※本記事はアフィリエイト広告(PR)を含みます。
東京ガスが、家庭向けの都市ガス料金の基本料金を1件あたり150円引き上げます。適用は2026年10月1日から。値上げ改定は消費税の増税時を除くと、第2次オイルショックの影響を受けた1980年以来46年ぶりです。対象は東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木・群馬の1都6県で、法人向けと合わせて約866万件にのぼります。
ただし、10月の検針票にこの150円は出てきません。東京ガスの発表は「2026年10月1日(2026年11月検針分から)」と書かれていて、請求に反映されるのは11月の検針からです。そして11月検針分は、もう一つの変化が重なる月でもあります。国の「電気・ガス料金負担軽減支援事業」による1m3あたり14円の値引きが、10月検針分で終わるからです。
この記事では、東京ガスと経済産業省の発表をもとに、いつ・いくら・どの契約が対象なのかを検針票の見方に沿って整理します。金額はすべて税込です。
あわせて読みたい:電気代の見直し手順|契約アンペア・料金プラン・電力会社の切り替えで下げる方法
上がるのは基本料金。使用量に関係なく、全員に同じ150円
東京ガスが2026年4月27日に発表した改定内容は、東京地区等(東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木)では次の2つです。
- 基本料金を150円引き上げる…料金表A〜Fのすべてで一律150円。使用量が多い人も少ない人も同額です
- 単位料金を0.02円/m3引き上げる…30m3使う家庭なら月0.6円分。実質的にはほぼ影響しません
都市ガスの料金は「基本料金+単位料金×使用量」で決まります。今回動くのは主に前者、つまりガスを使った量に関係なく毎月かかる固定部分です。節約で使用量を減らしても、この150円は減りません。
| 料金表(月の使用量) | 基本料金 変更前 | 基本料金 変更後 |
|---|---|---|
| A表(0〜20m3) | 759.00円 | 909.00円 |
| B表(21〜80m3) | 1,056.00円 | 1,206.00円 |
| C表(81〜200m3) | 1,232.00円 | 1,382.00円 |
| D表(201〜500m3) | 1,892.00円 | 2,042.00円 |
| E表(501〜800m3) | 6,292.00円 | 6,442.00円 |
| F表(801m3〜) | 12,452.00円 | 12,602.00円 |
一般的な家庭は、冬以外はB表(21〜80m3)に入ります。東京ガスが標準家庭として示す月30m3のケースでは、改定前5,734円が改定後5,884円になり、差は150円です(2026年4月検針分の原料価格で計算した金額。国の値引きは含みません)。
値上げの理由として東京ガスが挙げているのは、物価上昇に伴う諸経費の高騰とガス販売量の減少です。人件費や資機材価格が上がる一方で、売る量が減っている——つまり燃料が高くなったからではなく、設備の保安やサービスを維持するための費用が足りなくなった、という説明です。時事通信の報道によれば、中東情勢の悪化による燃料価格の高騰は、今回の値上げには織り込まれていません。
対象になる契約と、ならない契約
今回の改定対象は「一般料金」と「家庭用選択約款メニュー」、それに法人・個人事業主向けの選択約款です。家庭用の選択約款には次のものが含まれます。
- ずっともガス契約
- 家庭用高効率給湯器契約《湯ったりエコぷらん》
- 家庭用ガス温水床暖房契約《暖らんぷらん》
- 家庭用コージェネレーションシステム契約《エコウィルで発電エコぷらん》
- 家庭用燃料電池契約《エネファームで発電エコぷらん》
床暖房やエネファームを入れている家庭も対象です。東京ガスと都市ガスの契約がある家庭は、ほぼ全員が該当すると考えてよい内容です。手続きは要りません。自動で改定後の料金になります。
