〜暮らしの落書き帳〜

非常食は何日分必要?一人暮らしの必要量と選び方

防災リュックと、長期保存パン・レトルト食品・飲料水を並べた「非常食は何日分必要?」のアイキャッチ 防災

災害用の非常食を準備しようと思っても、「一人暮らしなら何日分あればいい?」「何食くらい買えばいい?」と迷いやすいところです。

政府広報オンラインや内閣府では、家庭の食品備蓄について最低3日分、できれば1週間分を準備することを勧めています。

一人暮らしなら、1日3食として考えると3日分で9食、1週間分なら21食が一つの目安です。

ただし、非常食は単純に21個の商品を買えばよいわけではありません。

主食だけに偏らず、たんぱく質や野菜類を組み合わせながら、停電・断水・ガス停止でも食べやすい食品を準備することが重要です。

この記事では、一人暮らしで必要な非常食の量と、失敗しにくい選び方を解説します。

非常食は最低3日分、できれば1週間分が目安

1日3食で計算した3日分・1週間分の非常食の必要量を示した一覧表

災害時には、道路の寸断や物流の停止、停電、断水などによって、スーパーやコンビニで食品を購入できなくなる可能性があります。

そのため、家庭では最低3日分、可能であれば1週間分程度の食品を備えておくことが推奨されています。

備蓄期間1日3食で計算した食数
1日分3食
3日分9食
5日分15食
7日分21食

まだ何も備えていない場合は、最初から21食を完璧にそろえようとせず、まず9食程度の3日分を確保し、その後1週間分へ増やすと始めやすいでしょう。

「21食=非常食21個」とは限らない

一人暮らしで1週間分なら21食が目安になりますが、専用の非常食を21個購入する必要はありません。

普段食べている食品の中にも、災害時に使えるものがあります。

  • パックご飯
  • レトルト食品
  • 缶詰
  • インスタント食品
  • 乾麺
  • シリアル
  • 栄養補助食品
  • ナッツ類
  • 長期保存できる菓子

こうした食品を普段から少し多めに買っておき、食べた分を買い足すローリングストックを取り入れると、特別な非常食だけに頼らず備蓄できます。

一人暮らしの非常食は「主食・主菜・副菜」で考える

非常食を選ぶときは、保存期間だけでなく栄養の偏りにも注意しましょう。

主食

エネルギー源になる食品です。

  • アルファ米
  • パックご飯
  • 乾パン
  • パンの缶詰
  • カップ麺
  • 乾麺
  • シリアル

主食は比較的準備しやすいため、非常食が炭水化物ばかりにならないよう注意します。

主菜

肉や魚、豆類など、たんぱく質を取れる食品です。

  • ツナ缶
  • サバ缶
  • 焼き鳥缶
  • 豆の缶詰
  • レトルトの肉・魚料理

缶詰は長期保存しやすく、そのまま食べられる商品も多いため災害時に便利です。

副菜・補助食品

野菜や果物などが不足しやすいため、次のような食品も組み合わせます。

  • 野菜ジュース
  • 乾燥野菜
  • 海藻類
  • ドライフルーツ
  • 果物の缶詰
  • ナッツ類

主食だけを21食そろえるのではなく、食事として組み合わせられるように準備することがポイントです。

一人暮らしの1週間分の組み合わせ例

例えば、次のように組み合わせます。

種類備蓄例
主食アルファ米・パックご飯・パン・麺類など
主菜魚・肉・豆などの缶詰、レトルト食品
副菜野菜ジュース、乾燥野菜、海藻、果物缶
補助食品ナッツ、栄養補助食品、菓子類
飲料水、普段飲んでいる保存可能な飲料

