マンションは一括受電かを先に確かめる
  • 解約金・契約期間を見て、やめる日を決めてから希望日を出す
  • 市場連動型は、単価の決め方・上限・やめる条件を読む
  • 困ったら188か、電力・ガス取引監視等委員会へ

参考情報・出典

  • 経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会「別の電力会社に切り替える際に気を付けるポイント【注意喚起】」(2024年8月5日):https://www.egc.meti.go.jp/info/liberalization/pdf/20240805.pdf
  • 経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会・消費者庁・国民生活センター「電気・ガスの契約トラブルなどに気をつけましょう(令和8年3月版)」(2026年3月2日):https://www.egc.meti.go.jp/info/liberalization/pdf/20260302.pdf
  • 経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会・消費者庁・国民生活センター「電気・ガスの契約トラブルなどに気をつけましょう(令和7年6月版)」(2025年6月11日):https://www.egc.meti.go.jp/info/liberalization/pdf/20250611.pdf
  • 資源エネルギー庁「電力・ガス自由化 切替え契約時は、ココに注意!」(2017年12月12日):https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/kirikaekeiyaku.html
  • 国民生活センター・電力・ガス取引監視等委員会「電力自由化をめぐるトラブル速報!No.10」(2017年11月30日):https://www.emsc.meti.go.jp/info/liberalization/pdf/171130.pdf
  • 電力小売全面自由化に関する消費者向けのQ&A(電力取引監視等委員会の説明会資料、2016年):https://www.egc.meti.go.jp/info/session/pdf/28_003.pdf
  • 経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会「電力及びガスの小売全面自由化について」(2017年2月13日の説明会資料):https://www.emsc.meti.go.jp/info/liberalization/caravan/pdf/20170213001.pdf
  • 電力・ガス取引監視等委員会「『電力の小売営業に関する指針』の改定の建議について」(2021年9月15日):https://www.egc.meti.go.jp/info/public/pdf/20210915003a.pdf
  • 資源エネルギー庁のリーフレット「電力小売全面自由化の5つの誤解」(2016年2月作成。高砂市のサイトに掲載された写し):https://www.city.takasago.lg.jp/material/files/group/14/20160224-112544.pdf
  • 東京電力パワーグリッド「よくあるご質問」(スマートメーターの設置工事):https://www.tepco.co.jp/pg/faq/faq.html
  • 資源エネルギー庁「スマートメーターの導入状況」等(総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 資料3、2020年7月28日):https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/pdf/027_03_00.pdf
  • 東京電力エナジーパートナー「お申込みにあたっての注意事項」(電化上手などの新規受付終了):https://www4.tepco.co.jp/jiyuuka/work/low/pdf/202603precautions.pdf

いずれも2026年10月25日に確認しました。2016〜2017年の資料は自由化が始まったころのもので、名義・一括受電・撤退時の扱いなど仕組みの説明に限って使っています。手続きの日数や料金メニューの条件は会社や時期で変わるため、申し込む前に契約先の重要事項の書面で確かめてください。

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