一方、プロパンガス(LPガス)は対象外です。プロパンガスは料金を各販売店が自由に決める仕組みで、都市ガスの改定とは無関係に動きます。集合住宅でガス代を管理会社にまとめて払っている場合も、契約者が東京ガスでなければ今回の改定は直接には関係しません。

10月検針分は、すでに307円上がっている
基本料金の改定より前に、10月の検針票で先に上がる部分があります。原料費調整です。
原料費調整制度は、LNGやLPGの輸入価格の変動を毎月の単位料金に反映させる仕組みです。東京ガスが2026年8月28日に発表した10月検針分では、東京地区等の単位料金が9月検針分と比べて1m3あたり10.23円上方に調整され、標準家庭(30m3)で月307円の増加になります。適用料金は9月検針分の5,437円から10月検針分の5,744円へ動きます。
この10.23円は、性質の違う2つの要因の合計です。東京ガスが公表した参考資料の数字で分けると、次のようになります。
- 原料価格の上昇分…約6.23円/m3。平均原料価格が1トンあたり94,950円(9月検針分)から101,990円(10月検針分)へ7,040円上がったことを反映したもの
- 国の値引きが薄くなった分…4.00円/m3。負担軽減支援の値引き単価が9月検針分の18円/m3から10月検針分は14円/m3に戻ったため、その差4円が請求側では増加として出る
つまり10月の値上がり307円のうち、約120円は「補助が薄くなった分」です。原料価格そのものの上昇は約187円にとどまります。この区別は、次に見る11月検針分を考えるときに効いてきます。

11月検針分は「基本料金+150円」と「国の値引き終了」が重なる
国の電気・ガス料金負担軽減支援事業は、2026年5月に「中東情勢を踏まえた補正予算等」として発表され、使用量が増える7月使用分から9月使用分までの3か月間に限って実施されています。都市ガスの値引き単価は7月・9月使用分が14.0円/m3、8月使用分が18.0円/m3でした。
この「使用分」を東京ガスの検針分に置き換えると、8月検針分=14円、9月検針分=18円、10月検針分=14円で終わりです。11月検針分には値引きがありません。
値引きが消える金額は使用量に比例します。標準家庭(30m3)なら14円×30m3で420円。東京ガスの参考資料でも、10月検針分の標準家庭の料金は補助金適用前なら6,164円、適用後は5,744円で、その差は420円と明記されています。
ここに基本料金の150円が乗ります。11月検針分の原料費調整が10月と同じ水準だったと仮定すると、標準家庭の目安は次のようになります。
| 検針分 | 標準家庭(30m3)の目安 | 主な変化 |
|---|---|---|
| 2026年9月 | 5,437円 | 国の値引きが18円/m3で最も厚い月 |
| 2026年10月 | 5,744円 | 原料価格の上昇と、値引きが14円/m3に戻った分で+307円 |
| 2026年11月 | 約6,310円(試算) | 国の値引き終了(+420円)と基本料金改定(+150円)が重なる |
10月から11月にかけて、合わせて約570円上がる計算になります。46年ぶりの改定として報じられた150円より、値引き終了の420円のほうが金額としては大きい、という点は押さえておきたいところです。
なお、11月検針分の原料費調整は本記事の執筆時点(2026年9月28日)ではまだ発表されていません。東京ガスは前月末に翌々月の検針分を公表するのが通例で、直近の発表は8月28日の10月検針分です。11月検針分は2026年6月〜8月の平均原料価格で決まるため、上の試算より高くなることも低くなることもあります。確定額は東京ガスの発表と自分の検針票で確認してください。
電気についても同じ構図です。低圧の値引きは7月・9月使用分が3.5円/kWh、8月使用分が4.5円/kWhで、やはり9月使用分で終わります。ガスと電気の両方で値引きが切れるため、11月の請求は光熱費全体で上がります。支援の終了と灯油・ガソリン補助の続きについては別の記事でまとめています。
群馬地区は上げ幅が大きく、標準家庭で241円