朝・昼・夜を完全に固定する必要はありません。

「ご飯+魚缶」「パン+スープ」「麺+野菜」など、いくつか組み合わせを作れる状態にしておくと食べ飽きにくくなります。

水やお湯がなくても食べられる食品を入れる

非常食を準備するときに見落としやすいのが、調理条件です。

例えば、アルファ米やカップ麺、乾麺などは便利ですが、水やお湯が必要になります。

災害直後は、

  • 断水している
  • ガスが使えない
  • 停電している
  • カセットコンロが使えない

可能性があります。

そのため、備蓄食品の一部は開封するだけでそのまま食べられるものにしておくと安心です。

例えば、パンの缶詰、魚・肉の缶詰、栄養補助食品、ナッツ、ドライフルーツなどがあります。

「調理に必要な水」も忘れない

非常食を選ぶときは、食品だけでなく必要な水の量も確認します。

アルファ米や即席食品を多く備蓄すると、その分だけ調理用の水が必要になります。

飲料・調理用の水については、1人1日約3Lを目安として、最低3日分、できれば1週間分を備える考え方があります。

カセットコンロも一緒に準備すると選択肢が広がる

電気やガスが止まった場合でも、カセットコンロがあれば温かい食事を作りやすくなります。

レトルト食品を温めたり、お湯を沸かしたりできるため、備蓄できる食品の選択肢が増えます。

ただし、非常食をすべて「加熱しないと食べにくい食品」にするのは避けましょう。

そのまま食べられる食品と、加熱して食べる食品を両方用意するのがおすすめです。

賞味期限だけで非常食を選ばない

「5年保存」「7年保存」などの長期保存食品は管理しやすい反面、それだけを基準に選ぶ必要はありません。

災害時に実際に食べることを考えると、

  • 普段から食べ慣れているか
  • 味が好みに合うか
  • 開封しやすいか
  • 調理が簡単か
  • 水や加熱が必要か
  • ゴミが大量に出ないか

なども重要です。

特に一人暮らしの場合は、自分が普段から食べている保存食品を多めに買う方が管理しやすいこともあります。

非常食はローリングストックで管理する

政府広報オンラインでは、普段の食品を少し多めに買い、古いものから使い、使った分を買い足すローリングストックが紹介されています。

基本は次の3ステップです。

  1. 普段食べる食品を少し多めに買う
  2. 賞味期限の近いものから食べる
  3. 食べた分を新しく買い足す

この方法なら、非常食だけを長期間保管して賞味期限を切らす失敗を減らせます。

一人暮らしなら収納場所も考えて選ぶ

一人暮らしでは、食品を保管できるスペースが限られていることがあります。

そのため、容量だけでなく収納しやすさも確認しましょう。

  • パックご飯を収納棚へ
  • 缶詰をキッチンへ
  • 飲料水を床に近い収納へ
  • 持ち出し用食品を防災リュックへ

といったように分散すると管理しやすくなります。

また、全ての備蓄食品を防災リュックへ入れる必要はありません。

自宅で生活するための備蓄と、避難時に持ち出す食品は分けて考えましょう。

アレルギーや持病がある場合は専用品を優先する

食物アレルギーや持病などで食べられる食品が限られている場合は、一般的な非常食より先に、自分に必要な食品を確保しておきます。

災害発生後に、自分に合う食品が支援物資としてすぐ届くとは限りません。

乳幼児、高齢者、食物アレルギーがある人など、それぞれの家庭に合った備蓄を準備することも政府広報で案内されています。

非常食セットを買う場合に確認したいポイント

何日分か、主食に偏っていないかなど非常食セットの確認ポイントの図解

自分で食品を1つずつ選ぶのが難しい場合は、複数の食品がまとめられた非常食セットも選択肢になります。

購入するときは、単純な商品数ではなく次の点を確認します。

  • 何日分・何食分なのか
  • 主食だけに偏っていないか
  • 保存期間
  • 水やお湯が必要な商品数
  • そのまま食べられる食品があるか
  • 一人で食べ切れる内容量か
  • 好みの味が含まれているか

例えば「20点セット」と書かれていても、食品以外が含まれていたり、21食分あるとは限りません。

セットの点数ではなく、実際に何食分になるかを確認することが重要です。

1週間分の買い物リストと、そろえた後の管理のしかた

ここからは、非常食を「買いそろえる」段階と、「そろえた後に切らさない」段階に分けて整理します。数量の例は、農林水産省などの公式資料に書かれているものだけを使っています。内容は2026年9月時点で各ページを確かめた範囲です。資料は改訂されることがあるため、最新の内容は出典のページで確かめてください。

公式資料の「大人2人・1週間分」の例を買い物リストにする

農林水産省のリーフレットを参考に作られた資料「いざという時のために 災害への備え」には、大人2人・1週間分の備蓄の例が載っています。そこに書かれている品目と数量を、買い物のときに使いやすいように表にまとめました。「適宜」と書かれているものは、資料に決まった数量がないものです。