東京ガスの料金は「東京地区等」と「群馬地区」で分かれていて、群馬地区の改定は別に発表されています。基本料金の引き上げは東京地区等と同じ150円ですが、単位料金の上げ幅が2.52円/m3と大きいのが違いです。東京地区等の0.02円/m3とは2桁違います。
その結果、群馬地区の標準家庭(月36m3)では6,669円から6,910円へ、241円の値上げになります。上げ幅は約3.6%で、東京地区等の約2.6%より大きい計算です。
群馬地区だけ単位料金が大きく動くのは、東京ガスが理由としてガス卸元による卸価格の引き上げを挙げているためです。東京地区等の発表にはこの項目がありません。群馬地区は10月検針分の原料費調整でも+354円(36m3)と、東京地区等の+307円より大きく動いています。
大阪ガスは既存の契約者はそのまま。会社ごとに扱いが違う
都市ガスの料金体系の見直しは東京ガスだけの動きではありません。ただし、既存の契約者が値上げの対象になるかどうかは会社によって違います。
大阪ガスは2026年4月9日に、標準メニューの「一般料金」を2026年9月30日で新規受付終了とし、10月1日から「一般料金S」を新設すると発表しました。一般料金Sは現行の一般料金より基本料金を引き上げ、従量料金単価を引き下げた体系で、標準家庭では月額35円の差です。理由は物価や労務費の上昇、労働力不足、小売自由化に伴う需要構造の変化と説明されています。
ここが東京ガスとの違いで、大阪ガスはすでに「一般料金」を契約している人と、2026年9月30日までに契約した人は、10月以降も従来の契約内容のまま使えるとしています。新しい体系は新規申込が対象です(GAS得プランの一部メニューは基本料金の引き上げ・従量単価の引き下げに改定され、2026年11月検針分から適用されます)。既存契約者を含む約866万件が対象の東京ガスとは扱いが逆なので、自分の契約先の発表で確認してください。

検針票で確かめる順番と、次にやること
自分にいくら影響するかは、手元の検針票(ガスご使用量のお知らせ)かWeb会員ページで確認できます。見る順番は次の3つです。
- 契約しているメニュー名…「一般料金」「ずっともガス」「暖らんぷらん」などが書かれています。前の章のリストに載っていれば改定対象です
- 先月の使用量(m3)…国の値引き終了で消える金額は「使用量×14円」です。20m3なら280円、50m3なら700円と、使う量が多い家庭ほど影響が大きくなります
- 地区…群馬県内なら群馬地区の料金表です。単位料金の上げ幅が大きいので、標準的な使用量でも241円動きます
ここまで見ると分かるとおり、基本料金の150円は契約者側では動かせません。手続きで避けることもできず、使用量を減らしても減りません。都市ガスは2017年に小売が自由化されているので他社へ切り替える選択肢はありますが、11月からの値上げに間に合わせるには時間が足りませんし、切り替え先の単価が必ず安いとも限りません。
現実的に効くのは、次の2つです。
- ガスの使用量そのものを減らす…給湯の設定温度、シャワーの時間、追い焚きの回数が冬のガス代の中心です。11月からは値引きがないので、同じ使用量でも請求は上がります
- 同じ光熱費のうち、動かせる側から見直す…電気は契約アンペア・料金プラン・契約先の3つを自分で選べます。ガスで上がった分を電気側で戻す、という考え方です
電気の契約を見直す場合、料金プランは会社ごとに条件が違うので、自分の使用量で比べないと判断できません。比較を代行してもらう方法の1つが電力会社の比較・紹介サービスです。東証プライム上場!一番安い電気料金で契約するなら【エネピ】
は、電気の利用状況を入力すると、その条件での料金プランを無料で提案してくれるサービスです。切り替えの前に確認したい注意点(解約金、セット割の解除、供給エリア)は電気代の見直し手順の記事にまとめています。
なお、東京ガスは電気もセットで販売しています。ガスと電気をまとめているとセット割が付いている場合があるので、電気だけ他社へ移すと割引が外れて総額が増えることがあります。セット割の額を先に確認してから比べてください。
よくある質問