分類品目大人2人・1週間分の例
主食米2kg×2袋
主食乾麺(そうめん・パスタなど)そうめん2袋(300g/袋)、パスタ2袋(600g/袋)
主食パックご飯6個
主食シリアルなど適宜
主菜缶詰18缶
主菜レトルト食品(牛丼の素、カレーなど)18個
主菜パスタソース6個
主菜などカップ麺類適宜
主菜などロングライフ牛乳適宜
副菜・その他日持ちする野菜、野菜ジュース、梅干し・のり・乾燥わかめ、インスタントみそ汁やスープ、調味料、菓子類適宜
必需品水2L×6本×4箱
必需品カセットコンロ/カセットボンベ1台/12本

この表は2人分の例です。一人暮らしの場合は、人数で割って考え、ふだん食べる量に合わせて調整します。水とカセットボンベは、1人あたりの目安が公式に示されています。首相官邸のページでは、飲料水は「1人1日3リットルが目安」とされています。政府広報オンラインの2026年7月26日放送回の紹介ページでは、1人1週間で2Lのペットボトル11本、カセットボンベは1人1週間で6本ほどとされています。

一人暮らしの場合、水だけで2Lペットボトル11本になります。一度に全部を運ぶのは大変なので、ケース単位で数回に分けて買う、宅配を使うなど、無理のない方法を選ぶと続けやすくなります。

買い物の前に「家にあるもの」を確認する

農林水産省の「災害時に備えた食品ストックガイド」では、備蓄食品をそろえる流れが4つの段階で示されています。いきなりリストの全部を買うのではなく、次の順に進めると、むだな買い物を減らせます。

  1. 家にある食品をチェックする
  2. 栄養バランスを考え、人数や好みに合わせて何をどれだけ置くか決める
  3. 足りない分を買い足す
  4. 賞味期限が切れる前に食べ、食べた分を買い足す

1の段階で、米や乾麺、缶詰などがすでに家にあれば、その分は買わなくて済みます。同じガイドでは、料理をする人は乾物や缶詰、中食が多い人はレトルト食品やフリーズドライ食品、料理をしない人はカップ麺や菓子類など、ふだんの食生活に合わせて選ぶ考え方も紹介されています。

在庫管理表を作る

非常食は、買った後に存在を忘れてしまいがちです。農林水産省の広報誌(2016年9月号)では、なるべく目につくところに置き、定期的に賞味期限や、季節に合った備蓄かどうかをチェックすることがすすめられています。これを続けるために、かんたんな在庫管理表を作っておくと便利です。紙でも、スマートフォンのメモや表計算アプリでもかまいません。

品目数量賞味期限置き場所次の点検日
(例)缶詰台所の棚
(例)パックご飯
(例)水 2L

表の作り方のポイントは次のとおりです。

  • 賞味期限は、箱ではなく中身の個別の表示を見て書く
  • 同じ品目でも期限が違うものは、行を分けて書く
  • 分散して置いている場合は、置き場所も書いておく
  • 食べたり買い足したりしたら、その日のうちに数量を直す

点検日は「毎月◯日」「季節の変わり目」など、自分で覚えやすい日に決めておくと続けやすくなります。点検の日には、期限が近いものがないか、数が減っていないかを表と見比べます。期限が近いものは、ふだんの食事で先に食べて、同じものを買い足します。暑い時期と寒い時期で、置き場所の温度や、食べたいものが変わることもあるため、季節ごとに中身を見直すのも一つの方法です。

停電したときの冷蔵庫・冷凍庫の食品

停電すると、冷蔵庫や冷凍庫の中は少しずつ温度が上がります。農林水産省の単身者向けの「災害時にそなえる食品ストックガイド」には、停電時、冷蔵冷凍食品は冷蔵冷凍庫の温度が上がるまでに食べることが必要だと書かれています。つまり、停電したときは、日持ちする備蓄食品より先に、冷蔵庫や冷凍庫の食品から使うことを考えます。

また、農林水産省の「冷蔵庫のかしこい使い方」のページでは、ふだんの使い方として、長時間開けっ放しにしたり何度も開け閉めしたりすると、外気で庫内の温度が上がると説明されています。停電時についての説明ではありませんが、庫内の冷たさを保つうえで参考になる考え方です。取り出すものを先に決めてから開ける、開けたらすばやく閉める、といった点を意識するとよいでしょう。

一人暮らしの場合、冷蔵庫の中身が多すぎると、温度が上がるまでに食べきれないことがあります。停電が長引いたときに困らないよう、ふだんから冷蔵庫の中身を把握しておくことも、備えの一つになります。においや見た目など、少しでも状態に不安がある食品は、無理に食べないようにしましょう。

ふだんから食べ慣れておく

政府広報オンラインの2026年7月26日放送回の紹介ページでは、普段から非常食を試食し、好みの味を探しておくことがすすめられています。災害時は、慣れない環境で疲れていることが多いものです。はじめて食べる味が口に合わないと、食事がとりにくくなることがあります。

農林水産省の単身者向けガイドでも、ふだん食べているものを災害時にも食べられるように、ふだんの生活で食べ慣れておくことがすすめられています。また、ときどき電気やガスを使わない生活を体感し、賞味期限が近いものから料理して、必要なものを確かめる方法も紹介されています。たとえば休日の1食を備蓄食品だけでまかなってみると、次のようなことがわかります。

  • 自分に合う味や、量が足りるかどうか
  • お湯や水がどのくらい必要か
  • はさみ、食器、ラップなど、あると便利な道具
  • ゴミがどのくらい出るか

試しに食べた分は、在庫管理表から減らし、買い足します。こうすると、試食がそのまま入れ替えの機会にもなります。

栄養の偏りを防ぐ

農林水産省の「災害時に備えた食品ストックガイド」では、災害直後は炭水化物ばかりになりがちで、栄養バランスを考えないと体調不良や病気になる可能性があると説明されています。たんぱく質の不足には缶詰などが挙げられています。また、ビタミン・ミネラル・食物繊維が不足して、便秘や口内炎などに悩んだという声があることも紹介されています。

政府広報オンラインの2026年7月26日放送回の紹介ページでも、炭水化物、たんぱく質、ビタミン・ミネラルをとれる食品をバランスよく備えることが大切だとされています。例として、次のような食品が挙げられています。

とりたい栄養公式ページで挙げられている食品の例
炭水化物米、パン、乾麺など
たんぱく質魚介・肉類の缶詰
ビタミン・ミネラル野菜ジュース、フリーズドライのみそ汁、のり、ひじきなどの乾物

主食になる食品は買いやすい一方で、野菜や果物に当たる食品は少なくなりがちです。在庫管理表を見るときに、主食・主菜・副菜の3つがそろっているかもあわせて確かめると、偏りに気づきやすくなります。

そろえた後のチェックリスト

  • 水は1人1日3リットルを目安に、日数分あるか
  • カセットボンベは足りているか
  • 主食・主菜・副菜がそれぞれあるか
  • 在庫管理表に賞味期限と置き場所を書いたか
  • 次の点検日を決めたか
  • 一度は試しに食べて、味や量を確かめたか

よくある質問

一人暮らしの非常食は、何食あればよいですか?

1日3食として、最低3日分なら9食、1週間分なら21食がひとつの目安です。まだ何もない場合は、まず3日分の9食をそろえ、そこから1週間分へ増やすと始めやすくなります。

専用の長期保存食を買わないといけませんか?

専用品だけにする必要はありません。パックご飯、レトルト食品、缶詰、乾麺など、ふだん食べている食品を少し多めに買い、食べた分を買い足すローリングストックでも備えられます。

水やお湯がなくても食べられる物は必要ですか?

必要です。災害直後は断水やガスの停止、停電が重なることがあります。パンの缶詰、魚や肉の缶詰、栄養補助食品、ナッツなど、開けてそのまま食べられる物も一部入れておくと安心です。

非常食セットを選ぶときは、何を見ればよいですか?

点数ではなく、実際に何食分になるかを確かめます。主食に偏っていないか、水やお湯が必要な物がいくつあるか、保存期間、一人で食べ切れる量かもあわせて確認しましょう。

まとめ|まず3日分、最終的に1週間分を目標にする

非常食は、最低3日分、できれば1週間分を準備しておくことが推奨されています。

一人暮らしで1日3食として考えると、

期間食数の目安
3日分約9食
1週間分約21食

となります。

ただし、21食すべてを同じ種類の非常食でそろえる必要はありません。

主食・主菜・副菜を組み合わせ、普段から食べられる食品をローリングストックすることで、無理なく備蓄できます。

これから準備する場合は、まず3日分を確保し、その後1週間分へ増やしていきましょう。

全体の流れから確認したいときは、停電に備えて家で用意しておくもの|困る順番と通電火災対策にまとめています。

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