Q. 10月の検針票に150円は載りますか。 A. 載りません。適用日は2026年10月1日ですが、東京ガスは「2026年11月検針分から」と明記しています。10月検針分で上がる307円(標準家庭)は原料費調整と国の値引き縮小によるもので、今回の基本料金改定とは別の話です。
Q. 手続きをすれば値上げを避けられますか。 A. 避けられません。対象メニューを契約したままなら11月検針分から自動で改定後の料金になり、手続きも不要です。東京ガスは対象の顧客にチラシやダイレクトメールで知らせるとしています。
Q. 節約すれば150円分は取り戻せますか。 A. 基本料金は使用量に関係なくかかるので、150円そのものは節約では減りません。減らせるのは単位料金×使用量の部分です。ただし11月検針分からは1m3あたり14円の国の値引きもなくなるため、使用量を減らす効果はこれまでより大きくなります。
Q. プロパンガスを使っています。関係ありますか。 A. 今回の改定は東京ガスの都市ガス料金なので、直接の関係はありません。プロパンガスは国の負担軽減支援の対象にも入っていません。プロパンガスの料金は販売店ごとに決まるため、高いと感じる場合は単価の確認が先になります。
Q. 46年ぶりというのは、これまで一度も上がらなかったという意味ですか。 A. いいえ。原料費調整による単位料金の変動は毎月あり、消費税の増税に伴う改定も行われてきました。46年ぶりなのは料金体系そのものを引き上げる「値上げ改定」で、前回は第2次オイルショックの影響を受けた1980年です。
まとめ
- 東京ガスが基本料金を1件150円引き上げる。適用は2026年10月1日、請求に出るのは2026年11月検針分から。値上げ改定は1980年以来46年ぶりで、対象は1都6県の約866万件
- 上がるのは使用量に関係なくかかる固定部分。料金表A〜Fすべてで一律150円、単位料金は+0.02円/m3(東京地区等)。節約では減らせない
- 10月検針分は原料費調整で標準家庭+307円。うち約120円は国の値引きが18円/m3から14円/m3に戻った分
- 国の負担軽減支援は9月使用分(=10月検針分)で終了。11月検針分は値引き420円(30m3)の消失と基本料金150円が重なり、10月から合わせて約570円増える試算になる
- 群馬地区は単位料金の上げ幅が2.52円/m3と大きく、標準家庭(36m3)で241円の値上げ
- 大阪ガスは既存の一般料金契約者は従来の契約を継続でき、扱いが東京ガスとは逆。契約先ごとに確認する
- 基本料金は契約者側では動かせない。検針票でメニュー名・使用量・地区を確認し、使用量と電気の契約から見直す
関連して読みたい記事
ガスの基本料金は動かせませんが、同じ光熱費のうち電気は契約者側で選べる部分が残っています。冬に向けてガス代そのものを抑えたい場合は、使用量の目安と下げ方を先に押さえておくと判断しやすくなります。
参考情報・出典
- (東京地区等)ガス料金の改定について(東京ガス、2026年4月27日)
- (群馬地区)ガス料金の改定について(東京ガス、2026年4月27日)
- 原料費調整制度に基づく2026年10月検針分のガス料金について(東京ガス、2026年8月28日)
- 電気・ガス料金支援(電気・ガス料金負担軽減支援事業)(経済産業省 資源エネルギー庁)
- ガス料金メニュー「一般料金」の新規受付終了および「一般料金S」新設、ならびに一部ガス料金メニューの料金改定などについて(大阪ガス、2026年4月9日)
- 基本料金150円値上げ 46年ぶり、物価高に対応―東京ガス(時事通信、2026年4月27日)
⚡ いま読まれているトレンド
ドコモ「あんしんフィルター」の障害が続く|設定が変えられない・アプリが使えないときの対処(Androidは窓口で暫定案内、iPhoneはプロファイル削除)
日本シリーズ2026はどこで見られる?|第2戦〜第7戦のテレビ(TBS・NHK BS・日テレ・テレ朝)とネット配信(TVer・U-NEXT・Hulu・ABEMA)
DEAN & DELUCAのチャリティートートバッグ2026|先行販売の抽選は10月29日17時まで、発売は11月1日。アプリでのエントリーと当日の時間









